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Retro-gaming and so on

『Wizardry6、7、8』日本語版復刻決定!

このブログで知った話。
ほう、と。

厳密に言うと、復刻されたのは8のみ、だ。
6(Bane of the Cosmic Forge)は過去、2004年に、角川のPC‐9801ゲームリバイバルコレクションでエミュレータ付きで復刻されている。

 
一方、Wizardry 7(Crusaders of the Dark Savant)はProject Eggの方で公開している
両作共、角川に買収された旧アスキーが日本のPC版の権利を持ってた筈なんで、と言う事は、現在では角川に権利がある。
しかし、Project EGGには7だけ公開を許して、何故か6はずーっと放ったらかしだったんだ。
加えると、アスキーはWizardry 8の頃にはコンピュータゲームから手を引き(と言うかリソースを子会社のエンターブレインに集中させた)、結果この頃にはWizのローカライズ権が無くなってしまう。
結果、Wizardry 8は、米国サーテックの「開発難航」もあり(結果、前作から10年近く経ってしまったし、このシリーズの作者、D.W.ブラッドリーも結果サーテックを去って新しいシリーズを始める)、グダグダで日本ではエレクトロニック・アーツ/ローカスブランドでリリースされたわけだ。
なんかその辺だと日本のプレイヤーも「本家Wiz」熱が冷めちまったと言おうか・・・。
まぁ、難しい状況だったんだよ。

いずれにせよ、今回6・7・8の「復刻」っつーのは、復刻と言うより、多分日本国内の権利関係調整が終わりました、って事なんだろうな。旧作3つのウチの2つは角川から、残りはエレクトロニック・アーツから、と、交渉が上手く行ってワンパッケージに出来ましたよ、と。
あくまで「国内での権利関係がゴタゴタしていた」のを整理した、って事なんでしょう。Steamとかならワンパッケージになって久しいからな。

さて、Wizardryは6から新シリーズになって、これは過去には評判が悪かったんだ。
ついでに言うと、プレステ版で出た7がまた評判が悪かった。ディスク読み込みが「モッサリ」し過ぎてて過去のファミコンのプレイヤビリティに比べると「あまりに酷い」ってぇんで「クソゲー」扱いになってしまった。
他にも、ゲームが元々「6のキャラを転送して」その続きとしてプレイするように設計されてた為、6を飛ばしたせいでゲームバランスが悪い、と言うのも酷評を生んだ原因だ。







グラフィックは綺麗な為、当時のゲーム雑誌で紹介されるスクリーンショットに嫌でも期待は高まった。しかし、実際出たゲームをやってみると、クソゲーだったのである。
なお、このグラフィックはCommodore Amigaで作成されている。恐らく、LightWave 3Dを用いてる。

この辺で、なんつーの?本家Wizardryの「ブランド性」が崩壊して、Wizardry Empireとか、そっちの「和製Wiz」にプレイヤーの意識が移ってくんだよ。




Wizardry Empire。いきなりアスキーじゃなくってスターフィッシュと言う「良く知らないメーカー」からWizardry外伝「っぽい」ゲームが出てビックリした人も多いと思う。
元々はゲームボーイ用のシリーズだったが満を持して(?)プレステに登場した。
なお、スターフィッシュはHOT・Bと言うパソコン黎明期から(クソ)ゲームを作ってたが倒産した会社のメンバーが作ったらしい。




Wizardry Dimguil。恐らくアスキーが最期に関わったWizardryで、スーファミのWizardry外伝IVの正当な後継がプレステで。今じゃ誰も思い出さないけど(笑)、出た当時は評価は結構高かったと思う。

