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Retro-gaming and so on

チャンピオンゴルフ

セガのSG-1000/SC-3000用ソフト。任天堂の「ゴルフ」より早く登場し、評としては「初めてのマトモなプレイヤブルなゴルフのビデオゲーム」と言われたりする。
と言うのも、以前見たが、世界初のゴルフのビデオゲーム、マグナボックス・オデッセイ2のゴルフやATARI 2600のゴルフは、スプライトがデカいのもあり、プレイヤビリティはさほど良かったわけではない。


ATARI 2600の「ゴルフ」スプライトがデカイ、っつーか解像度が低いっつーか、いずれにせよ、「ホール」と「プレイヤー」のサイズ比率もどうなってんだか良く分からず、現代的な観点だと、とても「ゴルフ」と主張出来ないカンジだ。

Apple IIの「プロゴルフ」もテキスト処理の比率が高く、「シミュレーター」としては良くても、現代的な意味でのスポーツゲームとしての「ゴルフ」としては説得力が低い、ってのも以前見た通りだ。

一方、チャンピオンゴルフは一応、現代的な「ホールの大きさ」を備えていて、ビデオゲーム「らしい」最低限の体裁は整えている。


グラフィックスはヘンな配色で「ショボ!」とか思うだろう。
でも実は、SG-1000/SC-3000の実機では、もっと「MSX臭い」配色なんだよな(笑)。
「MSX臭い」ってのは意味不明だろうが、要は実機ではこんなカンジだ。



え?とか思うだろ(笑)?
いや、この辺余談なんだけど、実はSEGAの初代のSG-1000/SC-3000ってのは部品構成は殆どMSXと同じで、ヤマハが製造したテキサス・インストゥルメント製のPPU(Picture Processing Unit)の互換PPUを使っている。
だから画像出力は本来、MSXっぽい出力なんだ。
しかし、セガは自社マシンを打倒ファミコンの為に改良していく事になるわけだ。そして継続してヤマハにPPUの改良を頼んでいくわけだが・・・・・・。
セガはマスターシステムを出すまで、自社マシン用ゲームに対しては「後方互換性」を保っていく事となる。いや、プログラム的にはそうなんだよ。
ところが、PPUの基本構造は初代から継承していく事となるんだが、「発色への命令」が変わっちまったんだよ(笑)。マークIII〜マスターシステムの発色数は初代のSG-1000/SC-3000より大幅に増えてるんだけど「番号×は△色を表す」ってのがガラッと変わっちまったんだな。
故に、SG-1000/SC-3000から継続的にセガのゲームを遊んでたユーザーは、自分が持ってたカートリッジをMarkIII/マスターシステムでプレイしようとすると「動くけど色味が変わっちまった」事に衝撃を受けるわけだ(笑)。「何じゃこりゃあ!」と(笑)。

実はSG-1000/SC-3000そのもののエミュレータ、ってのは探しても無い、んだ。いや、あるかもしれんが俺は知らん。セガのマスターシステムのエミュレータはそれなりにある。
つまり、マスターシステムのエミュレータでSG-1000/SC-3000を遊ぼうとすると、上記の様な問題が出てくる、んだ。あくまでマスターシステム用エミュレータはMark III以降の発色命令に合わせて作られている、んで、オリジナルのSG-1000/SC-3000の発色は再現出来ないんだ。これをかつてのセガユーザーに指摘されて初めて知った次第、だ。
ある意味、SG-1000/SC-3000のカラーリングの問題はエミュレータにとっても鬼門なんだよ。

さて、そのSG-1000/SC-3000用のプロゴルフ。ファミコンの「ゴルフ」以降の「スタンダードなゴルフゲーム」と違ってちと特徴がある。まず「キャディ」の存在だ。


ホールの外側に旗を持って立っているカカシみたいなヤツ(笑)に気づいただろうか?
こいつが「キャディ」だ。
こいつはホールの外周を移動出来、要は、「どの方向に向けて打つのか」と言う目印になる。こういうシステムはファミコン以降の「ゴルフ」には見られない傾向だ。
そして左上ではずーっと人型がスイングの素振りをしている。タイミング良くクラブが下に来た辺りでボタンを押せば、玉を打つ、って事になり、こういうシステムもファミコン以降の「ゴルフ」では見られない、チャンピオンゴルフならでは、のシステムになっている。

さて、このゲーム、クレジットを見ると面白い事が見える。


ORIGINAL GAME: © LOGITEC 1983
COMPUTER PROGRAM: © SEGA 1983

そう、このゲーム、実はアーケードゲームの移植作らしい。「らしい」ってのは詳細が良く分からんから、だ。
著作権を持ってるのはLOGITEC、って事なんだけど、そう、あの外付けハードディスクを売ってたりするロジテックが元々アーケード向けに作ったゲーム「らしい」。いや、だから「らしい」っつーのは、ロジテックってのは黎明期のアーケードゲームにも参加したらしいんだけど、あまり良い結果を生まなかったんだ(笑)。要はヒット作が無かった。
だから人知れずアーケードから撤退して、要するに「記録に残ってない」んだよ。
そんな中、業務用で関わりのあったセガが、どういうわけだか「誰も覚えちゃいねぇ」(笑)、ロジテック製のアーケード向け「ゴルフ」に目を付け、自社のコンソール向けに移植した、とどうやらそういう流れな「らしい」。
繰り返すけど、「らしい」ってのは記録が無い、からだ。
黎明期の「語られぬ」ビデオゲームビジネスが伺い知れる話だよな(笑)。
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