介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第3815号 介護福祉と「もてなしのこころ」

2010-07-26 22:55:48 | 介護福祉
写真は、安曇野。安曇野カンポンLIFEの2010.07.26付け記事からお借りしました。


今夕のtwitterでの「つぶやき」からヒントを得てメモ風に書きました。


【ビジネスの戦略としての「もてなし」】
今夕のNHK「クローズアップ現代」では、宿泊業や化粧品製造業での「もてなしのこころ」による海外戦略というテーマをやっていた。

日本人のきめ細かさは定評があるが、それを企業の戦略としたところで、本来の良さを失う危惧があると思います。


【介護福祉の現場で欠けていること】
家族で介護をされているかたのブログでよく読むのがこの世界の非人間的な対応ですね。介護福祉の現場からも、良心的な方々からのうめきがきこえてきますね。

「もてなしのこころ」という概念を持ち出すまでも無く、相手の立場をおもんばかるという姿勢が求められています。


【日本社会のきめ細かさ】
私は、40歳代の頃、ヨーロッパに3年住んだだけなのですが、そのときの体験から日本社会にはヨーロッパにはない「きめ細かさ」があると、強く思うようになります。

それは、
四季がはっきりしている自然。
島国で長い間戦争をしないできた平和な土地柄。
一般の人々の向学心。

といった特質が重なってできたことだと思います。


【介護福祉の世界にも】
とすれば、
介護福祉の世界にも、このような日本社会の特質が反映されるのではないだろうか?

研究課題
1 日本の介護福祉の発展を妨げている制度的要因
・ 医学に人権を守るという思想が弱い。
・ ソーシャルワークの機能がまだ薄い。
・ 法曹界が日常生活で機能していない(成年後見制度の遅れ)
2 日本の介護福祉を支えている制度的な特色の理解
・「介護福祉士」は、日本独特の資格
・「介護支援専門員」も、日本独特の「資格」
・運用のこまかな部分にまで中央政府の指示・通知を受けている。

*この記事では、(あまりつめたわけではないが)「ケア」というあいまいな外来表現を避けて「介護福祉」といってみた。
*8月1日、横浜で30人あまりが集まって行われる「笑福会第1回関東勉強会」でのフリートークの素材。(ちょっと抽象的か)
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16 コメント

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twitterでの問いかけ (どりーむ)
2010-07-26 23:20:39
いつも、旅館やホテルで、
「よいサービスを受けた」とはいっても、
「よいケアを受けた」とはいわないので、
「サービス」と「ケア」とは違うとは思っていましたが、
介護・福祉の世界では、
「サービス」「ケア」の概念を
曖昧に使っています。

このことは、だいぶ前に、
twitterでも呟いてみました。

今日、「おもてなし」という
日本の精神を触れた番組をみて、
ふと、「おもてなし」と「ケア」の概念は
どうなんだろう・・・と思い、
twitterしてみたしだいです。

フォロワーさんからの反応は、
「サービス」と「ケア」の違いを呟いたときに比べると、
俄然、少なかったですね。

「サービス」と「おもてなし」 (bonn1979)
2010-07-27 07:42:07
どりーむさん

コメント有難うございました。

「サービス」「ケア」のtwitterでの
流れを知らずに書いています。

どちらも
広い概念ですね。

今回の「おもてなし」は、
「サービス」のラインとは思うのですが。

介護の場面では
「こころをつかむ」といった表現も
使われているようです。

そうこうすると
意外と「介護と哲学」という
テーマにつながるかもしれませんね。
前福祉? (トヨロ)
2010-07-27 10:19:40
福祉に限って言えば、「もてなし」は、hospitalの流れかもしれませんね。とすれば、well-beingよりもwelfareの要素が強いのかな?
そう考えれば、「もてなし」は、前福祉的あるいは、広義の福祉というような整理はいかがでしょう?
統合的な概念へ (bonn1979)
2010-07-27 10:50:27
トヨロさん

コメントありがとうございます。

「前福祉的」に「もてなし」をとられることができれば

宗教的な色彩を払拭して
「人類史における福祉的なるモノの発展」

として
日本の場合は
接客業からビジネスへ
家庭奉仕員、寮母、家政婦業・・
から介護福祉士へ
さまざまな形で
発展してきて
ビジネスモデルだけではなく
新しい形の「広義の福祉」welfare

