日本は、日中戦争で国際法に違反して、細菌戦、毒ガス戦、無差別爆撃を行った。日本政府は、この事実をきちんと認めていない!!
●『細菌戦部隊』
731研究会編 1996年9月(核時代51年)初版発行
『細菌戦部隊』
731研究会編
序ー 731部隊がいかにして作られ、またいかにして歴史の闇に葬られたのか?
その頃、ソ連側も捕虜に対して独自に追及を始めており、1947年初頭にいたって日本の細菌戦部隊の人体実験や中国への攻撃などの実相を知った結果、東京裁判の検事をを通じ、証拠書類を添えて石井たちの尋問を要求してきた。慌てたGHQは、すぐさまアメリカ本国へ連絡、ロバート・H・フェル博士が日本に派遣されてきた、内密に再度調査を行った。石井は「ソ連に対するエキスパートとして自分たちを雇わないか、研究データを提供する」(フェルの尋問調書より)と、戦犯免責との取引を持ちかけた。報告を受けた本国アメリカの国務・陸軍・海軍三省調整委員会は長い協議の末、731部隊の研究データは「“戦争犯罪”の追及で得られる利益よりもはるかに重く、国家安全保障の上から重要性がある」(アメリカ・三省調整委員会極東小委員会のレポートより)との結論を出す。そしてデータの提供と引換えに戦犯の免責を与えることを決定したのである。
日本軍政下香港(1997.7.27)
(2)「学術研究」とオーラル・ヒストリー
したがって、ある著書や論稿が専門的歴史家によって書かれたか否か、『学術研究図書』と銘うたれているか否か、いわゆる学術雑誌所収の論文であるか否か、といった点が肝要なのではない。問題は形式ではなく内容であり、いかなる史料に基づき、いかなる史料批判を行ない、いかなる歴史像を提示しているかこそが問題なのである。因みに、後に言及する、秦郁彦の「昭和史の謎を追う―日本の細菌戦―731部隊と石井四郎ー」と題する論稿が、『正論』1990年3,4月号に掲載されたが、この『正論』がいわゆる学術雑誌ではないとの理由だけからその論稿に学問的価値がないとするならば、それは不当であろう、そこに書かれた内容こそ問題にすべきなのである。また、Peter Williams and David Wallace, Unit 731ーTHe Japanese Army's Secrets, 1989.は、一次史料を縦横に駆使した優れた著書であるが、これを著者たちが英国テレビのドキュメンタリー制作者であることをもって『学術書』ではないとする者はいないであろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます