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Retro-gaming and so on

「うる星やつら」がいつの間にか終わってた件に付いて

「うる星やつら」がいつの間にか終わってた。
最初、2022年から一年間放送する、とか言ってた気がするが、どうやら後半を2024年に「第二期」として放送するように変更(?)されたみたいだ。多分。
今年の冬期アニメはコロナで中止になって急遽再放送、なんかも多かったんで、それ関係の影響だろうか。



しかし、この「うる星やつら」の第二期、個人的には「多分今期の初動程視聴率が取れる、とか注目度が高くなるってこたぁねぇだろう」と思ってる。
ハッキリ言って失敗作だ。「これならやらん方が良かった」ってレベルだと思ってる。
実の事言うと、5回放送辺りで見限ってしまってた。
おかしな色味、モノマネ演技、喋りで効果音、とか一々ダメな演出だ、としか思えない。
なるほど、「原作に忠実」なんで、原作者の高橋留美子だけは喜ぶだろう、とは思う。押井守作品とは大違いなのだけ、は事実なんだよな。
しかし、言っちゃえば、コンセプトが良く分からん。っつーか、作品として観た時、「今、"うる星やつら"をリメイクする必然性」とかそういう意図が全く掴めない作品となってる。
リメイクとしては大失敗作だ。
っつーか、80年代的な画、って事を除けば、この作品が原作に忠実なアニメ化だとすると、押井守の80年代版「うる星やつら」の方がむしろ「リメイク作」に見えてくる程なんだよ(笑)。仮にあっちがこっちの放送より後に流れたらどう見てもアッチの方が「リメイク」と呼ぶに相応しくなってるだろ(笑)。



コンセプトが良く分からん、ってのはこういう事だ。
例えばこのアニメ、OP曲もED曲もよく出来てる。金かけてる、って思う。
でも現代的なんだわ。OP曲やED曲をあれだけ現代的にしておいて、何故にアニメの内容が昭和なのか。全く意味が分からん。作品の世界観とOP/EDが全く合ってない。
言っちゃえば、時代劇作ってるのにOP曲がAKB48だったらおかしいだろ、って程食い違ってるんだよ。
いや、狙ってやってるならいいんだ。でもどう見ても狙ってやってるんじゃなくって何も考えてない気がするんだよな。金があります。じゃあ、いい曲作れます。でもコンセプトは共有されてない。なんだこれは、って程チグハグなんだ。
でも本編だと「ラムのラブソング」から流用したBGMが流れる、とか意味が分からん。だったら最初っから「ラムのラブソング」もリメイクしちまったら良かったんじゃねーの?
なんつーのかな、結局今期のアニメって、小学館何周年記念作品だかなんだか知らんが、制作側に覚悟が足りない気がする。言っちゃえば、「押井守に激怒した」高橋留美子に配慮するのが第一になってて、でも一方で、「往年アニメファンに衝撃を与えた」押井守版に「勝てない」ってのが分かりきってて、でもしょーがねぇから適当に妥協を混ぜたどっちつかずの作品を作った、としか思えないんだ。
大体、押井作品を畏れてるからこそ、主要登場人物を演じる声優はモノマネさせられてるわけじゃん?
なんか、このアニメはとにかくおかしい。こんなんだったらマジでやるべきじゃなかったんだわ。
第2期?ありえねーだろ。もはや仕切り直すようなレベルでもなくなってると思う。
ホント、ただ単に、「新しい」「新解釈の」うる星やつらが観たかった。



しかし、これだけ、需要があるのかどうか知らんが「昭和昭和」してるアニメを見せられて思ったのは「ある時代っつーのはやっぱ一瞬の出来事なんだな」っつーのと、「時代を再現しよう、逆行させよう」なんつーのは無駄なんだな、と言う事だ。
「押井版うる星やつら」ってのはあの時代だからこそあの形式で光ってたわけだし、それは原作の「うる星やつら」にしても同じだ。
「かつてのあの熱気」を今この時代に「昭和そのものを含めて」再現しよう、ってのが土台無理なんだ、ってのを今回このアニメで痛感した。
痛いほど分かった。
もう、1980年代って振り返っちゃダメなんだな。
どんなに憧憬しても、帰れないから「時代」なんだ。
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