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第1554号 「雇用の流動化」はどのように起きたか【「反貧困」その9】

2008-09-14 05:27:29 | 経済
【1995年日経連の提言】
湯浅 誠『反貧困』(岩波新書、2008年4月)を読んでいます。
前回までで、「雇用のセーフティネット」が崩れている話でした。

次の項へ入る前に、著者が触れている1995年の当時の日経連の雇用に対する政策の転換:

「・・一部の主力社員以外は派遣や請負による非正規でまかない、それによって人件費を削減して企業業績を好転させようと提唱した。その後、事態はその提言どうりに進行した」p.23

は、どのような背景というか、きっかけで促進されたのか、もう少し確認しておきたかった。

【1994年経団連の提言】
このブログでも紹介(2008.07.03)した、五十嵐 仁『労働政策』(日本経済評論社、2008年5月)の第4章「規制緩和と労働政策」pp.167-204 は、資料の原典にそくして丹念に分析している。

1994年11月15日 経済団体連合会がまとめた
規制緩和の経済効果に関する分析と雇用対策
は、規制緩和の基本的な考え方とその位置づけを整理した文書です。

要旨と全文とがサイトに残されていて、
・全文の5ページ以降には、「雇用流動化のための対策」が
・   6ページには、<政府の対応>として、「労働者派遣業の見直し」などが明記されている。

【日米経済パートナーシップ】
このような政策転換の思想を受けた関係法令の改正などについては、上記五十嵐の整理などをお読みいただくとして、このような流れを大きく推進したのが「成長のための日米経済パートナーシップ」といわれる日米のトップレベルでの政策協議である。

平成13年(2001年)6月30日、当時の小泉首相の行った演説がウェブに残されている。

3ページ後段に、「投資イニシアティブ」として扱われる問題として、「労働流動性」が明記されている。

【その成果は】
2002年の日米投資イニシアティブ報告書

では、10ページに、「1990年代後半からの主要な法制度改正」(表1)が掲げられ、
○ 労働の流動性 の項目に
・確定拠出年金制度の導入 2001.10施行
・労働者派遣法の派遣業務の対象範囲を原則自由化 1999.12
などが成果として報告されている。


*写真は、北アルプスの黄昏時。
安曇野カンポンLIFEの9月11日付の記事からお借りしました。




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