サンデーたかひろ

絵描き・ながさわたかひろの制作実況 “from Machida, Tokyo”

ノム 2ndステート

2007年01月21日 | 野村克也
今回のグランドは調子が掴めないな。描画していてるとポロポロ剥がれてくる。何でだろう?
アスファルトの量が多かったのかな?
まぁ、そのまま腐食しちゃいましたけど。
気温8℃、腐食時間30分。

王と長嶋をヒマワリに、自身を月見草に例えたノムさんです。
絡ませないわけにはいかないだろうってことで描き加えた月見草。しかしこれがデカすぎてそう見えないの!
照美さんのバラを引きずってしまった。
「オレはひっそりと日本海に咲く月見草(野村談)」なんですけどねぇ。
これはどこかで辻褄合わせしなきゃいけない。

ところで、ノムさんと長嶋は同級生なんですよね。王はちょっと下で。
長嶋が千葉、王が東京で二人とも関東出身。長嶋は立教、王は早実出身でハンカチ王子の先輩、春の選抜では優勝旗も手にしている。巨人V9時代の立役者。巨人大鵬卵焼き。文字通り日の目を見てるから、ヒマワリ。
対するノムさん、京都は丹後半島の出身。甲子園どころか地区予選でも2回戦敗退だったそうです。カネボウへ就職も内定してたんじゃなかったかな?そんな状況から南海ホークスへテスト入団したの。実際は巨人ファン。何故、南海だったかと言うと捕手が手薄だったから…
ん~、やっぱり月見草をなんとかしない限りこの絵の完成はないよね。考えなきゃな。

今日はひとつ告知があります。
展示のお知らせです。高円寺のギャラリー兼飲食店「bemch」にて。
2週間程前にオーナーからお話を戴きました。
丁度、大学で僕が担当している授業が一段落したところだったので、学生諸君にそのまま話を持ちかけ参加者を募りました。
その呼びかけに集まってくれた、版画コース1年生の有志7人の展示です。
みんな版画経験は浅いわけですが、正直、作品は良いです。教える人が良かったのだと、僕が組ませてもらっている講師の岡谷敦魚さんと二人で褒め合いました。
展示そのものは彼らに任せています。準備期間が1週間、おそらく参加者のほとんどは初めての学外展示だと思います。
そんな中、皆で相談し合って何とか一つのカタチにしようと頑張っています。
1年生のこの時期から色々な企画に身をおくこと、経験値を増やしていくことは、たとえどんなに小さいことであれ、この先確実にプラスになると信じています。

参加者7人、ひとりはお気に入りを見つけることができると思いますので、是非ご高覧下さい。
ひとりの作家の出発点に立ち会う喜びを味わうことができます!


何気に僕の絵も置いておきます。ノム 3rdステートです。
このブログに無理矢理連動した企画!
今週来週はサンデー登板は返上し、出品者個々の作品について小出しに書いていきます。

「bemch」
http://www.k4.dion.ne.jp/~bemch/index.html
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ノム(野村克也) 1stステート

2007年01月07日 | 野村克也

いや~寒い、寒い。
腐蝕できるのかな?
水温は大いに関係しますからね、こんな時は少し日が照るまで待つことにします。
で、お昼
気温8℃。
冬場だからね、こんなもんでしょう。腐蝕してみます。
それでも、60分後には気温が11℃まで上がりました。
今回の薄いグランドでは、あまり冒険も出来ません。引き上げます。
ざっくりした腐蝕です。もっと浅くても良かったかなぁ、という印象。

夕方、刷り。
画像のものがそれです。ノムさんの下にいるのは僕。

ギリアムの「バンデットQ(Time Bandits)」って映画、知ってますか?
僕にとっては思い出深い作品で、封切館で観た初めての洋画でした。字幕を追うのに慣れなくて難儀したの。
小学3年の時、「幻魔大戦」と2本立てだった。
当時田舎の映画館では不思議な組み合わせの二本立てがあって面白かったです。
このノムさんは、あの映画の「創造主」のイメージ。
主人公である少年の部屋、クローゼットの中は長いながい回廊!そこで顔面(神)が追いかけてくるの。
…まぁ見てみて。面白いから。


