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第1563号 後見制度改善の提言を読む【その2】

2008-09-16 14:58:32 | 成年後見
【いきさつ】
第1548号(9/12)で、日本成年後見法学会のサイトを紹介しました。
第1558号(9/15)で、この学会の「制度改正研究委員会」がまとめた提言に触れました。
(2008年7月)
 正式のタイトルは、「法定後見実務改善と制度改正のための提言」というものです。

前回は、提言の「第1 本提言の趣旨」を読みました。
今日から、「第2 改善・改正の提言と問題点の指摘」に入ります。
全部で14項目の提言になっています。
 *このブログでは、成年後見制度についても、これまで触れてきました。
カテゴリの「虐待・後見・人権」に入っている記事をご覧いただければ幸いです。

【提言1】
提言の1 「全国の市町村が、成年後見等に関する市町村長申立を積極的に実施する体制を整備すべきである」 p.4

提言理由を3つに分けて書いています。
ここでは、ごく要点を書きます。
① 市町村長申立は、これまでのところ、少ない。
2006年度における後見開始、保佐開始、補助開始 の件数は32,629件であるのに対して、市町村長の申立件数は、1,033件(3.1%)にすぎない。

*ブログ編集者注:成年後見関係事件の概況(平成19年度)最高裁判所事務総局家庭局
では、2007年度は、1,564件で、全体の6.1%に増加した。 p.5
   →「裁判所について」→「公表資料」→「裁判に関する情報」
 と順にクリックください。
(成年後見に関する基礎統計が、グラフ入りで解説されている)

② 市町村の整備の必要性
・要綱等の整備
・地域包括支援センターや福祉関係者のネットワークの活用
・専門職の配置と都道府県研修による質の向上
・職員の権限として受診勧奨を明示

③ 必要な場合には積極的な市町村長の申立を
・虐待が行われている場合
・消費者被害、財産侵害等を受ける恐れがある場合
・施設入所などの法律行為をする必要がある場合
など。

【幾つかの市町村のHPをみてみました】
鹿児島市(今住んでいる)、富山県富山市(高校卒業まで住んでいた)、東京都文京区(鹿児島に越すまで住む)、石川県金沢市(30歳代、60歳代に2度、計5年間住んだ)、千葉県松戸市(母92歳が一人暮らし)の5つの市について、ホームページから「成年後見」のことを市民が知るには?という感覚でアクセスしてみました。

トップページの目次に「成年後見」をあげるとか、市のホームぺじで「成年後見」に触れるているところは殆どないですね。「検索」もやってみました。それでも、市民の目に届くことは難しいです。リンク先にも専門団体の案内がないです。
まだまだ、市民にとって、「成年後見」は遠いです。
皆さんも、ご自分の住所の市役所で調べて見てください。

例外は、松戸市です。
市のホームページから
94ページにも及ぶ「松戸市高齢者虐待防止対応マニュアル」(2006年3月)がダウンロードできます。
*虐待への対応と関連付けて、成年後見制度の利用にも触れられています。
pp.42-49


*写真は、奄美大島の加計呂麻島。
奄美・加計呂麻島なんでもありBLOG
の9月14日付の記事からお借りしています。







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