介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第1章 障害のある人の自立・社会参加とソーシャルワーク

2008-01-26 12:49:59 | 社会福祉
【今日から各章読み始めます】
高木邦明他編著『障害者福祉の研究課題と方法』
(学文社、2007)を読み始めています。

今日は、
第1章「障害のある人の自立・社会参加とソーシャルワーク
     -問題の把握・展開と本書の構成ー」(p1-p15)です。
 *この章の分担執筆は、私が勤務する鹿児島国際大学の高木邦明教授です。

【本章の構成】
本章では、第2章以下(第10章まで)の個別課題の分析に先立ち、序論的な役割を持つ。

次の3節からなる。

第1節 障害者福祉施策の動向ー理念と現実ー
第2節 障害者福祉研究の課題・方法
第3節 課題への接近と本書の構成

【障害者福祉施策の動向】
1 社会福祉基礎構造改革の提案から推進へ
2 障害者自立支援法施行による社会的混乱

の2項目に分けて、最近の10年ほどの障害者福祉施策の動向を概観したうえで、
施策の目標・理念として謳われたことと現実とは一致していないことが多いと指摘する。

【障害者福祉研究の課題・方法】
1 研究的視点からのキーワードとしては、「自立」と「社会参加」の2つがあり、
その概念整理と共通理解が必要である。

2 障害者福祉の分野の施策を具体化するためのソーシャルワーク実践の特徴として、以下の4点をあげる。

・広い範囲の社会資源を活用する。
・障害の受容や社会生活力を高めることを側面から援助する。
・リハビリテーションチームの中で、その一員として福祉以外の多職種と協同する。
・理念や目指す方向が大きな転換期にあり、そのことが、ソーシャルワークの幅を広げ、活性化を促している。

【本書の構成】
第2章以下の9つの章は、以下の3つの群から構成される。

○ 第2章から第5章まで 障害者の自己決定の課題、現実の生活実態の把握

○ 第6章から第8章まで 雇用・就労の実態

○ 第9章・第10章   ケアマネジメントを「生活モデル」から捉え直す

【社会福祉学の基礎分野として】
内容は、かなり専門的で、福祉系の大学院の修士レベルの方が読むのにふさわしい。

私は、ほぼ素人ですが、「社会福祉概論」を学部で講義し、「高齢者保健福祉学」を修士課程で講義するためには、本書のような研究図書と一度は格闘しておくことが必要と考えました。
このブログで、別途講読中の細川瑞子さんの本などともあわせて、障害者福祉の基礎的な理解を深めたいと願っています。

幸い、執筆者は、いずれも高木先生の薫陶を受けられた専門家の方々であり、勤務地も鹿児島を中心とした九州一円である。基本的な理解と共通の研究素材のもとに書かれたまとまりのある研究書です。制度の説明だけではあきたらない方には一読をお勧めしたいです。
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