かえで君と私

私、夫ネイサン、長男カエデ、次男アボ(全て仮名)4人家族の生活@ホワイトロック、カナダ。

アボちゃんの心臓 1)救急病院

2010-08-31 13:56:51 | アボちゃんの心臓
産まれて2日目の午前11時、病院を後にした私たち。これからアボちゃんと二人きり(カエデは日中デイケア、ネイサンは仕事)の生活!とウキウキしていたのですが、なんだかアボちゃんの様子が変。家につれて帰る時ブランケット無しでカーシートに入れたせいか、手足が冷たいし、病院から出てからまったくおっぱいを飲みません。病院にいる間の吸い付きは新生児とは思えなかったのに。せっかくおっぱいも出て来たし、早く飲ませたいので目を覚ます度にあげようと試みるも、顔を背け、また眠りにつくアボちゃん。ネイサンは「アボちゃんの息の仕方、変じゃない?」と指摘。言われてみると、息を吸うたび、きー、きーっと変な音がします。

明日、小児科医に連れて行った時に聞いてみようね、ととりあえず様子を見る事に。昔の記憶をたどると、カエデが産まれた時も他のお母さん達は2、3時間ごとにおっぱいタイムに呼び出されるのに、カエデは寝っぱなしで5、6時間呼ばれなかった事があったので、今回も良く寝る子なんだろうと思いました。

ただ、手足がどんどん冷たくなって行くのが気になったので、お布団をかけて一緒に寝る事にしたのですがなかなか暖まりません。そして全然起きない。無理矢理起こして、口におっぱいを入れてみても、嫌がって顔を背けます。その時の時間は午前零時。なんだかとっても嫌な予感。唇も乾いて来て、脱水症状を起こしているみたい。これはまずい!母乳の味が気に入らないのかと思い、最後の手段で粉ミルクをあげてみる事にしました。

台所でお湯を沸かし、それを冷ましている間ふと思いついて病院からもらった母乳に関するパンフレットに目を通してみる事にしました。というのも、母乳オンリーにかなりこだわりのある私。粉ミルクをあげる前に出来る事はやっておこう、と思ったのです。そして、そこで目に停まった、「こんな時はお医者さんにすぐ連絡しましょう」の項目。ーおっぱいを飲まず、寝てばかりいる。ー唇が乾いている これは今のアボちゃんではないか!すぐ産科に連絡します。すると看護婦さんが「念の為に私だったら救急病院に連れて行くけど。」この一言で背筋が凍り付きました。すぐ、ネイサンに目と鼻の先にあるピースアーチ病院に連れて行ってもらいます。私は寝ているカエデを置いて行けないのでお留守番をしてくれるネイサン母の到着を待ちます。

ネイサン父母は5分程で来てくれたので、すぐ救急病院へ。着くとまだ入り口でチェックを受けていました。その後、ようやく中に入れてもらったのですがピースアーチは小児科がないので、新生児の受け入れ体制が全く出来ておらず、とても怖い思いをしました。まず、自宅待機の小児科医がくるまでの時間がとてつもなく長く、やっと到着しても必要な薬(プロスタグランディン)がなくて、サレーメモリアル病院からタクシーで取り寄せたのが2時間。心臓に問題がある様なのでBCチルドレンズホスピタルに搬送する事になりました。

薬を待つ間、産科の看護婦さんエニコが急遽助っ人で参加してくれました。エニコは私が入院した時に世話してくれたとってもきびきびした、良い看護婦さんだったのでこの日担当でほっとしました。エニコは救急スタッフが点滴量を大人用にセッティングしたり、間違った薬を点滴しようとした時にも止めてくれ、血液酸素濃度が低いのを見るやいなや、すぐ酸素をアボちゃんにあげてくれたりしたのでした。ピースアーチには小児科がないため、赤ちゃんへの対応に不慣れ’だし、用具も機器も大人用しかなく、その度エニコが産科までとりに行ってくれました、もしエニコがいなければ、と思うとぞっとします。

サレーメモリアル病院から薬を待つ間、どんどん緑色になって行くアボちゃんを見ているのがとってもつらくて、私もネイサンも半狂乱でした。ネイサンはアボちゃんの体温を下げないように、シャツを脱いで抱っこをしています。(エニコ提案)。そして温かいブランケットをエニコがかけてくれるのですが、救急病院のスタッフはそれにおかまい無しに、ひっきりなしにブランケットをはがしてモニターをチェックするのがとってもイライラ。この時アボちゃんの体温は、33度まで下がって、ほとんど反応もなくなっています。もう、なんでもいいから早くBCチルドレンホスピタルに連れて行ってほしい!

そのあとようやく乳幼児搬送スペシャリストの救急隊と、BCチルドレンホスピタルの小児科医が到着。救急病院のスタッフと比べて、天と地の差のキビキビさがとっても頼もしい!!しかし事前に連絡を受けていたよりアボちゃんの容態が悪いので、搬送する前に気道を確保する事になりました。予想外の大仕事に救急隊がアボちゃんの気道を確保するのにまたもやとても時間がかかり、やっと救急車に乗れたのが午前7時。この間も全然動かない救急病院のスタッフにしびれを切らしたエニコが救急隊をどんどん手伝い、おまけにびっしりカルテを書き込んでくれました。