新聞からは見えてこない世の中の闇

　死亡者まで出している「欠陥隠し」自動車が明るみに出た企業と同じ企業グループに属する保険会社の「保険金不払い」という問題がある。
　勧誘時に病歴などを申告せず保険に加入するよう勧め、保険金がおりるだんになると申告しなかったことを告知義務違反として支払わない、また保険加入者の過失を過大に言い立て加算金を払わない、入院給付金を削る、などのひどい業務実態が新聞やテレビなどで大々的に報道された。
　けれど、10月に保険金不払いで首脳陣が総退陣という報道がされているなかでも、現場では同じような違法な勧誘が強制され、それを個人の良心から拒否すると会社を辞めさせられるというような状態にあったことはどこも誰も報じない。
　これは実際に企業に勤務する人から聞いたのだが（本人に迷惑がかかるので詳しいことは書けない）、新聞社が知らないはずはないのではないか。
　欠陥自動車の件でもこのグループ企業は性懲りも無く同じようなことをやっていた事実が報道されている。

　社外の弁護士らも含めた調査委員会の社内調査結果を発表、会長、社長、副社長の辞任も正式に決定という報道の陰で、同じようなことが継続されていた事実は、新聞・テレビなどのマスメディアが普段から政官財とはおおもとではなあなあの状態にあり、それを企業も心得ているということではないだろうか。