@りえ記

観劇と気になる記

12月の観劇記

2008年12月30日 | 観劇記
AKURO 
11/29夜@神戸オリエンタル劇場
12/05夜@東京芸術劇場中ホール
12/12昼@東京芸術劇場中ホール

AKURO再演です。
初演のときも今回も古代史ファンのヘンなこだわりが頭をもたげて、なかなか物語世界に集中できなかったのですが、千穐楽公演では不思議とスッと体の中に入ってきて、蝦夷たちがそれぞれに憧れの世界を語るシーンでは涙が出てきました。
初演はいろいろな要素を盛り込みすぎたところがあって、その分「なぜヤマトの中で高麻呂1人が選ばれたのか」「高麻呂とアケシは恋に落ちているのか」というところがピンと来にくかったところがあったんですね。
しかし再演はそういうところが整理されてわかりやすくなっていて、その分「争いのない世界」を求める歴史から消されかけた民である蝦夷の祈りが実感として伝わってきたのかもしれません。
西村さんの源太は結果的に「ウソつきヤマト」の代表みたいになってしまってますが(笑)、みんながみんな英雄めいているなかで1人、そうなりたくてもなりきれなかった凡人という立場は結構好きだったりもします。

ギンギラ太陽ズ「BORN TO RUN」
12/05昼@あうるすぽっと

4月に福岡に観たのにまた観るか、それもわざわざ東京で!というツッコミはさておき、その前の週に0系新幹線が最終の通常運行だったりしたので、多少の改変を期待。上演時間も1時間ってことはないだろうし。
上演時間は1時間半でした・・・が、しかし、間にギンギラ太陽ズの人気短編「女ビルの一生」が入っているため、ほとんど一緒でした。しかし私「女ビルの一生」はつごう4回目ぐらいなのに玉屋さんとマダム大丸の友情のくだりは、じわーんときてしまう.
BORN TO RUNも4月に観たのに、結構忘れている部分もあり、またしても笑って泣いて。
カーテンコールの「ホンモノの0系は現在システムの関係でどうしても東京まで走ることができない。だから僕たちがせめて変わりに東京に来ようと思って東京公演を考えた」という大塚ムネトさんの言葉にもホロリときました。

次の公演も楽しみです。

RENT
12/06昼@シアタークリエ
先月あんなに文句を言っていたのにまた観るか!ですが、まあ一ヶ月たってどうなってるのかを確かめたくて。エンジェルシートにチャレンジしたのですが、10人/66人には入れずに正規のS席料金を払ってみましたよ。2階の左側のボックスシート。
確かに下手は多少観づらいとこもありますが、それ以外はいい視界で結構気に入りました。多分あまり一般のお客さんとは混じりたくないご招待のお客様とかもここで観たりするんでしょうね、トイレは6人に1つだったりします。
感想は思ったとおり1ヶ月たってキャストの一体感みたいなものはあがってますが、やはり聖歌隊とスタンドマイクと「尊厳なくして」の歌詞は受けつけーん!という気持ちを新たにしました。ホントに惜しいなあ・・・オリジナル演出と前回の歌詞を生かした改定だったらよかったのに。

グッドナイト・スリイプタイト
12/12夜@PARCO劇場

ある夫婦の出会ってから別れるまで30年の物語。結婚している友達が見終わった後悲しい気持ちになったという感想を書いているのを観て、独り身の私は結婚してなくてよかったと思うのかな、と思ったのですが、そんなことはなかったです。
夫はかなり面倒くさい性格の人で、妻は(たぶん観ている人が飽きないようにだと思うのですが)かなりバイタリティのあふれた、ぶっちゃけ、はた迷惑な女性。
私が男でも女でも、どっちかと結婚するのはカンベンだなあ・・・と思ってしまったりもするのですが、それでも最初は相手を思いやりいたわりつつ過ごした日々も確かにあったわけです。
たとえ最後は一緒にいられなくなったとしても、そんな日々を持っているということは、私のような人間にも眩しく感じられます。


フライパンと拳銃
12/13昼@東京グローブ座

年に一回は富田靖子さんを観ないとねえ・・・なんて思いながら行った東京グローブ座。劇場内はすっかり「磯崎家」の葬祭場に模されている。磯崎さんという友人がいるので写真とってメールしようかな、と思ったけど、係のお姉さんに聞いたら入り口の提灯も撮影NGということ。まあ自分と同じ苗字の葬式風景の写真送られても、相手も微妙だろう。
お話は典型的なキャラの皆さんが、思ったとおりのドタバタを繰り広げ、笑わせてくれる作品。でも自分、やっぱりこういう作品好きみたい。わかっちゃいるけど、もう1回観たいような気にさせられました。
今回のキャストの皆さんは富田靖子さんだけでなく全員芸達者で最高だったんですが、頭に浮かんだのが、コレ、演舞場とか明治座とかで藤山直美さんの座長公演でかけてもいけるんじゃないの? ということ。
G2プロデュースと藤山直美さん・・・ないかな。やったら絶対観に行く(笑)。

