松本勝明『ドイツ社会保障論Ⅲー介護保険ー』
を読みはじめました。
第1回(12/21)では、全体の構成を紹介しました。
ドイツの介護保険制度の詳しい説明が続きます。
今日は、その2回目で、第1章(概要)をまとめます。
p1-p27。
日本の制度との相違点を意識して進めます。
【医療保険との関係】
日本では、医療保険制度と別途の体系ですが、ドイツでは、基本的に
医療保険制度の上に構築している。
【介護保険の原則】
ドイツでは、「基礎的保障」である・・「部分保険」ともいわれる・・
ことを最初の原則で明記している。
【被保険者】
ドイツでは、医療保険の被保険者を介護保険の対象とした。
日本では、40歳以下の若い人は適用されない。また、給付対象は65歳以上。
なお、ドイツの医療保険は所得の多い人を任意加入としたもので日本のような「国民皆保険」ではないが、
介護保険に限っては、民間保険加入者を公的介護保険とあわせて適用するという仕組みをとった。
【保険者】
保険の運営責任は、ドイツでは医療保険の疾病金庫を活用した介護金庫であり、日本では市町村としている。
【要介護認定】
1 要件 最近10年間に5年間の保険料納付を条件としている。
2 要介護度 3段階 一番軽易なもので1日90分以上の介護を要件
3 認定手続き MDKといわれる医療保険の審査機構による認定
→日本の場合とかなり違いますね。
【給付】
・「終日給付」(施設)の場合、食費・居住費は本人負担。
・介護手当(現金給付)がある。
・介護者に対する給付 p12-p13 労災保険、年金保険
【投資費用】
介護施設の投資費用は、州による公的助成
【財源】
ドイツでは、全国均一の1.7%で、これを労使折半する。
日本のような公的負担はない。
子どものない23歳以上の被保険者は。0.25%の上乗せがある。
【まとめ】
このように、詳しくみてくると、
「社会保険」という形式では類似しているが
(それも日本では税負担を投入しているので、純粋の社会保険方式とはいえないでしょう)、
そのほかは、むしろ、相違点も多いです。
次章では、制定の経過がまとめられていて、そこからもドイツ制度の特色が浮かんでくると思います。
また、
・保険者を市町村としたことで、北欧システムの影響が
・ケアマネジメントを導入したことで、イギリスの影響が
・コンピュータによる認定には、アメリカの強い影響が
それぞれみられます。
*この多様な影響については、つとに、京極高宣や広井良典の指摘があります。
を読みはじめました。
第1回(12/21)では、全体の構成を紹介しました。
ドイツの介護保険制度の詳しい説明が続きます。
今日は、その2回目で、第1章(概要)をまとめます。
p1-p27。
日本の制度との相違点を意識して進めます。
【医療保険との関係】
日本では、医療保険制度と別途の体系ですが、ドイツでは、基本的に
医療保険制度の上に構築している。
【介護保険の原則】
ドイツでは、「基礎的保障」である・・「部分保険」ともいわれる・・
ことを最初の原則で明記している。
【被保険者】
ドイツでは、医療保険の被保険者を介護保険の対象とした。
日本では、40歳以下の若い人は適用されない。また、給付対象は65歳以上。
なお、ドイツの医療保険は所得の多い人を任意加入としたもので日本のような「国民皆保険」ではないが、
介護保険に限っては、民間保険加入者を公的介護保険とあわせて適用するという仕組みをとった。
【保険者】
保険の運営責任は、ドイツでは医療保険の疾病金庫を活用した介護金庫であり、日本では市町村としている。
【要介護認定】
1 要件 最近10年間に5年間の保険料納付を条件としている。
2 要介護度 3段階 一番軽易なもので1日90分以上の介護を要件
3 認定手続き MDKといわれる医療保険の審査機構による認定
→日本の場合とかなり違いますね。
【給付】
・「終日給付」(施設)の場合、食費・居住費は本人負担。
・介護手当(現金給付)がある。
・介護者に対する給付 p12-p13 労災保険、年金保険
【投資費用】
介護施設の投資費用は、州による公的助成
【財源】
ドイツでは、全国均一の1.7%で、これを労使折半する。
日本のような公的負担はない。
子どものない23歳以上の被保険者は。0.25%の上乗せがある。
【まとめ】
このように、詳しくみてくると、
「社会保険」という形式では類似しているが
(それも日本では税負担を投入しているので、純粋の社会保険方式とはいえないでしょう)、
そのほかは、むしろ、相違点も多いです。
次章では、制定の経過がまとめられていて、そこからもドイツ制度の特色が浮かんでくると思います。
また、
・保険者を市町村としたことで、北欧システムの影響が
・ケアマネジメントを導入したことで、イギリスの影響が
・コンピュータによる認定には、アメリカの強い影響が
それぞれみられます。
*この多様な影響については、つとに、京極高宣や広井良典の指摘があります。