和製WizはWiz I〜Vの「システム」にWiz 6以降の「種族」と「職業」を持ってきただけ、ってのが多かったと思う(ゲームボーイの「外伝3」以降、そんなカンジ)。
ただし、以前Wizardry Vの話を書いたけど、ぶっちゃけ、あのシステムはあれで限界だったんだよ。少なくともアメリカでは、新しいスタイルの3D RPGが出て来た時期なんで、「古来のままのWiz」だと商売的にはどうしようもなかったんだ。
そして、同時にWiz 6は「日本人には早すぎた」。何故なら、TRPGの「スキル制」を持ってきたから、だ。言っちゃえばWizはVまではAD&Dなんだけど、6以降はルーンクエストなんだ。全く違うシステムで全く違うゲーム性。当然戦略もガラリと変わり、「Wiz Vまでのストラテジー」だと立ち行かないゲームになってたんだ。
しかしながら、スキル制自体は、TRPGには馴染みがなくても、現代のなろう系の「異世界転生モノ」に馴染んでる人の方が分かりやすいだろう。1990年代初頭に出たWiz6(BCF)は「今プレイした方が」分かりやすいんだ。

スーファミ版Wiz6 Bane of the Cosmic Forge(禁断の魔筆)。Wizardry Vの移植に続き、遠藤雅伸率いるゲーム・スタジオによる移植。原作のPC版より遥かにプレイしやすくなっている。傑作。何故にシリーズ化せんかったのか。残念。

Wiz Vまではダンジョンで「魔法を節約しつつ」戦う。Wiz 6では違う。魔法は「徹底的にぶっ放す」モノだ。ここが全然戦略的に違うんだ。そして6では「休息を取って回復し放題」だ。よって魔法をケチっても意味がない。
そして転職。Wiz Vまでは転職は「年齢が上がる」ペナルティがあって、強い職を目指すゲームだ。転職回数は少ない方がいい。ところが6以降は「ガンガン転職して」いいゲームで、転職すればする程強くなっていく。
この辺が全然違うんだ。だから「Wiz Vまでのプレイ方法で」6以降をやるとツラいだろう。ゲームシステムが分かればこれほどエキサイティングで面白いRPGはないんだ。
そしてスキルは上がれば上がる程キャラが強化されていく。Wiz Vまでは「特性値」がすべてを決定してたけど、6以降は「スキルポイントの割り振り」でキャラの「強さ」が決まる。目指せオール100、ってのがWiz 6以降のゲームの「やり方」なんだ。

また、Vまでは「あんまシナリオは大した事がなかった」けど、6以降はストーリーがちゃんとあるRPGになってる。6は「滅んだ古城の秘密を探れ」だ。リドルレベルじゃなく、キチンとした「謎解き」があり、エンディングは3つに分かれる・・・真・女神転生っぽいよな(笑)。
うん、むしろ「古来のWizファン」っちゅうより「真・女神転生ファン」の方が相性良さそうなゲームだ。「謎の古城を調べる」ってだけでホラーな雰囲気も満載、だしな。
実は僕もパソコン(Commodore Amiga)版を入手してプレイした時は「何じゃこりゃ?」とか思ってた(笑)。キー連打すると「ベル音が止まらない」とかさ(笑)。なんか「出来が良いプログラムじゃねぇな」とかそっちの方にイライラしてて、「ダメだこのゲーム」とか思ってたんだけど。
後でスーファミ版のBCFをプレイしたら「メチャクチャ面白いじゃん」って意見が180度変わった。それくらい傑作ゲームだ。
っつーか、やっぱこの時代だと、「UI作る」のは日本人の方が上手かったよな(笑)。どーもアメ公はその辺大雑把で・・・(笑)。いや、スーファミの頃って「PCゲーそのものを移植しよう」としてダメになってた例が多くて、それがゲームの評価下げてたりしてたんだけど、アスキー+ゲームスタジオは「キチンと改変」してて良ゲーにしてた辺りが良かった。職人技なんだよ。
よって本当は、「PC版復刻!」とかなら是非ともスーファミ版を同梱して欲しい。マジでスーファミ版BCFはおもしれぇから。頼むぜ。

なお、Wizardry 6・7・8のポータルはここだ。
こちらも、是非一見。
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