介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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特別養護老人ホームでは6.9%が経管栄養である【研究誌から】

2008-04-03 14:06:15 | 介護福祉
【季刊社会保障研究】
国立社会保障・人口問題研究所が発行している『季刊社会保障研究』の最新号が届きました。
(写真、第43巻第4号。Spring 2008、通巻179号)

今回の特集テーマは、
「介護保険における介護施設サービスのあり方」です。
5本の専門家による研究論文と、遠藤久夫教授(学習院大学)の論評が収録されています。

*雑誌には、値段とか書いてありませんが、

国立社会保障・人口問題研究所

に照会ください。

【在宅と各施設は機能分化しているのか】
今日は、そのうち、第1論文
「利用者特性からみた施設・居住系サービスの機能分化の現状と課題」
(川越雅弘。上記研究所社会保障応用研究部第4室長)p316-p326
を読んで、印象に残ったことを書きます。

*この論文のもととなった研究は、平成19年度厚生労働科学研究費補助金長寿科学総合研究事業の助成を受けている。

調査対象としたのは、2006年9月中に、在宅7万人、特別養護老人ホーム12000人、老人保健施設9700人、医療・介護療養病床(「介護療養」と略します) 3300人、グループホーム3500人で介護保険の給付を受けた人です。(サンプル調査ではあるが、かなり大がかりな調査です。)

【介護度別の相違】
特徴的な点をひらってみると・・

・在宅  要支援  26.3% 要介護1 23.4%
・特養  要介護5 32.7% 要介護4 30.9%
・老健  要介護3 28.2% 要介護4 26.0%
・介護療養 要介護5 53.7% 要介護4 26.3%
・グループホーム  要介護2 29.5% 要介護3 29.2%

【増加する認知症】
典型的な症状19についてそれぞれの比率をみると・・

        常時の徘徊  昼夜逆転

・在宅      5.5%    18.5%
・特養     11.5      20.9  
・老健     12.2      19.3
・介護療養    5.3     17.0 
・グループホーム 18.2     28.1

【医療処置の受給率】
12種類の医療処置について、比率を比較すると・・

        経管栄養   カテーテル

・在宅      1.1%     1.5%
・特養      6.9      3.0  
・老健      4.8      3.3
・介護療養    27.5      9.6 
・グループホーム  0.1     0.7

【感想】
膨大な量の介護度の重い人や認知症の増加を直視し、現状の施設群をフル回転することを検討すべきです。もちろん、これに見合う介護労働力の確保も。








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