【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

「90億人の食」、食に纏る世界の話題 =049=

2019-10-03 06:27:56 | 浪漫紀行・漫遊之譜

≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡

= 唐辛子(とうがらし、唐芥子、蕃椒)は、中南米を原産とする =

 ナス科トウガラシ族(Capsicum) の果実あるいは、それから作られる辛味のある香辛料である-

栽培種だけでなく、野生種が香辛料として利用される

ここに一つの未来図がある

【この企画はWebナショジオ_2014年4月~2014年12月期、35回記載に追記・補講した】

(=文=Rebecca Rupp/訳=小野智子  イラスト:涯 如水=)

◇◆ 脇役から主役へ、バニラの下剋上な歴史 =1/2= ◆◇

 国際アイスクリーム協会のランキングによると、アイスクリーム好きの29%が真っ先に選ぶのはバニラで、2位以下のチョコレート(8.9%)、バターピーカン(5.3%)、ストロベリー(5.3%)を大きく引き離し、断トツ1位だ。

 こんなに人気のバニラなのに、英語で“プレーン・バニラ”と言うと、平凡、単調でつまらないものの代名詞となっている。華やかさに欠ける「プレーン・バニラなワードローブ」とか、オプション機能のない「プレーン・バニラな製品」、退屈な「プレーン・バニラな音楽」といった具合だ。ところが実際のバニラは、退屈とはほど遠い歴史をたどってきた。

チョコの脇役から主役へ

 バニラは、2万5000種から成る一大植物群、ラン科の仲間。中南米が原産で、メキシコの東沿岸に住むトトナコ族によって栽培が始められたと考えられている。15世紀にトトナコ族を征服したアステカ族がバニラを手に入れ、やがてアステカ族を征服したスペイン人の手に渡った。征服者エルナン・コルテスがヨーロッパに持ち帰ったとする説もある。しかしこの時は、ジャガーやフクロネズミ、アルマジロなどの珍獣に注目が集まり、バニラの影は薄かった。

 アステカ族は、カカオを原料としたショコラトルと呼ばれる飲み物にバニラを加えて飲んでいた。スペイン人はチョコレートを「豚の飲み物」と表現し、当初は気味悪がったが、徐々にアステカ族の飲み方を真似するようになった。

 17世紀初めになると、チョコレートに香りを添える脇役でしかなかったバニラの状況は一変する。英女王エリザベス1世の薬剤師ヒュー・モーガンが、チョコレートを使わないバニラ風味の砂糖菓子を考案し、それを女王が珍重したことから、バニラはにわかに主役の座についたのだ。18世紀には、フランスでアイスクリームの香味料としてバニラが使われるようになった。1780年代に米国大使としてパリに赴任していたトマス・ジェファーソンは、バニラアイスをたいそう気に入り、レシピを書き写した。現在、そのレシピは米国議会図書館に収蔵されている。

 料理本にバニラが登場するのは、もう少し後のことだ。食物史家のウェイバリー・ルートによれば、バニラを使った最初のレシピは、英国の料理家ハンナ・グラスのベストセラー『The Art of Cookery』(1805年)に掲載されたもので、チョコレートには「バネラス」を加えるように、と書かれていた。

◇◆ Why is vanilla so expensive? | The Economist ◆◇

=

・・・・・・ https://youtu.be/oguPMXcrOVY ・・・・・

 米国では、メアリー・ランドルフが著書『The Virginia Housewife』(1824年)の中でバニラアイスのレシピを紹介したのが最初である。19世紀後半になるとバニラの需要は急増した。アイスクリームのフレーバーとしてすっかり定着しただけでなく、清涼飲料の原料としても欠かせない存在となったのだ。アトランタの薬剤師ジョン・S・ペンバートンが考案し、1886年に発売されたコカ・コーラにもバニラが配合され、「脳スッキリ、知性に効く大評判の飲み物」と宣伝されている。

 問題は、バニラの値段である。生産に多くの人手と作業を必要とするバニラは、サフランに次ぐ、世界で2番目に高価なスパイスだ。バニラはつる性の植物で、他の植物に絡まりながら成長する。茎(つる)の長さは90m以上に達することもあり、直径10cmほどの淡い黄緑色の花を咲かせる。原産地のメキシコでは、オオハリナシバチやハチドリがバニラの花の授粉係だ。受粉しなかった花はわずか24時間でしおれて落ちてしまう。このように受粉機会がごく限られていることを考えると、バニラの存在そのものが進化の奇跡のようなものだ。  

 受粉に成功すると、長さ15~25センチほどのさやの形をした実がなる。さやの中には数千もの微細な黒い種子が詰まっている(バニラアイスに入っているあの小さな黒い粒だ)。ほかの地域でもバニラの移植が試みられたが、当初、さやは全く形成されなかった。授粉係のオオハリナシバチがいなかったからだ。

◇◆ Madagascar: Vanilla farmers ◆◇

・・・・・・ https://youtu.be/0PoIgYMxnCQ ・・・・・

//////参考資料///////

■□ 参考資料:バニラ(1/2) □■

バニラ(vanilla)はラン科バニラ属の蔓性植物。または、その植物から抽出された香料などのこと。原産地はメキシコ、中央アメリカといわれている。現在の主たる栽培地はマダガスカル、メキシコ、グアテマラ、ブラジル、パラグアイ、インドネシアなど。種小名はラテン語で「扁平な葉」を意味する。

自然界においてはハリナシバチ以外のポリネーターがバニラを受粉させることはないと考えられている。ユカタン半島ではナワトル語で「貴婦人の蜂」('royal lady' bee)を意味する ‘xunan-kab’と呼ばれているハリナシバチは、中央アメリカの固有種である。そのため、バニラの苗を原産地から持ち出して他の地域で育成する試みが18世紀から19世紀半ばにかけて何度も繰り返されたが、いずれの試みにおいても原産地以外の地域ではバニラを結実させることができなかった。

ところが、1841年にレユニオン島の12歳の奴隷の少年、エドモン・アルビウスが人工授粉の方法を考案し、それをレユニオン中の農園に広めたことにより状況は一変した。レユニオンとマダガスカルはバニラ・ビーンズの一大産地になった。なお、アルビウスの考案以前の1836年に、ベルギーの植物学者シャルル・モレンもバニラの受粉がどのように行われるかを論じ、人工授粉法について示唆的な言及をしている。

メキシコか、中央アメリカ原産であるが、現在はマダガスカルを中心に熱帯各地で栽培されている。2008年の全世界生産量980万トンのうち、インドネシア、マダガスカル、中国の3カ国で9割弱を占める。次いで、メキシコ、トンガ、トルコである。

日本では福岡県等で商業用にバニラが栽培されている。このほか気候が冷涼な北海道でも、石屋製菓が試験栽培に取り組んでいる。

バニラは、コロンブス以前の中央アメリカでタバコやカカオ飲料の香り付けに用いられていた香味料であり、スペインの征服者によってヨーロッパへと持ち帰られた。古代メキシコ以来、19世紀中頃にフランス人の栽培者が、彼らの知っていた花の人工授粉の方法の知識と、トトナコ族のバニラ・ビーンズの製法の知識を交換するまで、トトナコ族の人々が最良のバニラの生産者とされていた。

・・・・・・次回へ 

□    □ □ □

_ Vanilla Thieves Of Madagascar - BBC New _

・・・・・・ https://youtu.be/9nFzAT3cUws?list=PLVwk62Ea09t_os3Rwrm9ShrjSRxAhtuRC  ・・・・・・

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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