介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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医療福祉士への道【京極高宣 その1】

2008-08-12 05:48:29 | 社会福祉
【前回の続き】
夏休みの後半の基礎勉強として、
先に紹介した京極高宣先生の『医療福祉士への道ー日本ソーシャルワーカーの歴史的考察』を読みます。

序章・終章含めて10章からなる薄い本(106ページ)ですが、
「日本の社会福祉学はどうなっているのか」を知るよい素材だと思います。

私自身は、
40歳代半ばで
老人介護の実務的な問題(ケアの技術ではなく、サービスの供給や経営問題)を勉強しようとしてきたのですが、実際のところは、
「老人福祉論」「社会保障論」「国際福祉論」の3つを沢山の大学やコースで教えてきました。(専門学校、学部、大学院)
結局、手広く教える科目があったためもあり、(実際、この3科目を1人で教えた人はいないでしょう・・)何一つ深くは学ばないまま、定年間際になって、「社会福祉概論」を教えることになって苦闘している次第です。

京極先生のこのテキストについては、次回から順次読むこととして、
前回(8/08)、「ソーシャルワークとはなにか」という先生の定義(終章にある)をタイトルだけ紹介していたので、この部分だけ、今日、先に読んでおきます。

【仲村優一先生の定義から】
京極先生は、
「ソーシャルワーク概念に関しては、今日も必ずしも公式の定義は存在しないといえるが」と前置きして(p.101)、
「比較的穏当な定義として」
1983年の仲村優一先生の論文から、

「中範囲のレベルで
(視点)個人と社会環境の相互作用に焦点をあて、
全一的にとらえられた
(目標)個人の社会的機能を強化することを目指す
(手段)援助活動の総体
がソーシャルワークであり、
その担い手がソーシャルワーカーだ」

とあるのを、
(視点)(目標)(手段)に、京極先生が区分のうえ、注解し、

視点:個人が周囲の人々に支えられ(社会環境になじむよう)
目標:自立支援を行う(ことを目指し)
手段:適切な情報提供を伴う対人援助サービス

と「置き換えれば、比較的わかりやすいかもしれない」
と再定義しています。
*「対人援助サービス」は、英語のpersonal social service の訳として用いられている。

長く、日本社会事業大学で学長をされ、「社会福祉概論」を講義されてきた仲村・京極両先生の定義をとりあえずは受け入れて進むことにします。

*これでも、広すぎて、(教育学や心理学の手法と)特定できないように思われます。
*「社会福祉学」との関係はこのままでは不明です。

「私はこう思う」「いや私の場合はこう思う」とただ言い合っているのでは話は先に進まないのですが、法律上の定義や、○○協会の定義といったものを基盤に話を具体的に進めることはそれなりの意味があります。
今度取り上げている本は、そういう点からテキストとして取り上げると良いと思いました。

*写真は、鹿児島市内。鴨池1丁目あたり。
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