イッセーオカダ「空箱」
12/13夜@下北沢駅前劇場

高橋一生くんと岡田義徳くんの2人ユニット第一弾公演。開演を待つ俳優? その分身?の会話で進んでいきます。演劇のワークショップのエチュードってこんなんだろうかと思う設定ですが、2人とも上手いので禅問答のようなセリフのかけあいも面白い。
感じたことは2つ。
たとえば俳優さんは開演前に「役作り」をする。それで「これだ」と思う「役」をつかんだ場合、その過程で生まれた違う「役」たちはその瞬間消えてしまうんだよね・・・ということ。
あとは産まれることと人間になることと俳優が開演を待つこととオーバーラップさせてるのかなとも。

どちらも的外れな感想かもしれませんが。

ラ・カージュ・オ・フォール
12/14昼@日生劇場

北九州芸術劇場公演があると知る前に友人にチケットを取ってもらって観劇。
前に観たのは93年。もう15年も前だと気がついてクラクラ(笑)。そのときはまだこちらのミュージカルを観る素養が未熟だったせいもあり、面白かったことは覚えているけど、友人たちが「一番好きなミュージカルはラ・カージュ」というのが、いまいちピンとこなかったことも。
しかし今回のラ・カージュは違いました。曲はもちろんいい! セリフはシャレてる! 振り付けはダイナミック! 私が好きなヘンな人のキャラがいっぱい!・・・で、楽しすぎる。そして、気の置けない家族だからこそ、かえって傷つけてしまったりすることもあるけど、お互いを愛していれば大丈夫! ということが伝わってきて、観終わった後がなんとも暖かい気持ちになれる。
あまりに楽しかったので、北九州でもう1回とも思ったのですが、すでにほぼ売り切れということで、無理はやめました。
ホントに市村さん、ファイナル・ザザなの? 好評につき年内にアンコール公演とかやってくれないかなあ・・・。

冬の絵空
12/25夜@福岡サンパレス ホテル&ホール

あと1営業日の平日に行くことができるか・・・? と思いながらチケットを予約したのですが、何とか間に合いました。
脚本の着想も面白く、キャストの皆さんも実力者ぞろいでしたが、公演が始まったばかりだからか、一場面、一場面に緊張感がもう少し欲しい気も。
それと舞台初めての人に歌舞伎役者の役は、かなり無茶ぶりな気が。
いろいろ大人の事情があるのでしょうが・・・・。
現時点での総合的な評価では、やはりこのチケット代は高いかなという気がしました。


マドモアゼル・モーツァルト
12/27昼@東京芸術劇場

ホントは年末に上京しないつもりだったのに、コレと夜のライブの魅力に負けて上京してしまった。ANAのマイルがあってよかったよ、ホント。
フレッシュなモーツァルトとコンスタンツェ、熟練のサリエリとカテリーナ、野心あふれるシカネーダー・・・キュートなアレンジやドラマティックなオリジナル曲の記憶も鮮やかに蘇り、心の中で「コレよ、コレが観たかったのよ~!」と歓喜しました。
思い切って観ることにしてよかったです。3月の関西公演も観たいなあ。


見上げたボーイズ「SONG & DANCE & コント~FINAL」
12/27夜@STARPINES CAFE

歌も踊りもアクションもコントもできる(1人は脚本と演出もできる)アラフォー俳優5人のユニットのライブ。ワタクシ本公演は皆勤賞なのですが、ライブはまあ、無理しない範囲でしか行ってませんでした。ただ今回は「重大発表」があるということと、「マドモアゼル・モーツァルト」も観られる
というので、行ってしまいました。
結局「重大発表」は「しばらく活動休止」とのこと。確かに前回公演ぐらいから他の公演に出演しつつの「年1回の公演」が大変になってきてるのでは・・・と感じたこともありましたが、本当に実際に発表されると寂しい気持ちでいっぱいになります。
特に「北京へ・・・」は、私の観劇人生の中で、かなり上位に食い込む作品だったし。
まあ「休止といいつつ1年もたたないうちにまた活動開始するかも」という可能性もあるようなので、メンバーの皆さんが納得の形で復活してくれるのを待ちたいと思います。
即興劇のコーナーでは、観客として来ていた駒田はじめさんが、急遽舞台にあげられ参加。どうなるのかと思った物語を見事に締めてくれました。うーん、名人。

この見上げたボーイズライブが今年の見納め。今年は94本。
今年は抑え目の予定が去年より「増えとるやないかーい!」(笑)