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ブログは社会問題を提起できるか:アメリカの場合

2008-03-09 11:43:00 | ネットの世界
【Social Problems 最新号から】
アメリカの社会問題学会
Society for the Study of Social Problems
の学会誌
Social Problems の最新号
2008年刊行、第55巻 第1号に

「ブログ世界は社会問題を世論とする力があるか?」
The e-Rise and Fall of Social Problems:
The Blogosphere as a Public Arena

という論文が掲載されていました(訳は私の大胆な?意訳)。同誌 pp.139-160.
*勤務する大学図書館のデータベースからプリントアウトしました。

著者は、
Ray Maratea (Delware 大学)です。

【論文の趣旨】
この論文は
アメリカにおいて発展しているブログが、社会問題を社会に提起することができるのか?

これまでの「マスコミが社会問題をどのように争点としているか」
という研究を下敷きにして考察しています。

*Blogosphere という単語は辞書にはありませんが
Google では、多数ヒットします。「ブログの集合体」というほどの意味ですね。

論文には
社会問題を扱うブログが持つ可能性について
マスコミと対比しながら興味ある分析がありますが、

結論は
1 ブログは発展してはいるが、社会的に影響を与えているのはトップクラスの一部のブログである。
2 ブログが問題提起に成功するには、マスコミにおいて新しい問題が取り上げられる場合の条件と類似したものが必要だ。

【新しい問題を提起して認められるための条件】
1 ドラマチックなストーリー展開
2 語る方法の斬新さ
3 政治や経済の世界から(問題として)認められること
4 ニュース価値
5 広い文化的な関心を背景にもつ

この5つは、
1988年に
The American Journal of Sociology 94:53-78

Hilgartner, Stephen and Charles L.Bosk が書いた
”The Rise and Fall of Social Problems: A Public Arenas Model"
の分析を基礎にしています。

*ここまできて、タイトルが、ポール・ケネディの大著
The Rise and Fall of the Great Powers:
Economic Change and Military Conflict
From 1500 to 2000, 1987 (邦訳あり)
のパロディだということに気がつきます。

*写真は、昨日朝、キャンパス、6号館前。
雲が春めいていると思って撮ったのですが。
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