バーデン・パウエル「孤独」

週末渋谷に行った際、購入したアルバム。

Barden Powell"Solitude on Guitar"

よく洋楽では日本盤を出す際、別のタイトルを付けて発売します。
たまに素っ頓狂なタイトルを付けられてしまったりもしますが、このアルバムに「孤独」と名付けたのは見事だと思いました。
そしてこのジャケット写真、夕陽の海に鳥が二羽飛んでいるのですがなぜか心にぐっとくる、いいジャケットです。

ブラジル出身のギタリストであるバーデンがヨーロッパで活動していた時期の作品である本作は、まさにドイツ（独）で一人、孤影を垂れているかのよう。
下手の勘繰りをせずとも、故郷のブラジルを想って創られた作品なのではないでしょうか。

ボサノヴァという感じは直接的にあまり感じないのですが、スパニッシュ・ギターとも違う、寂寞とした情念が宿っているように感じます。
鳥のように気持ちは故郷に向かって飛んでいるような、そんな淋しさ。
それでいて陰鬱なところはなく、晴れやかな孤独といった心象風景が浮かんできました。