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ライブレポートとCD評

SADAO with FRIENDS 2018

2018-06-07 08:50:31 | ライブレポート
5月26日(土)
渡辺貞夫(As)
ラッセル・フェランテ(P)ベン・ウィリアムス(B)ケンドリック・スコット(Ds)
於:鎌倉芸術館大ホール

貞夫さんを聴くのは2015年12月関内ホール以来、久しぶりだ。
鎌倉芸術館は2007年にパットメセニーとメルドーのカルテット以来だ。
この日は本来は仕事なのだが、有休を取った。
横須賀線で大船駅まで行き、会場に向かった。
前回から10年以上経っていたので、道を全然憶えていない。
少し早く着いたので、近くのカフェでコーヒーを飲んだ。
4時開演だったのだが、やはり少し早い。
席は前から8番目の左寄りで、演奏者もよく見える位置だった。
後ろを振り返って全体を見渡すと、満席だった。
貞夫さんは色々な編成で演奏するが、今日はアコースティックのカルテット。
昨年発売された「リバップ」を中心に演奏するのではと思って、先月は電車の中でよく聴いた。
ラッセル以外の2人は初めて聴く。
ラッセルはキーボードでは何度か聴いた事があるが、こういうアコースティック・ジャズのピアノは初めてかもしれない。
ただ、ラッセルの演奏はだいたい想像がつく。
4時きっかりにメンバーがステージに入ってきて、演奏が始まった。
「Butterfly」から始まった。
演奏が始まってすぐ気付いたのが、低音がこもっている。
ベースとバスドラムの音がこもっている。
貞夫さんも1曲目を終わった後、「昨夜は音が非常にニートだったが、今日は・・・」と言っていた。
演奏した曲は予想に反して「リバップ」からの曲はあまりやらず、懐かしい曲が多かった。
「リバップ」を演奏する前に「難しい曲を作ってしまって、まだ一度も満足できた演奏がない」と言っていたが、この日も満足できる出来ではなかったようだった。
この日は貞夫さん疲れているのか、少し元気がなくMCの声もかすれていた。
そのせいなのか1部は1時間に満たない演奏で、短く感じた。
20分の休憩時間の後、2部が始まった。
低音のこもりは少し改善されたようだ。貞夫さんもいつも通りの元気な演奏だった。
ベースは非常に音程がよく、貞夫さんがここ10年くらい何度も共演しているのはわかる気がする。
ラッセルはマッコイ・タイナーと正反対のさらっと弾くピアノで、貞夫さん好みのピアノだ。
もう30年以上の付き合いだが、人柄を非常に気に入っているようだ。
ドラムも派手さはないが非常にタイトなリズムを叩く。
久しぶりに「カーニバルの朝」を聴いたが、ああいうボサノバ風バラードを吹かせると絶品だ。
ラッセルと初めて共演したアルバム「マイシャ」から「WHAT'S NOW」を演奏した。この曲をこの編成でやるとは思わなかった。
あのアルバムはフュージョンだが、この曲はジャズっぽいフレーズで管楽器が何本も入っている。あのアルバムでは一番好きな曲だ。
この曲以降はMCもなく次々と演奏が続いた。「CHEGA DE SAUDADE」(以前はNO MORE BLUESと表記していた)は貞夫さんの演奏で憶えた曲だ。余談だが、本田竹廣氏が脳卒中で倒れてリハビリ中に貞夫さんがこの曲を演奏するのをTVで見ていたそうだ。
最後は最近アンコールでよく演奏する「花は咲く」。私はこの曲を生で聴いたのは初めてだ。
この曲は東日本復興ソングだそうだ。原曲は知らないのだが、貞夫さんはソロで演奏され、メロディが身にしみる。
アンコールはブギウギだった。
セットリストは演奏後、会場の入口に張り出されていたものです。
貞夫さんの演奏はメロディを大切にした極上のエンターテイメントだと思う。
いい意味でも悪い意味でも期待を裏切る事はない。
いつまでも元気で演奏してほしい。
観客は50歳以上の人が多かったが、中にはSAXを持った高校生くらいの女の子もいた。レジェンドの演奏を聴きにきたのかな。

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