@りえ記

観劇と気になる記

ジキル&ハイド

2005年12月11日 | 観劇記
ジキル&ハイド@日生劇場 12月11日 13:30

ジンクスといっていいものかわかりませんが、
○○するときに決まって○○が起こる・・・ということがありますよね?

前回、ジキル&ハイドを観たとき、私は自分の取った日を勘違いしており
そのため、持っていたチケットは友人に引き取ってもらって、自分は
取っていたつもりの日にチケット窓口の近くに「チケット譲ってください」と
書いた紙を持って立ったという思い出が・・・。(完売していた公演だったので)
都合よく、急に見れなくなった人のチケットを譲ってもらえたので、いい思い出に
なってます。
そんなことがあったのに! 今回もまた自分の取った日を勘違いしていて、取り直すハメに。今回はカブっていた公演の方が取り直ししやすかったのでそうしました。ダメですねえ。

さて前置きが長くなりましたが、今回の3演目です。
初演、再演で敵役をやっていた石川禅さんが、今回は主人公、ジキル博士の親友役。これは見ないわけにはいきません。

この作品は薬の力で二重人格になってしまった善良なジキル博士と悪人ハイド氏を描くスティーブンソンの有名な「ジキル博士とハイド氏」をミュージカル化したもの。
ジキル&ハイド、エマ、ルーシーの主要人物のソロ曲は当然魅力的な曲が多いのですが、「ファサード(仮面)」などのアンサンブルソングがなかなか迫力で、私のアンサンブル好きのツボをついてくれるのです。
アンサンブル役者の皆さんも多少の入れ替わりはあるものの、ほぼ同じメンバーでやっているので、今回は3演目の充実がヒシヒシと伝わってくる出来で、カンパニー全体が、いい意味で熟成してきているなあというオーラが心地よかったです。

楽しみにしてた石川禅さんのジョンですが、期待に違わずよかったです。
「笑い」の間もうまいです。役作りとしては「好人物」、「良き家庭人」の印象。
「凡人であるが故の逞しさとか脛さ」が感じられるこの役作りのおかげでジキル博士の「天才であるが故の脆さや弱さ」が、いっそう哀しく思えて思わずジキル博士に感情移入してしまいました。
 ジョンという役は「彼だけがジキルを理解できるただ1人の友人」というアプローチもあると思うのですが(ラストにジキルが彼に自分の人生を委ねるあたり)、禅さんのような人物像も別角度で効果的だなあと思いました。

 禅さん同様、楽しみにしていた鈴木蘭々さんのエマですが、「ユーリンタウン」、「キレイ」はとてもよかったのだけど、今回でセリフ回しが一通りしかないんだなあ・・・ということがわかって、軽いショックを受けました。
 まあエマって結構、不思議キャラなので雰囲気はよくできていましたし、澄んだのびやかな高音は、やっぱり好きです。
 4演目があったらまた観たいです。