「小太郎がゆく巻の三十六」まえがき
「新潟方面のご旅行はおとりやめ下さい」
通勤電車にJR東日本の車内アナウンスが繰り返される。
命令口調になるほど、現地の被害は甚大で交通機能が麻痺している。
新潟中越地震。
調査が進むにつれ、その惨状、悲惨さが伝えられてくる。
復旧には長い時間が必要となりそうだ。
天災を防ぐことはできなくても、最小限にとどめたい。
今、遠くはなれてできること、自分にできること、探して。
◇ミニコラム「集合住宅そば物語」
岩手のそばどころ安代町からそばのタネをもらいうけようと
考えている。心配はこちらの気候にあるかどうか。
◇知る人ぞ知る名店クイズ
JR八丁堀出口付近のかなり有名な飲み屋。
ヒント:1階は立ち飲み、2階はイタリアン系。もともと酒屋。
これはもうおわかりでしょう。
(前回の答え)大伝馬町【さかばやし】
それでは、【小太郎がゆく】はじまり、はじまり。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【小太郎がゆく】巻の三十六
タイトル:「ラ行変革活用」
◆お寿司屋さんの活気◆◆◆◆
「っらっしゃいっ!」
築地、新富町界隈には場所柄お寿司屋さんが多い。
藍色ののれんをくぐると板前さんの威勢のいい声が店内に響く。
照明に映える白を基調とした内装とあいまって、
明るく、活気がみなぎる。
たとえば嫌なことがあった時でも、雨に降られた肌寒い週末でも、
お店に足を踏み入れた途端、元気がもらえる。そんな感じだ。
照明や内装も大事だが、威勢のいい「っらっしゃいっ!」がないと始まらない。
そう、これはもう元気のスイッチとも呼べる。
◆◆小田原のららちゃん◆◆◆
「夫は1時間半かけて大崎の会社まで通勤しているが、
休日は家族と一緒に釣りを楽しんだり、
ヨットに乗ったりと海辺での暮らしを満喫している」
テレビ東京『日曜ビッグバラエティ』
憧れの別荘暮らし。
大好きな海辺で暮らすことが出来るのであれば、
通勤に多少時間はかかっても、なんのその。
小田原に住む三十代の夫妻に小学生の女の子の三人家族は
画面を通しても、その幸せそうな雰囲気が伝わってくる。
夫妻はもちろんのこと、特に女の子は明るく元気に海辺の生活を楽しんでいる。
その様子に合わせてお母さんが「娘の『らら』です」と紹介した。
この「らら」という音感がいかにもその子を象徴しているようで、とても印象に残った。
◆◆◆起業する先輩の悩み◆◆
「会社の名前、どうしようかなぁ…」
以前勤めていた会社の先輩が起業するという。
事業内容は明確、営業先や仕事もある程度見えている。
しかし、一番の悩みは会社名。
候補は?と聞くと
「いくつかはあるんだけど」とまだ有力候補はなさそうだ。
社名には「やまとことば」っぽくて「語呂や音感がいい」ようなものをイメージしているという。
その時、先輩から「音相」という考え方があることを教わった。
具体的には、言葉の持つ音や響きを解析して、
その言葉の特徴を表すという手法らしい。
NTTのOBで音相の創始者・木通隆行さんらが
主宰している音相システム研究所のホームページが詳しく面白い。
このサイトにある「Onsonic」という
言葉のイメージを数値化する「音相分析法」の体験版で、
試しに「トヨタ」を入れてみると、
庶民的、安らぎ、都会的、合理的といった特徴があると出る。
同時に、老若男女問わず、万人から受け入れられやすいという結果も。
世界の「トヨタ」のイメージをよくとらえている。
◆◆◆◆日本球界は「ラ」行で変革◆
「すでに加盟申請しているライブドアと、
二十四日に申請書を提出する楽天の二社のうち、
NPBがどちらの参入を認めるかが焦点となる」(朝日新聞)
近鉄とオリックスの合併に端を発したプロ野球再編問題。
ライブドアと楽天の新規参入申請で、縮小にはいったん歯止めがかかった。
少なくとも、どちらかが来期から新球団として球界参入する。
二者択一という形になっていることは残念だが、その結論が間もなく下される。
この両社はともにIT業界、三十代の若手経営者。
さらに加えて、社名が「ラ」で始まるという共通項もある。
両社名を先述の「Onsonic」にかけてみた。
その結果「ライブドア」は圧倒的に「庶民的適応性」というスコアが高く、
「楽天」は「進歩的躍動感」と「都会的・現代的」が高い。
さて、皆さんが抱く両社のイメージと比べてどうだろうか。
個人的には「ラ」という響きには、明るさや若さ、リズム感などを感じる。
お寿司屋さんの挨拶も例外ではない。
小田原のららちゃんも、その明るさは住環境だけでなく、
名前からの影響もあるだろう。
そういう「ラ」を冠に配した企業が、日本球界の変革に向けて登場してくるあたり、
どちらが参入するにしても大いに期待が持てそうだ。
今年も残すところ2ヶ月、明るく元気に「ラ行」で行こう!
