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第2516号 分権国家ドイツ

2009-03-14 12:53:53 | 地球→ドイツブログ
【戦後の反省から】
勤務する大学の図書館で『日本とドイツ 深き淵より』(朝日文庫、1995年)を借りました。(写真)
戦後50年を記念したシリーズ企画の第2弾ということでした。
*出版元のサイトでは、もう発売はしていない由。
戦争のあとの責任、といった重いテーマを現地取材とインタビューで日独両国の比較をしています。
31章あるなかで、第30章「分権国家ドイツ」pp.277-285 が印象に残りました。

ドイツの都市は、日本のように東京・大阪・名古屋・福岡・札幌といった大都市周辺に人口が集まるようには形成されていません。
*このブログ第2244号 2009.02.13 でドイツの10大都市をあげています。

この章に取材されているエピソードを素材に考えてみました。

【ビールは「おらが町のビール」】
ドイツでは、中小のビール醸造所が1280あり、銘柄は5000という。
日本との対比で考えるとわかりやすいですね。
その結果、日本のビールは、全国どこでもメーカー品で、はっきりいってどれも同じ味ですね。
私がドイツに住んでいたのは、1979年から3年間、30年も前のことですが、まだビールの味がわかる年ではなかった。
67歳になって、鹿児島で、ベルギービールに遭遇して、ヨーロッパのビールと日本のビールの違いがわかったのです。
*麦酒本舗→ブックマークなかほどです。

【権力の分散】
ビールの例は、日常生活で、日本のように画一化していない事例としてあげたわけです。ベルギーの例も加えましたが、要するに日本では価値観の均一化が徹底しています。

何分、ドイツは16の州からなる連邦国家なので、そもそも国家の性質が違いますね。連邦政府には、日本でいう「文部科学省」に相当する省庁はないのです。(各州文化担当会議といったものはあります)文化や教育には国家は口を出さないという厳とした価値観ですね。
首都は、ベルリンですが・・

○ 最高裁にあたるところ→カールスルーエ
○ 経済の中心(中央銀行)→フランクフルト
○ メデイア  シュピーゲル(雑誌)→ハンブルグ
        ドイッチェ・ベレ(テレビ)→ケルン
        世論調査→アレンスバッハ

【方言・新聞・大学】
鹿児島へ来てわかったことは、もう人々は日常は薩摩弁を話さないということですね。「カライモ標準語」といってアクセントは薩摩流ですが、ことばは標準語。
→ドイツでは方言が残っている。

大学の序列意識は大きいです。東京と地方。旧国立と田舎の私立。
→ドイツでは大学の序列は日常的には意識されない。

鹿児島では、朝日新聞を日常読んでいる家庭はごく少ないです。なんといっても、スタッフが少ないので、地元のニュースが少ない。
→ドイツでは、日本のいわゆる「三大新聞」に相当するものはない。

【いうこととやっていること】
これは、最近何度か言っているのですが、この朝日文庫では、エリート記者たちは現地取材をしての結論は、「日本は東京など大都市に集中している」p.282
ということですが、この本が書かれて14年、その傾向はさらに強まっています。

地方の僅かなスタッフで、東京からの人事で僅かの期間地方に住んでいる・・そういう東京人が「いうことだけはよくいうなぁ」と思います。
*第2491号 2009.03.11
 第2349号 2009.02.24
 第2329号 2009.02.22
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