徒然なるままに修羅の旅路

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【川原正敏新作開始】項羽と劉邦読んだこと無いんだけど、読んだほうが楽しめるのだろうか。

2016年03月07日 22時56分35秒 | 日記・雑記
 川原さんの新作『龍帥の翼』が始まりました。煽り文句は川原版『項羽と劉邦』。
 相変わらず半端ない執筆量ですね。ちなみに今回は九十五ページ。高屋さんももうちょっと筆が早くならないかなあ……まあ言ってもしょうがないけど。

 主人公は中国の王朝である漢の初代皇帝・劉邦の軍師として知られる張良子房。
 イケメソです。てか、ヒラコー版那須資隆与一と同じで、女性かと思いました。見開きで男って書いてあるから男性の様です。

 秦国が周囲の諸国を併呑し始めたとき、真っ先に狙われた隣国・韓の宰相を二代に渡って務めた張家の嫡子ですが、作中においては養子となっています。
 
 作中冒頭において張良はひとりの幼児を拾います。
 黄色い衣装を身に纏った幼子を連れて、正確には置いてけぼりにされつつあるので連れられて、張良は東へと進んで行きました。
 子供に体力で負けるんじゃないよ。

 黄色い石を所持していた幼子に導かれて崖を越えた張良は、ついに求めていた場所、東夷の人々が住む里を目にし、同時に身の丈八尺を超える屈強な若者と出会います。中国の当時の尺は二十三センチとのことで、日本式の尺(三十・三センチ。ほぼ一フィートと同じ)とはかなり違いますね。

 ああ、胸が……鼓動がはねる

 出会うなりときめいてる張良。おい、いきなりそんな薄い本にネタを提供する様なモノローグはやめれ。あと頬を染めるんじゃない。

「倉海君にお会いしたい」
「そんな人は知らんと言ったら、帰ってくれるか」

 張良の目的は倉海君という人物の様です。張良は弟が秦の兵士に惨殺された後、暗殺者を雇い入れて失敗し、のちに協力者を求めて東方を目指したとのことで、冒頭はそのエピソードの様ですね。
 
「あんた長に会って、なにをする気だ」
「始皇帝を殺したいのです」
 かつての日本と同様いまだ統一政権が確立していなかった中国大陸を始めて統一した男、秦の始皇帝。
 姓はえい、氏は趙、いみなは政。
 ところで八ページめの、どこか利根川さんを連想させるめっちゃ悪い顔した始皇帝が、鼻毛ボーボーにしか見えないのは俺だけですかねえ。

「始皇帝を……殺す? そのために力を借りに来た……というのか」
 どうも倉海という東夷は海皇紀におけるイベルグエン、修羅の門における戮家ルゥジァの様な扱いの様です。
 村山富市の様な眉毛の爺さんは、その長ですね。

「怖ろしくて小便ちびりそうだ」
 案外下品なことを口走る張良さん。
 幼子のほうがおしっこ漏らしてますが、それただ単におむつはずれてないだけでは。まずやるべきはトイレトレーニングですね。

 倉海里の長に理由を語るなかで張良が張家の養子であること、彼が養子入りする前に戸籍上の父である平はすでに鬼籍に入っていることなどが語られます。
 この時点で秦が韓を併呑してから十一年たっていることになりますね。
 良の弟は秦の兵士に石を投げ、撲殺されています。しかし、張良は費用を惜しんで弟の葬儀を出さなかったとか。これは史実の様ですね――中国の歴史って政権交代のたびに時の為政者に都合のいい様に改竄されてるので、実際のところどうかはわかりませんけど。

 ここで再び始皇帝の顔が入ります。やはり鼻毛に見える。始皇帝の真の武力とは兵力ではなく、鼻毛神拳だったのではないだろうか。

 東夷
 はるか倉海の地に兵有り
 この者たちの合力有らば
 国すら討たる……
 古の殷の如く

 やはり張良的に倉海はイベルグエン扱いの様です。
 変な伝説を捏造しつつ老人を丸めこもうとする張良と倉海君の話の中で、聞き逃せない一言が。

「古に殷を滅ぼした太公望呂尚は、この地の出身という伝説もある」
「我が一族の姜子牙がその一家をもってここを出、周の武王を助け殷を滅ぼしたとか……」
 やっぱ戮家ルゥジァじゃねーか。
 まさか山田さんが太公望がどーのこーのと九十九に語ってた戮家ルゥジァの噂って、これの前振りだったんじゃないだろうな。
 でもどうやら初代姜子牙ジャンズヤが倉海里を出たあと、倉海は衰退して、良が出会った青年しか兵は残っていない様です。で、出てった姜子牙ジャンズヤ戮家ルゥジァを興してウォル・シェイ・ロンに対するイベルグエン的に武王に協力したとこうですかわかりません。

「帰るがよい」
「くそ爺」
 断られて帰るとき、一度は置いていこうとした幼児を連れていく張良。子供に黄石という名をつけます。
 黄石というのは老人キャラのはずなのですが、本作では幼児ですね。

 最終的には倉海の若者もついてきて、一応張良の目的は達成されます。

 倉海君がほかの村人たちと語った通りなら、やはり倉海はイベルグエン的ポジションの様ですね。運用方法としては暗殺による指揮系統撹乱やゲリラ戦が正しい様で、雇い主が使い方をわかっていないまま貸しだされた十人の兵は正規の戦場で大軍と正面からぶつかり、結果多勢に無勢で殺されています。
 実際、イベルグエンにせよ戮家ルゥジァにせよ、それだけで万軍と戦うのは無理があります。
 いくら発勁を磨き上げてもそれだけで数万の軍を撃破するのは無理ですし、むしろ発勁は撃つと必ず一度動きが止まるので、一対多数戦には向かないと言えるでしょう。
 否、窮奇と名乗ったあの若者は鉾を持ってるし、発勁なんて使わないのかもしれませんけど。
 むしろ使ったら笑うな。
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