次回『小太郎がゆく』、乞うご期待!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
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<バックナンバー>
№000 序 章「おにぎり的な私」
№001 巻の壱「うりばのちからを信じています」
№002 巻の弐「スローバックなスーパースターにまなぶ」
№003 巻の参「いちねんの計は?やっぱりうりばにあります」
№004 巻の四「数字が教えてくれるもの うりばが教えてくれるもの」
№005 巻の五「目は口ほどにものをいう 耳は目以上にものを見る」
№006 巻の六「お酒飲む人 花ならつぼみ 今日も咲け咲け 明日も酒」
№007 巻の七「調査とは旅すること 旅することとは見聞きすること」
№008 巻の八「お食事系外食チェーンに見る『伝えたいその想い』」
№009 巻の九「『ワールドカップ』四年に一度の祭典に学ぶ」
№010 巻の十「ショー・ザ・スピリット!ショー・ザ・ゲーム!」
№011 巻の十一「売場に並んでいるのは『信頼』という名の商品」
№012 巻の十二「敬老の日に思う『わかりやすさ』というサービス」
№013 巻の十三「ノーベル賞、損得『感情』のむずかしさ」
№014 巻の十四「コタロウ的『北風と太陽』」
№015 巻の十五「師走に見る『白いもの』雑考」
№016 巻の十六「顧客創造とは不断の手間と顧みる愛情」
№017 巻の十七「声に出して読みたい『お国言葉』」
№018 巻の十八「無記名・不特定というサービスにサヨナラ」
№019 巻の十九「そういう問題じゃない!」
№020 巻の二十「クレームの卵」
№021 巻の二十一「今どき流行のハコヂカラ」
№022 巻の二十二「花火の季節のブランド考」
№023 巻の二十三「ボーダーライン」
№024 巻の二十四「行列~待ちの効用~」
№025 巻の二十五「イライラフリー」
№026 巻の二十六「『が』商品『で』商品」
№027 巻の二十七「小レボで行こう!」
№028 巻の二十八「チャープとトリル」
№029 巻の二十九「スイッチ。その心理」
№030 巻の三十 「一(ピン)客万来」
№031 巻の三十一「ベジタブル ツチタベル」
№032 巻の三十二「『見世』るチカラ」
№033 巻の三十三「FCイズ ファンクリ!」
№034 巻の三十四「康生と亜衣」
№035 巻の三十五「立ち組み勝ち組?」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「新潟方面のご旅行はおとりやめ下さい」
通勤電車にJR東日本の車内アナウンスが繰り返される。
命令口調になるほど、現地の被害は甚大で交通機能が麻痺している。
新潟中越地震。
調査が進むにつれ、その惨状、悲惨さが伝えられてくる。
復旧には長い時間が必要となりそうだ。
天災を防ぐことはできなくても、最小限にとどめたい。
今、遠くはなれてできること、自分にできること、探して。
◇ミニコラム「集合住宅そば物語」
岩手のそばどころ安代町からそばのタネをもらいうけようと
考えている。心配はこちらの気候にあるかどうか。
◇知る人ぞ知る名店クイズ
JR八丁堀出口付近のかなり有名な飲み屋。
ヒント:1階は立ち飲み、2階はイタリアン系。もともと酒屋。
これはもうおわかりでしょう。
(前回の答え)大伝馬町【さかばやし】
それでは、【小太郎がゆく】はじまり、はじまり。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【小太郎がゆく】巻の三十六
タイトル:「ラ行変革活用」
◆お寿司屋さんの活気◆◆◆◆
「っらっしゃいっ!」
築地、新富町界隈には場所柄お寿司屋さんが多い。
藍色ののれんをくぐると板前さんの威勢のいい声が店内に響く。
照明に映える白を基調とした内装とあいまって、
明るく、活気がみなぎる。
たとえば嫌なことがあった時でも、雨に降られた肌寒い週末でも、
お店に足を踏み入れた途端、元気がもらえる。そんな感じだ。
照明や内装も大事だが、威勢のいい「っらっしゃいっ!」がないと始まらない。
そう、これはもう元気のスイッチとも呼べる。
◆◆小田原のららちゃん◆◆◆
「夫は1時間半かけて大崎の会社まで通勤しているが、
休日は家族と一緒に釣りを楽しんだり、
ヨットに乗ったりと海辺での暮らしを満喫している」
テレビ東京『日曜ビッグバラエティ』
憧れの別荘暮らし。
大好きな海辺で暮らすことが出来るのであれば、
通勤に多少時間はかかっても、なんのその。
小田原に住む三十代の夫妻に小学生の女の子の三人家族は
画面を通しても、その幸せそうな雰囲気が伝わってくる。
夫妻はもちろんのこと、特に女の子は明るく元気に海辺の生活を楽しんでいる。
その様子に合わせてお母さんが「娘の『らら』です」と紹介した。