次の描画では、しっかりしたグランドを使わなきゃいけないな。
今回は、やっぱり細かいキズ状の腐蝕跡が付いてしまいました。

これから液体グランドを作って、作業を続けます。
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ノムさん、1回目の描画終了

2007年01月04日 | 野村克也
ノムさん、一回目の描画が終わりました。
ここのところ他の仕事に掛かりきりだったので、なかなか描画できなかったんだけれど、
昨日今日と時間に余裕が出来たのでね。まぁ、ようやく。
経過報告を楽しみにしていてくれた方、お待たせしました。
(居るかどうか分からないけど…)

見えにくいのは、銅板を覆っているグランド濃度が薄いためです。
正直、描画しにくかったわぁ。
「じゃぁ何故濃くしないの?」
それはね、手持ちのグランドの残量が少なくなったから。薄めちゃったの。
楽をしようとして逆に苦労してしまったってわけ。トホホ

グランドっていうのは、
アスファルト、蜜(白)蝋、松脂 (混合比4:3:2/版画家のバイブル!→深澤幸雄「銅版画のテクニック」より)
で作るんだけれど、作りたては濃度が極めて高いから、放っておくと固形化するんです。
僕は基本的に液体グランドしか使わないから、その都度リグロイン(ホワイトガソリン)で溶解して使用するのですが、今回はこの作業時間をケチりました。
だって面倒くさいんだもん、コレ。細かいゴミを濾し出しながら精製していかなきゃならないからね。

でも、やっぱり版画ってのはさ、その工程を一つ一つ確実に行わないと、どこかに皺寄せが来ちゃうの。版面が見づらくて苦労しました。

いや、でもね、薄めてるわけだから防護膜としても不完全なわけでしょ?
そのまま腐蝕液に入れてしまうことで、グランドが少しづつ破壊され、独特な表情を作ったりもできるのよね。
それって今回は全く必要ないんですけれど…
描画時の手擦れでもグランドが剥がれるだろうし、コレいったいどうなるのかな?

明日、腐蝕させてみますね。
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野村セオリー絆刊行記念サイン会の御報告です

2006年12月14日 | 野村克也
行きの電車の中では、色々と込み上げてくる思惑のためか、立眩みするほどでした。
現地に到着したのが18時5分。すでに100人前後の人が並んでいます。
まずは気を落ち着けるためにも、生ノムを拝まなくてはなりませんよね。
…居ました、いました。
一冊一冊、丁寧に毛筆(筆ペンだったかもしれん)でサインをする野村監督。希望者には宛名入りです。
本はノムさんから沙知代夫人に渡され、「絆」の文字が書き加えられます。
これも内助の功の現れか、文字がやたら大きい。
整理券は事前に貰ってあるので、ここで暫く様子を伺うことにしました。(ノムさんまでの距離 1.5m)
写真撮影自体は、容認されているようです。事前にカメラを渡せば、係りの方が夫妻との3ショットを撮ってくれます。

現在のプロ野球界を憂えた発言をする小父さんや、ご夫妻の健康面について感嘆する小母さん、南海ホークスの帽子を被り、選手としての野村克也を賞賛する(何年前の話じゃ?)いかにも怪しい人、色々います。
けれども、不思議なことに楽天カラーのエンジ色が見当たりませ…ん?否、居たいた。白地にエンジでEAGLSの文字が小さく刺繍されたグランドコート(白地にエンジ色はホーム用ユニフォーム)を羽織った人が!控えめだけど、しっかりした自己主張を感じます。上着だから、おそらく家から着用してきてるんだもん、この方は本物です。
僕はと言えば所詮小物なので、現地に到着してから着替えました。流石にこの姿で電車には乗れないもんな。
でもね、色には拘りますよ。ここはもちろんビジター用のユニフォームで!もちろんエンジ色ですよね。
さぁ、では並ぼ並ぼ。ノムさんとのやり取りをイメージしつつ、列の最後尾へ向かいます。

30分以上並んだかな?いよいよ近づいてきました。
ノムさんの横顔が見え隠れし始めます。
今日なすべきことを確認しましょう
 その1 作品(93年ヤクルトV2)を渡すこと
 その2 どれだけイーグルスを愛しているのかを伝えること
 その3 ノムさんを描くことを、僕の春季キャンプにしたいこと
 その4 その3のための資料となる、写真を撮らせてほしいこと
 その5 最終的には、「楽天ユニフォーム姿の野村監督を描かせてほしい」こと!

