介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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能力は偶然に与えられたもの(岩田靖夫のロールズ論)

2008-03-06 13:55:47 | 経済
【国家は何故社会保障をしなくてはならないか?】

国家は、何故、社会保障・社会福祉といったことを行うのか?
憲法の規定にあるから。
では、何故、その規定があるのか?

公的な医療制度は何故大切か?
介護専門職の報酬が低いのは何故おかしいか?

このような「何故」には、答えがあるのだろうか?

細川瑞子『知的障害者の成年後見』では
知的障害者の問題を取り扱っているようでいて
「国家や社会は何のためにあるのか?」
という根源的な問題を掘り下げています。
 →カテゴリ 理論1 のシリーズを進行中です。

【ロールズの発見】
細川の著書に良く出てくるものの一つに
ロールズの『正義論』があります。

これまで、ぼんやり名前を聞いたことはあるのですが
先日届いた有斐閣の広報誌
『書斎の窓』2008年3月号に
「正義論の現在」岩田靖夫 p35-p43 が掲載されていました。

岩田先生は、東北大学名誉教授。この雑誌に、「哲学とは何か」という連載を書いてこられたが、
今回が、最終回(第12回)とのことです。

この短い論文を読んで、その要点をお伝えしたいと思いました。

【2つの原理】
ロールズの原理は
1 自由の原理
2 配分の原理
の2つです。

「自由であること」は「人間であること」だから、きわめて重い原理です。
(ここには、戦争体験がある)

そして、
「配分の原理」ですが、
「人々の自由な活動は、社会的弱者の利益になるという条件のもとにおいてのみ、その存立を許される」

自由競争社会において、大きな能力によって大きな成果をあげた者は、個人であろうと国家であろうと、
運命的な悪条件のために成果をあげえなかった弱者に、その成果(富、知識、技術、その他)を奉呈しなければならない。

何故なら、その能力は、偶然に与えられたものだから・・

【戦争体験】
ロールズ John Rawls は、1921年アメリカ生まれ、2002年亡くなる。
主著『正義論』A Theory Of Justice は、1971年刊行。
邦訳は、矢島欣次監訳(紀伊国屋書店、1979)
第二次世界大戦に歩兵として参加。広島の原爆投下に遭遇。
*この項は、ウィキぺディアによる。

*この思考方法を国際関係にも及ぼしているが、この点は別途考察します。
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