世界初のPC用ゴルフゲームと言えば?で出てくるのはプラットフォームとしては当然Apple IIとなる。
世界初のPC用ゴルフゲームがこのPro Golf(1979年)だ。
実は、世界初のコンピュータ用ゴルフゲームと言えば?と言うと家庭用コンソールのゲームの方が早い。アメリカで1978年に発売されたMagnavox Odyssey 2(後年、日本でもオデッセイ2として発売されたが知名度はないだろう)用のゲーム「Computer Golf!」が最初だ。
Magnavox Odyssey 2
Computer Golf!はOdyssey 2のリリース年に発売されたゲームだが、その翌年出たのがこのApple II用のPro Golfになる。完全に初のPC用ゲームだ。
Magnavox Odyssey 2用ゴルフゲーム、Computer Golf!
Pro Golfは後年のゴルフゲームに比べるとテキスト比率がやたら高いので笑える(笑)。
ゲームをはじめると、まずはゲーム選択画面だ。
ゲーム内容はパット練習、18ホールを回るフルゲーム、前半及び後半の9ホールを回るゲーム、ホール練習、特定のホールだけでのゲーム、が選べる。
黒画面でキーボード入力になるが、一方、現在のゴルフゲームで示される「選択肢」がほぼ揃ってる事には驚かされる。
適当にゲームを選んで、
まずはプレイする人数を確認。
そしてプレイヤー番号
を入力する。ここで9999を入力すればそのプレイヤーのプレイは記録されないようだ(なんともBASICのゲーム臭い・笑)。
ここでゲストプレイヤー(番号9999)にすると、ランダムでハンディキャップが決まる模様。
今回はプロ、って事になっちまった。
進めよう。
ホールまでの距離を表示しますか?と訊かれるが、現代的なビデオゴルフをやってる我々だと「当然だろ?」と思う。
Yes、と打つ。
ホールの攻略法、ヒントが必要ですか?と訊かれる。
いわゆるキャディー情報だよな。
これも現代的ビデオゴルフをやってる我々からすると当然に思えるので、Yesと打とう。
今回は「コースは乾いててグリーンは速い。無風状態。」との事。
キーを打って進める。
作者のトムがキャディー代わりらしい。
訳すのメンドイんで進める(笑)。
ファミコンでさえ比べればアレなApple IIの「ゴルフ場表現」だが(笑)。
まずクラブ選択だが、我々がやってる現代的ビデオゴルフと違って、クラブも入力して選ばなアカン。もう今のゲームだと距離に合わせて自動選択してくれんのにな。
第一打なんでオーソドックスにウッドの1番(1w)を入力する。
次に「打つ強さ」の入力を求められる。
そう、後発のビデオゴルフゲームと違い、リアルタイム要素が全くない、のだ。
選べる強さは0〜105の範囲。
ここでは100を入力してみようか。
次は「打つ方向」を尋ねられる。
右端に矢印が出てるのが分かるだろうか。これが「方向」を表す。
Lキーを叩くと左回り、Rキーを叩くと右回りに矢印が「回転」する。
そして方向を決めた後、Sキーを叩くとショットが実現する。
そう、このように、後発の「ゴルフゲーム」に比べると全くリアルタイム性がない。どっちかっつーとシミュレーションゲームのノリだ。
今更イイも悪いもねぇんだけど、Yesと打つ。
Apple IIらしく打たれたボールのアニメーションがあるが、今回は残念ながら木にぶつかっちまってラフに落ちた。
・・・とまぁこんなカンジで進めていく。
現代のビデオゴルフに見られる仕様も含まれてるが、リアルタイム性が全くないショット、ってのがこれがまた今のゲームと大幅に違うだろう。
ちなみに余談だが、日本初のPC用ゴルフゲームは、「遥かなるオーガスタ」のT&Eソフトが出した、PC-6001用「Real Golf Game」だ。当時だと「T&Eと言えばハイドライド」だったらしいが、社長の趣味は当初からゴルフだったらしく、そもそもT&Eの第一作はこの「Real Golf Game」である。ゴルフと共に生き、ゴルフと共に死ぬつもりだったんじゃないか(謎
そして、日本の家庭用コンソールゲームだが、実は任天堂の「ゴルフ」よりセガの「チャンピオンゴルフ」の方が早い、と言う事を付け足しておこう。
セガのSC-3000/SG-1000用「チャンピオンゴルフ」。古臭い見かけのゲームだが、それでも「Apple IIよかマシ」ってのがなんとも、だ。