…分かりました。さぁ、僕の番です。
僕が近づいていくと、報道陣か書店スタッフの撮影隊がにわかに動き出しました。
楽天一色の馬鹿野郎とノムさんの構図はそこそこ絵になるってことだろうけれど、無視無視。
さぁ本番、よ~いぃぃ、スタート!

「宜しくお願いします!僕の名前は永澤孝博です。絵描きをしております。野村監督の野球観を人生の指針とし、日々これ精進致しております。今日はひとつお願いがあり、馳せ参じました。楽天監督としての野村克也の御姿を、今日この日の出会いを元として描くことを了承して頂きたいのです。僕の春季キャンプです。来シーズンの開幕に合わせて、しっかりと描き込む所存です。御快諾下さい。今日は、僕が最も熱中した野村ヤクルトV2当時の優勝ビールかけシーン、満面の笑みで喜ぶノムさんの図をお持ちしました。これは今シーズンの開幕前、楽天の優勝祈願にと描いたものです。どうぞ、どうぞひとつ貰ってやって下さい!写真を撮らせて下さい。お願いします。」
 
こんな感じだったと思う。一気に話した。
監督はそんな僕に一瞥くれることもなく、淡々と筆を走らせる。聞こえてないのかな?
周りのスタッフは、唖然としている。
永遠の如く長く感じられる沈黙。
撃沈。あァァァ
…!そこへノムさんの一声。
「オマエ、楽天に入ればイイんじゃないのか?フフッ」
おおっ、喜んで良いのかどうかはさて置き、会話は成立してる。「よし!」カメラに手をまわす僕。
しかし!そんな僕を尻目に夫人から鶴の一声
「アンタ、他に待ってる方が居られるんだから、ダメよ」
こんどこそ撃沈。朦朧とする僕。そこへ夫人、隣を指差して
「ここに座ってなさい」
おっ?ハイ…
この後、僕は沙知代夫人の隣にちょこんと座ってサイン会を見届けることになりましたとさ。

<おしまい>



いやいや、まだ写真は撮れてませんからね。
でもね、そこに座りながらね、カツノリの引退セレモニーで息子の頭を撫でなでしてる、あのサッチーの姿を思い出しました。
それにしても、これは面白い図だろうな。サッチーの横に座ってる楽天姿の僕。
写真を撮りたかったな。誰か撮ってないかな?

でね、最後の人のサインを書き終えたところでスタッフの挨拶があり、その場はお開きとなったんです。
拍手の中、僕に「ほら、アンタの番だよ」という言葉をかけて、そのまま場を下がるサッチー。嗚呼、そうかぁ、そうだったかぁ…
「はい、ありがとうございます!」

残されたノムさんを前に、震える手でカメラを構える僕の図が今日のUP写真です。(ノムさんまでの距離 0.5m)
少し逆行気味ですが、フラッシュは使いません。その場の空気感を大切にしたいからです。
ここではこの状況が反映された写真が欲しいわけで、その微妙な緊張感も含めて写真に取り込まなきゃね。
綺麗な絵を描きたいわけじゃないからさ。
自らの手で資料を得る、ってのはそういうことなんだ。自分が試される、怖い怖いこと。

写真は合計6枚撮ることが出来たのですが、その内の4枚は手ブレとピンずれのために、トホホな状態でした。
でも、これが今の僕の限界なんだね。やるべきことはやったんだもんな。
だからこの微妙な写真を以って、僕は春季キャンプに入りますよ。
シーズン開幕前に球団宛に郵送することも伝えてある。それが「その5」の布石になるんだよ。

撮影中、ノムさんが言ったんだ。「葬式用の絵も描いてくれよ」って。
「何を言ってるんですか!まだまだ監督には頑張って貰わなきゃ!」とか言うところだったんだろうけどね、
でも舞い上がってたし嬉しくなっちゃってさ、「描きます描きます!任せてください」って答えてたの。
ノムさん、「ふざけるな!まだ死なないよ。フフッ」って笑って去って行ったよ。


以上、お粗末さまでした。

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ノムさんと沙知代夫人に挟まれる我が作品

2006年12月13日 | 野村克也
疲れた…
今日はもう寝ます。
明日しっかりと御報告しますね。

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