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ライブレポートとCD評

坂井紅介トリオ

2007-07-21 15:20:31 | ライブレポート
7月20日(金)
坂井紅介(B)
井上淑彦(Ts,Ss)井上功一(Ts)
於:Dolphy

今日は会社が終わって一緒に仕事をしている人と神田にのお好み焼きや「カープ」に行った。私がこの店に来たのは2回目だ。最近、広島風お好み焼きをよく食べている。水曜日にも横浜で行った。
神田から東京まで京浜東北線、東京から横浜まで東海道線に乗り、横浜から日の出町まで京浜急行と乗り継いで行き、Dolphyに8時過ぎに着いた。

入り口に今日はピアニスト(柴田敬一)が出演中止と書いてあった。
ピアノレストリオのようだ。
紅さんのグループに井上淑彦さんが入るのは久しぶりなので、楽しみだ。
店に入ると紅さんがソロベースを演奏していた。
それからメンバーが出てきて2曲目はミンガスの「グッドバイ・ポーク・パイ・ハット」だった。その後はイースト・プラント、わたすげ等のFUSEの曲が続いた。
2部は1曲目が紅さんのCDの1曲目に入っているとてもファンキーなナンバーだ。2部は紅さんの曲を演奏するのかなと思っていたのだが、2曲目からはまたFUSEの曲になった。最後は紅介さんの曲で終わった。
FUSEの曲でも紅さんがリーダーなので、いつもと少し違う雰囲気で面白かったが、紅介さんの曲が聴きたかった。

演奏が終わった後、紅介さんとお話をした。
今日はなぜFUSEの曲を演奏したのか?と聞いたら、今日はピアノレスになったので、井上さんが吹きやすいようにと思ってFUSEの曲にしたそうだ。
以前(10年前)は紅介さんのグループに井上さんがよく入って、井上さんのグループと紅介さんのグループとリーダーが違うだけでおなじようなメンバーでしたね?と言ったら、「そんな事はなかったんじゃないかな」と言ってたけど、当時Dolphyで働いていたS君とそういう話をよくしていたので、結構メンバーがダブっていたと思う。その時の井上さんのグループが今のFUSEだったかどうかは記憶が定かでないけど、違っていたと思う。

井上さんは最近、アルコールをあまり飲んでなく、今日も飲んでなかったが、まったく止めたわけではないそうで、ただ飲み始めると朝まで飲むので自重しているそうだ。体調が悪いわけではないという事で安心した。

OPEN ROAD

2007-07-10 23:43:06 | CDレポート
演奏:
渡辺貞夫(As,Fl,ソプラニーノ)
本田竹廣(P)
鈴木良雄(B)
渡辺文男(Ds)
大野俊三(Tp)
福村博(Tb)
峰康介(Ts、Ss)
今村裕司(Perc)
その他弦楽器

曲目:
Disc1
1.BIRDS
2.MORNING
3.PASTEL MORNING
4.ROCK DOVE
5.FLOWING
6.INTERSECTION
7.JUA SONG
8.TANZA FRILLS
Disc2
1.ECHO
2.KALEIDOSCOPE
3.LOVE SONG
4.OPEN ROAD
5.FELICIDADE~O NOSSO AMOR(Jobin)
作曲:渡辺貞夫(Disc2 5以外)

録音:1973年5月2日日比谷公会堂

このアルバムはアフリカにインスパイアーされて作った「SADAO WATANABE」に続くアルバムでFM東京「マイディア・ライフ」の公開録音である。
私も初めて体験したジャズコンサートはこの数年後に行われた「マイディア・ライフ」の公開録音だった。このアルバムを聴いて、こんな素晴らしいコンサートが無料で聴けた人達は何と運の良い人達だと思った。

この時の演奏は「SADAO WATANABE」の後にしてはそんなにアフリカ色が強い演奏だとは思わない。ただ、この後、貞夫さんは自然讃歌がだんだん強い演奏になって行くが、このアルバムでもそれが色濃くなっていくのがよくわかる。

Disc1の1~3は連続して演奏される。貞夫さんのフルートとそれに答える峰さんのソプラノは小鳥のさえずりを思い浮かべる。私はバリ島を思い出した。2はチェロの調べのバックで弾く本田さんのエレピが非常にナチュラルな響きだ。それから貞夫さんのソプラニーノが高く奏でる。その後に続くコーラスはアフリカのマサイ族を思い浮かべる。この当時、ジャズメンにコーラスをさせるというのは本当に珍しい(今でもまずないと思うが)と思う。3は本田さんのマイナーな響きのソロに続き、貞夫さんのフルートの美しいメロディが弦楽器の上に流れていく。ここがこのコンサートの最初の山場ではないだろうか?この辺りのアレンジはおそらく渡辺貞夫だと思う。本田さんのソロも適度に熱くていい。ここまでは何度でも聴きたい演奏だ。
4はとてもファンキーなナンバーだ。
5は貞夫さんには珍しいフリーフォームの曲だ。6は非常に短いテーマに続き貞夫さんのソプラニーノソロから非常に熱いジャズ演奏になる。この曲はカルテットのみの演奏だ。この曲は後年「マイディアライフ」で山下洋輔カルテットと演奏した事がある。
7と8は題名からもわかる様にアフリカンテイストの曲だ。

Disc2の1は私の大好きな曲だ。貞夫さんも好きなようでこのアルバムの後でも何回か吹き込んでいる。ただし、ここではフルートのモード演奏になっているが、後年のアルバムではアルトで普通の4ビート演奏になっている。私はこのアルバムでの演奏が一番好きだ。この曲でのチンさんのソロは好きだ。
2は管楽器のコーラスによるアップテンポのメロディから始まり、貞夫さんの熱いソロ、本田さんのソロが続く。この辺りの本田さんのガーンと来るソロは大好きである。貞夫さんも、もうこういう熱いソロを期待するのが無理なのは残念だ。
3はきれいなバラードだ。貞夫さんのソロはさすがだ。
4はこのアルバムのタイトルとなった曲で、管楽器のユニゾンによるテーマから始まる。この曲ではアルト、テナー、ペット、トロンボーン、ピアノ、ベースとソロを回していくが、峰さんのソロはさすがである。チンさんは1でもそうだが、非常に木の香りがする音を出す。
5は「LIVE AT JUNK」のエンディングでテーマのさわりだけ聞こえて、非常に印象に残るメロディだったのだが、このアルバムでたっぷり聴けた。このアルバムを聴くまではジョビンの有名な曲だとは知らなかったのだが・・・。
当時の渡辺貞夫はこの曲をライブの最後に演奏していたらしい。
この曲でも中間部でコーラスが入る。貞夫さん以外のメンバーはこのコーラスをどう思って歌っていたのだろう。峰さんも歌っていたのかな?
コーラスの後はパーカッション大会になる。おそらく、全員何らかのパーカッション楽器を叩いているのではないだろうか?
ここら辺りは今でも変わりない。

このコンサートを体験できなかったのは非常に残念だと思う。
今、これを再現してもとても興奮すると思う。それくらい素晴らしいコンサートだと思う。