介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第3937号 2012年改正の争点:財源問題

2010-09-12 12:22:38 | 2012年改正→別ブログ
写真は、加計呂麻島。奄美・加計呂麻島なんでもありBLOG 2010.09.12付け記事からお借りしています。


【介護保険部会の審議を評論】

遥香の日記 2010.09.10

は、次のように指摘しています。
「・・今回の介護報酬改定で政治が主導をとったのは「お泊まりディ」くらいですね。しかし、本来なら、財源の調達にこそ政治力を発揮すべきところだと思われるのですが、そこに政治の影響力はまったく見えません。民主党と財務省の持ちつ持たれつのズブズブの関係が透けて見えそうといえば言い過ぎでしょうか。
 とりあえず、介護保険財源においては税金の割合を高めておかないと、低年金で資産のない高齢者に不利益になります。また今後も膨張していく介護財源に対応するためにも税金の割合を高める道筋をつけておきたいところです。中長期的には超高齢社会の社会的介護を支えていくためには増税はやむをえないところでしょう。その際、資産に着目した税負担を考えることによって所得の再分配機能を十分に発揮できる税徴収を考えるべきでしょう。・・」


オンブズマン放談 2010.09.09

では、以下のように総括しています。

「・・厚労省としては、公費50%(国25%、都道府県・市町村各12.5%)・保険料50%(1号保険料20%、2号保険料30%)という費用負担割合は、そのままで、「保険料負担増か給付抑制か」の二者択一論の議論にもっていきたいところであるが、介護保険と国民の現状はこれを単純には許さない。・・」 


【先見の明】

masaの介護福祉情報裏板 2009.06.05

は、1年以上も前から、 論拠となる資料を示して、介護報酬問題とあわせて2012年改正が厳しく展開することを警告していました。事態はまさにmasa氏の予言どおり進行しています。


次のブログ記事は、今年4月に大阪で行われた国会の各党議員によるシンポジウムを伝えながら、各党ともしっかりした介護政策は持ち合わせていないことを喝破しています。

オンブズマン放談 2010.04.11


【地方自治体の要望】

地方自治体からは、今回の改正に関する意見書が提出されており、ネット上で読むことができます。

熊本県議会 2010.03.24

からの要望は、次の6項目です。各地方自治体からの要望の代表的な例といえます。

「1 2025年までに介護施設の待機者解消を目指す。そのために、特別養護老人ホーム、老人保健施設及び介護療養型医療施設を倍増させ、有料老人ホームやケアハウスなどの特定施設とグループホームを3倍増する。

2 在宅介護への支援を強化するために、24時間365日訪問介護サービスへ大幅な拡充を行うほか、家族介護者が休息をとれるよう「レスパイト(休息) 事業」も大幅に拡大する。
3 煩雑な事務処理の仕分けを行い、手続を簡素化、要介護認定審査を簡素化し、すぐに使える制度に転換する。
4 介護従事者の大幅給与アップなどの待遇改善につながる介護報酬の引き上げを行う。
5 介護保険料の上限が高くなりすぎないように抑制するため、公費負担割合を5割から、当面6割に引き上げ、2025年には介護保険の3分の2を公費負担で賄う。」



【詳しく知るために】

「介護保険原点の会」というのがあって、2012年改正の論点を、制度の創設当時の議論を踏まえて行った本が4月に出されています。私は、まだ読んでいませんが、一度、当時の論議を振り返っておくことが必要でしょう。

『総括・介護保険の10年』(公人の友社)


私のブログから:

「介護福祉の話」 カテゴリ「2012年改正」 19記事収録

「介護保険研究」 カテゴリ 027 「介護保険」 92記事収録


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