Wizardry - Proving Grounds of the Mad Overloadリメイク、のニュースはホンマ喜ばしい。その記事にも書いたが、これがリメイクされる、と言う事は、結果、長年続いたサーテックと原作者アンドリュー・グリーンバーグとの裁判の決着が付いた、って事だろう。
旧Wizの呪文名はアンドリュー・グリーンバーグが作ったモノで、それがあったため、旧作の「再販」が出来ない、とか、和製Wizで「呪文名を変更せねばならない」と言うような状態に陥ってたわけだ。
しかしリメイクが可能になった、って事は旧Wizの呪文名も使えるようになった、って事だろう。Wizardry I〜Vはもはや「死蔵された」ソフトウェアではなくなった。
名作は何度でも蘇る、と言うチャンスを手にした事となる。
マジで喜ばしい。
ただ、それはそれとして、僕は恐らくこのリメイク版は買わない(笑)。いや、皆に買うな、って言ってるわけじゃない。むしろ買え(笑)。
でも個人的には「買わない」と思ってるんだよな。
このリメイク版は、Apple II版ソースコード、つまりホンマモンの「オリジナルのWizardry」をベースにする、と言う。つまりゲームの「中身」は全く手を付けない、との事だ。
この方針も正しい。名作なんで、ヘタな改変はすべきじゃない。ヘタな改変をするとかつてのファンが怒りまくるだろう(笑)。非常に良質なリメイクだと思う。
でも個人的には「買わない」んだ(笑)。
何故か?「現代的な3Dグラフィックにして・・・」って文言。ここが引っかかる。いや、かつてどっかで聞いたことない?
そう、実はコンセプト的にはプレイステーション版Wizardryと変わらないんだよ。もちろん、あっちは90年代の技術、なんだけど、総じて3Dだと、どれだけ凝っても見た目の基本とか、プレイヤビリティって変わらん、って思ってんだよね。
もちろん、かつてプレステでプレイした人がこのリメイク版でWizardryをプレイしたい、って思いを妨げる気はない。大体、プレステ自体が既に「動かない」事も考えられるし(そもそもSONYの機械は壊れやすい・笑)、プレステのシリーズから後方互換性が失われて久しい。
結果、プレステのディスクを持っていても既に死蔵状態、って人も多いだろう。僕みたいなエミュレータ派ばっか、って事もないだろうし、プレステをエミュレータで動かすのは(BIOSの著作権の関係もあって)難しいから、だ(※1)。
プレステの過去資産、ってファミコン以上にヤバいんだよ。それは分かる、んで、「いっそ新作を・・・・・・」と言う判断は間違っちゃいない、んだ。
ただ、エミュ辺りの環境を整えてる場合、コンセプトはやっぱ「プレステ版Wizardry止まり」って認識になり、「新しくリメイク!」って言われてもそこまで食指が動かないんだよね・・・・・・うん、正直なトコ。
あと、3Dの表現の問題もある。
Wizardryって元々、「キーを連打すれば」ダンジョン内を走り回れるようなゲームなのね。
一方、3D迷路の場合、ヌルヌルって動くわけでしょ(笑)。どれだけキーを連打しても「走らない」んだよ(笑)。どうしてもヒトコマヒトコマアニメーションすっからさ。これがかったるくって嫌なの(笑)。
敵モンスターのアニメーションなんかもどうでも良くってさ(笑)。個人的には全然「3D表現」にこだわりって無いんだ。むしろプレイヤビリティを阻害する、とまで思ってたりして。
だから権利関係は整理されて良かったね、と思う。3Dになって復活して良かったね、と思う。
でもだからと言って「買いたい」に繋がらねぇんだよな(笑・※2)。どうしても、ってぇのならプレステ版で充分だろ、って思ってるワタシがここにいるのです。
※1: ハードウェアのエミュレータを作る事自体は違法ではないが、問題はCDなんかを読み込むBIOS、翻るとOSモドキをどうすんのか、って部分になる。ここはガチガチで著作権に守られている部分だ。
結果、ハードウェアエミュレータはあるにせよ、プレステの実機に搭載したROM辺りからデータを吸い出さないとならなかったりして、CDドライブベースの機器はファミコンなんかのカセット式ゲーム機に比べると遥かにエミュレーションが難しい、と言う事になる。同様の問題をレトロゲーム機だと、PCエンジンなんかも抱えている。
※2: むしろ「Bane of the Cosmic Forge」のリメイクだったら買ってたかも・・・・・・こっちの方は「もうすぐ3D時代が到来する」直前で、明らかに3Dゲームへの憧憬が見て取れる、からだ。「現代の技術で再現する」のならこっちの方が適切なんじゃないか、と本音では思っている。