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芸能山城組「恐山・銅之剣舞」/「輪廻交響楽」

2006-01-21 13:47:05 | 音楽の人
去年の年末に買って、よく聴いたアルバム2枚。

「恐山・銅之剣舞」
「輪廻交響楽」

いずれも芸能山城組の作品。
芸能山城組は日本の音楽シーンでは極度に異端な存在です。
元々は「ハトの会」という学生合唱団だったのが、生化学の研究者でもある山城祥二を指揮者に迎えてブルガリア民謡やバリ島の民俗芸能のケチャに取り組んだことから、様々な音楽ジャンルを超越した前衛的な音楽家集団「芸能山城組」が誕生しました。
実際彼らはプロのミュージシャンではなく、シンクタンクとしての研究活動も行なっているそうです。

えー以上後付け知識でしたが、私が彼らを知ったのは映画『AKIRA』の音楽を担当していたことから。
そのハイテンションでそれまで聴いたことのない音に衝撃を受けました。
観てない人は必見です。

「恐山・銅之剣舞」

1976年発表のファーストアルバム。
いきなり女性の金切り声が大音量で響くので取り扱いには注意が必要。
でも大音量で聴きましょう。
日本の民謡や浄瑠璃、読経、バリ島のケチャなどの伝統芸能に、ロックを融合させた気宇壮大な作品。
アルバム1枚に2曲という構成や、神話をモチーフにしたストーリーなど、プログレッシブ・ロック的であるといってしまってもいいかもしれません。
実際「恐山」などは初めてKing Crimsonを聴いた時のような興奮を覚えました。
「恐山」でエレキギターに導かれる様にはじまる女声合唱のあたりがかなりツボ。

「輪廻交響楽」

こちらは1986年発表の9枚目のアルバム。
「AKIRA」サントラのイッコ前に発表された作品です。
1stから10年経ってますが、その間は東欧、シルクロード、アフリカ、日本などの民族音楽をテーマとしたアルバムを発表してきて本作でまたオリジナルに回帰した、というまさに輪廻的作品。
輪廻思想をメインテーマとして生と死との相補性、対等性を肯定的に歌い上げたという大作で、翠生、散華、瞑憩、転生の4楽章から成っています。
一体どうやってこんな音をつくっているのかというほど、複雑かつ重層的に楽器や合唱、祝詞などが絡み合って展開する世界観に圧倒されました。
聴いているうちに精神がどこかにトリップしてしまいそうになります。

以上長々と書きましたが、とても素晴らしい音楽なので多くの人に聴いていただきたいところです。
が、アマゾンで検索しても軒並み「現在お取り扱いできません」の文字が。
なんで粗製乱造された糞みたいな音楽が氾濫しているのに、こういった作品が広く届けられないのかとちょっと憤りました。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (toha)
2006-01-21 16:59:20
最初写真だけみたら、何やら恐ろしい本?と思ってしまったよ…w

でも恐ろしそうなオンガックだな…

ちょっと聞いてみたい
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Unknown (acco)
2006-01-21 18:19:16
ちょっと聴いてみるわ!

民族色濃いネタ探してたのよ☆

耳コピできるかなぁ?



しかし入手困難ではないだろうか?



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Unknown ()
2006-01-22 01:10:18
>tohasan



ぶっとんだオンガックだよ。

でも凄い。

衝撃度は強烈。

音がグルグル廻ってる感じ…



>accosan



ガムランやジュゴクも使ってるんだけど、西洋音階じゃないんで普段あまり聴かない音楽っぽく感じるのでしょうか。

私には難しい音楽の理論はよくわかりませんが、ガツッときましたね。

「AKIRA」のサントラなら入手は楽なんだけど、他は…orz
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