介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

「社会市場」の意味

2007-10-01 13:38:07 | 社会福祉
第2章は、社会市場と社会保障
というタイトルで
この本の理論面での中核をなしています。

著者自身、
「まだ学問的結論は出せないものの」(p45)
とか
「まだ、結論には到達していないが、・・」(p56)
という表現でにじませているとおり、まだ模索中であり
概念が空回りする議論に取り込まれないよう警戒しているようだ。

私自身も、よくわからないので
ここでは
「市場にゆだねる」といっているが
ほんとにそれでいいのか?
という田舎に住んでこそ実感することの多い「市場万能主義」
への理論的な反駁をどのようにするかという
研究者としての模索のようすをあえて公開している
と受けとめたいです。

というわけで、
第2章は、きわめて重要ではあるが
経済学的な勉強に不慣れな方は最初は飛ばしてよいのでは?
(「本を飛ばして読んではいけない」と、昔、京極先生に注意されたことがある)

第1節 「社会市場」の意味
第2節 社会市場と経済市場の関係
第3節 社会保障の需給モデル

の3節からなる。

今日は、その第1節だけ。
第1節は、
1 社会市場の概念
2 社会市場の機能と範囲
3 分権化と民営化

の3つの項からなっている。

1 概念では
イギリスのティトマス
アメリカのギルバート に従っている。
・「準市場」の多義性には疑問のようす。
・ Tax expenditure (減税支出。私たちが知っている言葉で言えば
 税額控除によって国家が失った金額)の概念と統計は、日本では
まだなじみがない。

2 営利機関のついては、日本の開業医制度などは世界的に見ても
珍しいですね。
概念論議とは別に、「いろいろの資本主義がある」と思います。

3 分権化と民営化
今日から郵便事業が民営化された。
地方では、不便になる。20年前の国鉄民営化の結果、
新幹線による観光客は楽しんでいるが
在来線が廃止された大隅地方では、「車のないものは住むな」
といわんばかりの政策だ。
京極先生は、「社会保障の質」という概念を出された。

社会保障をめぐる政治家のスタンスや
国民の倫理観、専門職の発達など多様な視点から論ずべき課題でしょう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ソーシャル・アタッシェ | トップ | 大学院の多様化 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

社会福祉」カテゴリの最新記事