世界に示すことができる

という風にも考えられますね。
深いところ (しん)
2010-07-27 10:57:12
昨日、どりーむさんのつぶやきに端を発して考えてみたのですが、
「もてなし」は「サービス」や「ケア」の概念よりもより深いところなのではないかと思いました。
ホスピタリティの語源から考えると、それとも異なる人として根源的なところの話になりそうだと。

人が人に対する根本的なところに関わる概念となると、bonn1979先生が文末に書かれているように、哲学ってことになるのかなあと漠然と思いました。

「哲学」のみなさま、ぜひお考えを!
Unknown (JUNKO)
2010-07-27 12:53:50
昔、ふざけたエッセイを書いたことがあります。まだ介護の世界に入る前でNHK学園で勉強していたころです(ちょうど介護保険制度が始まってすぐの頃ですね)お暇でしたらちょっとバカバカしいですが読んでみて下さい。

2年生の時、あるレポート提出したら、真っ赤になって(添削です)帰ってきました。
自信があったのに何故?と読み返すと
私が「~をしてあげる」と書いた表現が全て「~をして差し上げる」また「~をしてもらう」という表現が全て「~をしていただく」に直されていました。

ここまで徹底されたので現場でも私はこの言葉を使いましたが、実際、言葉づかいだけ良くてもおこなっていることはサービスやホスピタリティからは程遠い、まさに(利用者に)「やってあげてる」(利用者が)「やってくんないと困るのよ」の世界でした。

デイ→老健→特養→病院
とホスピタリティの精神が薄くなっているようにも感じました。
人としての根源的なところ (bonn1979)
2010-07-27 13:33:37
しんさん

コメントありがとうございます。

「人としての根源的なところ」といえば
本当は宗教などの問題かとも思いますね。

日本は現世利益集団であり
多神教ですから
欧米とは違いますが・・

「広い意味の福祉」
という点では
日本の宗教界は酷いのでは・・
ことばの問題ではない (bonn1979)
2010-07-27 13:40:41
JUNKOさん

コメント有難うございます。
昨日は記事が無くて
スルーしようと諦めていたら
たまたまテレビでみて
「いんぎん無礼」という感じももったので
書いてみました。

わがブログでは珍しく
多くの方からのコメントで
こういう基本的なことが
まだ整理しきられてないというか
言葉が肉体化してないというか

マニュアルで
「いらっしゃいませ こんにちわ」
のコンビニや
「○○様」と呼び始めた医療機関
のうすら寒さに
多くの人が違和感をもっていることを
実感します。

ことばでないと伝わらないが
ことばでは伝わらない。

gitanist氏のブログで
「こころをわしずかみにして」介護に向かう
といった表現がされていましたね。

>デイ→老健→特養→病院
とホスピタリティの精神が薄くなっているようにも感じました。

ここに
学べばホスピタリティが
減少するのでは?
という逆説すら感じますね。
もてなし (しん)
2010-07-27 17:25:16
もてなしの意味は大辞林によると、
1客を取り扱うこと。待遇。
2 食事や茶菓のごちそう。饗応。
3 身に備わったものごし。身のこなし。
4 とりはからい。処置。取り扱い。
だそうです。
3と4は古語のようなので、現代の用法としては1,2でしょうか。

1,2から感じるところは、もてなしとは非日常なんですよね。このあたりは、ホスピタリティも非日常の光景を表していると思います。

ただ、介護という行為は、障害や疾病というその人のそれまでの人生の営みからは大きく変化した状況ではありますが、あくまで日常生活を支える行為だと思います。
このあたりも介護とのギャップを感じる一つの要素かなとも思います。

あと、感覚的には、「もてなし」とは本来奥ゆかしいものであり、前面に押し出すものではないと思います。
さりげなさ、行為の奥に隠されていて、それを相手も内面で感じ取る、受けとめるからこそ感じられるのではないかと。
個対個の営みなのに、万人に対して明らかにするから違和感を感じるのではないかと思うのです。

まとまりのない話ですみません。
表に出たさりげなさ (bonn1979)
2010-07-27 17:42:28
しん さん

ありがとうございました。

「非日常」と「日常」のギャップ

そして表に出てしまう「さりげなさ」

かなり
本質に迫ってきましたね。

少なくとも
「クローズアップ現代」への違和感のなぞが
とけてきました。

*ちなみに、
能登の加賀屋さんは
私が石川県観光課長をしていた
関係で先代からの必死の努力
能登や加賀の文化による
理解と支え
といったことも多少はわかっているつもりです。
逆に言うと、武闘派の文化の下では
発展しにくい。

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