介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

フランスの社会保障

2008-01-11 14:15:27 | 地球→ドイツブログ
【海外社会保障研究】
国立社会保障・人口問題研究所の季刊専門雑誌が届きました。
*10/17に、このブログで前の号の紹介をしています。

Winter 2007 No.161
特集テーマは、「フランス社会保障制度の現状と課題」
です。バックナンバーで見る限り、この雑誌がこのテーマで特集したのは、今回が初めて。

ドイツに比べると、フランスの制度の研究は少ないかと思いこんでいましたが、
Googleでは、フランスの社会保障 2810 vs ドイツの社会保障 2540
でした。

この両国は、いわゆる大陸型の社会保障ということで、社会保険方式をとっているので、日本とは類似点が多いとされます。

【目次から】
特集の趣旨    江口 隆裕   筑波大学
総括(視点)    加藤 智章  新潟大学 
医療制度     笠木 映里   九州大学
高齢者介護制度  原田 啓一郎  駒澤大学
年金制度     だけ さやか  東北大学
家族政策     清水 泰幸   福井大学
失業保険     松村 文人   名古屋市立大学

*ソーシャルワークの視点といった技術的なテーマは、この研究所では最近では扱っていないようだ。
**失業保険の論文が詳しい。→1/07の院生の発表と関連。
加藤論文は、ベテランらしく全体を展望している。
最近の研究動向だろうか、参考文献にはウエブサイトが目立つ(フランス語)。

【フランスの社会保障の動向】
逐一取り上げることはできませんが、主に加藤論文によってフランスの社会保障の特徴や最近の動向に触れます。

・1946年のラロック・プランがフランス社会保障の大原則
  理念:国民連帯 原則:自律性原則(国家とは一線を画する)
・1991年に福祉目的税ともいうべきCSG(一般社会拠出金)を導入
・高齢者介護に関しては、2002年APA(個別化自律手当)を創設した。
   →日本の介護保険に相当する役割を期待されている。
・1999年に、普遍的医療保障(CMU)が創設された。
  →日本の「皆保険」に相当する。

【税率・料率】
一般社会拠出金の税率
    1991年   1.1%
    2005    7.5

社会保険料率
     医療保険     年金保険   家族手当(児童手当に相当)
    使用者 労働者  使用者 労働者  使用者のみ 
1990年  12.6% 5.9%   8.2% 7.6%    7%
 ↓
2006   12.8 0.75   8.3  6.65    5.4

*一般社会拠出金が出来て、軽減された。
 使用者負担の料率のほうが高い。(日本は、折半です)

【難しい】
全部で15万字の情報を1000字では。
・専門的なフォローには、ここにあげた研究者(フランス語を読める)などの論文にあたる。制度が入り組んでいるので生半可な比較はしない。
・在日のフランス大使館のホームページに新しい統計などがアップされているとのこと。
  
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山下欣一先生の研究から | トップ | 「この世にお前ほどの女はい... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

地球→ドイツブログ」カテゴリの最新記事