●『1931 満州鞍山守備兵 斉藤準太郎の日記』
五月十六日
その娘が意外にも大子河の北信号所で降りようとしたが 間違っていたために出口に立っていた。その出口には巡察中の友が乗っていた為に話の種を作ったその娘が南信号所降りた故に 変に頭に残ったが 今日その美しい娘を北信号所の一番向こうの工事中住家に見た。しかもエプロンかけてお主婦さんぶりを発揮していた。
午後十一時駅についてそれから引き続き構内巡察だ 人を馬鹿にしている。昨日は夜明かしで今日は午前一時迄とは少々辛い。然し明日は中隊に帰れるんだと思うと 少し位は平気な気になれる。
●大江健三郎著
Ⅳ 人間の威厳について
しかし、一旦原爆症の兆候を発してしまえば、彼はもう広島を忘れることも、広島から逃れることもできないのである。最も、原爆病院に入院しも、できる限り広島について考えないで暮らす、という態度は、あり得るかもしれない。意識的に広島を求めず、そこから遠ざかるべく心掛けて暮らす態度、そして全快し再び社会に帰って広島と無関係に暮らすという事が可能であれば、その患者は、最も幸福だし、本当に全ての患者がそのようであればどんなにいいことだろう。
唯一の戦争被爆国 日本政府は核兵器禁止条約に署名・批准してください!
日本は、日中戦争で国際法に違反して、細菌戦、毒ガス戦、無差別爆撃を行った。日本政府は、この事実をきちんと認めていない!!
●『細菌戦部隊』
731研究会編 1996年9月(核時代51年)初版発行
Ⅰ 731部隊
満蒙開拓青少年義勇軍から731部隊へ
撤退時の死体処理は教育部全体で無我夢中でやった
大竹康二
731部隊・教育部
〈略歴〉
1926年生まれ
1940年3月 満蒙開拓青少年義勇軍入隊。同年7月“満洲国”北安省嫩江の訓練所入所。
43年8月開拓団入植
1945年5月 122師団(牡丹江)入隊
1945年6月 731部隊教育部に配属
1945年8月 帰国
■この証言は731研究会の学習会での発言(1994年4月)。95年5月の聞き取りをまとめたもの
平房脱出
逃げる時は何でも持って行きました。食べるものは絶対にね。生きるためには食わなきゃ駄目、鉄砲より食うものが先、それが基本だよね。上官には内緒だったですけど。少年兵はなんてかわいそうです。だって皆討伐に行く時、銃やら弾丸やら大事にして、食うものや水を捨てていく。そうじゃない、食うものがなかったら助からんよ。わしら逃げる時、毛布や甘味品いっぱい詰め込みました。
●中央档案館、中国第2歴史档案館、吉林省社会科学院編
『証言 人体実験(731部隊とその周辺)』1991年初版発行
江田憲治、兒嶋俊郎、松村高夫編訳
解説
松村高夫
2 731部隊とは何か
「ノモンハン事件」での細菌散布に続いて、1940年には浙江省寧波で、41年には湖南省常徳で、42年には浙贛作戦(せっかんさくせん)で細菌攻撃を行なっている。このように防疫給水部はハルビンを中心にして中国各地に設置されたのであり、移動の防疫給水部も含めて有機的・組織的に関連していたことを見落としてはならない。平房以外の防疫給水部での人体実験の実態はまだ不明な部分が多くの残されているが、人体実験などの旧陸軍のの残虐行為を731部隊に限定したり、地域的にも中国東北地方に限定するのは正しくないし、東京の陸軍軍医学校との関連も看過してはならない。
●毒ガス戦
・『日本軍の毒ガス兵器』 松野誠也著
第5章
日中全面戦争と毒ガス戦の展開
1、催涙性ガスの使用とより強力な毒ガス兵器使用の要求
中国軍の毒ガス戦能力の調査
戦争が激しさを増す中、陸軍は中国軍の毒ガス戦能力を調査する為に4つの野戦化学実験部を派遣した。その調査方法は、防御不可能な毒ガスを軍隊に装備させることはできないので、中国軍のガスマスクの性能を調査すれば毒ガス戦能力を確認することが出来るというものだった。そこでます、1937年9月に華北で捕獲した中国軍のガスマスク4個を調査したところ、いずれもくしゃみ性・嘔吐性ガスを防御する能力がないことが判明し、中国軍に対するこのガスの使用は「極めて有効」であると報告した【第1野戦化学実験部「捕獲防毒面検定成績の概要(其の1)(要報1号)」『資料集Ⅱ資料29】。
・『日本の中国侵略と毒ガス兵器』 歩平著(山邊悠喜子、宮崎教四郎訳)明石書店 1995年発行)
第5章 陸軍習志野学校
秘密の軍事学校
まず、当時の日本陸軍の各種学校は、すべて学校の名前の中に専門的な性格を表明していた。例えば「砲兵学校」、「歩兵学校」、「通信学校」、「自動車学校」あるいは「士官学校」、各種教育機関など。しかし「習志野」は地名であり、専門とは何の関係もない。明らかなのは、専門の性格を秘密にしなければならないということだった。当時この学校に命令を受けて来た軍人たちは、学校の名称からしてすぐここは秘密の軍事機構だろうと疑った。
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