この「らら」という音感がいかにもその子を象徴しているようで、とても印象に残った。
◆◆◆起業する先輩の悩み◆◆
「会社の名前、どうしようかなぁ…」
以前勤めていた会社の先輩が起業するという。
事業内容は明確、営業先や仕事もある程度見えている。
しかし、一番の悩みは会社名。
候補は?と聞くと
「いくつかはあるんだけど」とまだ有力候補はなさそうだ。
社名には「やまとことば」っぽくて「語呂や音感がいい」ようなものをイメージしているという。
その時、先輩から「音相」という考え方があることを教わった。
具体的には、言葉の持つ音や響きを解析して、
その言葉の特徴を表すという手法らしい。
NTTのOBで音相の創始者・木通隆行さんらが
主宰している音相システム研究所のホームページが詳しく面白い。
このサイトにある「Onsonic」という
言葉のイメージを数値化する「音相分析法」の体験版で、
試しに「トヨタ」を入れてみると、
庶民的、安らぎ、都会的、合理的といった特徴があると出る。
同時に、老若男女問わず、万人から受け入れられやすいという結果も。
世界の「トヨタ」のイメージをよくとらえている。
◆◆◆◆日本球界は「ラ」行で変革◆
「すでに加盟申請しているライブドアと、
二十四日に申請書を提出する楽天の二社のうち、
NPBがどちらの参入を認めるかが焦点となる」(朝日新聞)
近鉄とオリックスの合併に端を発したプロ野球再編問題。
ライブドアと楽天の新規参入申請で、縮小にはいったん歯止めがかかった。
少なくとも、どちらかが来期から新球団として球界参入する。
二者択一という形になっていることは残念だが、その結論が間もなく下される。
この両社はともにIT業界、三十代の若手経営者。
さらに加えて、社名が「ラ」で始まるという共通項もある。
両社名を先述の「Onsonic」にかけてみた。
その結果「ライブドア」は圧倒的に「庶民的適応性」というスコアが高く、
「楽天」は「進歩的躍動感」と「都会的・現代的」が高い。
さて、皆さんが抱く両社のイメージと比べてどうだろうか。
個人的には「ラ」という響きには、明るさや若さ、リズム感などを感じる。
お寿司屋さんの挨拶も例外ではない。
小田原のららちゃんも、その明るさは住環境だけでなく、
名前からの影響もあるだろう。
そういう「ラ」を冠に配した企業が、日本球界の変革に向けて登場してくるあたり、
どちらが参入するにしても大いに期待が持てそうだ。
今年も残すところ2ヶ月、明るく元気に「ラ行」で行こう!
次回『小太郎がゆく』、乞うご期待!
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№000 序 章「おにぎり的な私」
№001 巻の壱「うりばのちからを信じています」
№002 巻の弐「スローバックなスーパースターにまなぶ」
№003 巻の参「いちねんの計は?やっぱりうりばにあります」
№004 巻の四「数字が教えてくれるもの うりばが教えてくれるもの」
№005 巻の五「目は口ほどにものをいう 耳は目以上にものを見る」
№006 巻の六「お酒飲む人 花ならつぼみ 今日も咲け咲け 明日も酒」
№007 巻の七「調査とは旅すること 旅することとは見聞きすること」
№008 巻の八「お食事系外食チェーンに見る『伝えたいその想い』」
№009 巻の九「『ワールドカップ』四年に一度の祭典に学ぶ」
№010 巻の十「ショー・ザ・スピリット!ショー・ザ・ゲーム!」
№011 巻の十一「売場に並んでいるのは『信頼』という名の商品」
№012 巻の十二「敬老の日に思う『わかりやすさ』というサービス」
№013 巻の十三「ノーベル賞、損得『感情』のむずかしさ」
№014 巻の十四「コタロウ的『北風と太陽』」
№015 巻の十五「師走に見る『白いもの』雑考」
№016 巻の十六「顧客創造とは不断の手間と顧みる愛情」
№017 巻の十七「声に出して読みたい『お国言葉』」
№018 巻の十八「無記名・不特定というサービスにサヨナラ」
№019 巻の十九「そういう問題じゃない!」
№020 巻の二十「クレームの卵」
№021 巻の二十一「今どき流行のハコヂカラ」
№022 巻の二十二「花火の季節のブランド考」
№023 巻の二十三「ボーダーライン」
№024 巻の二十四「行列~待ちの効用~」
№025 巻の二十五「イライラフリー」
№026 巻の二十六「『が』商品『で』商品」
№027 巻の二十七「小レボで行こう!」
№028 巻の二十八「チャープとトリル」
№029 巻の二十九「スイッチ。その心理」
№030 巻の三十 「一(ピン)客万来」
№031 巻の三十一「ベジタブル ツチタベル」
№032 巻の三十二「『見世』るチカラ」
№033 巻の三十三「FCイズ ファンクリ!」
№034 巻の三十四「康生と亜衣」
№035 巻の三十五「立ち組み勝ち組?」
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