介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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特養の理事長は医療法人の理事長の奥さん

2008-04-10 14:41:35 | 介護福祉
【施設サービスの複合化】
日本における高齢者施設は医療機関が医療サービスの先をにらんで福祉サービスへ乗りだしたものが多い。
「病院経営環境の悪化を乗り切る救世主としての医療・福祉複合体」という存在は常識となりつつある・・
と、
考察を始めるのは、
先日紹介した『季刊社会保障研究』の最新号(第43巻第4号)
に掲載されている論文のうち、
「施設サービスの複合化・多機能化ー特に経営の観点からー」である。
p343-p353.

著者は、
山本克也(国立社会保障・人口問題研究所)及び
杉田知格(慶應義塾大学大学院 理工学研究科)

*複合体研究は、このブログでもしばしばご紹介している二木立教授の研究によって提唱された。(1998年)
具体的には、病院を中核として、老人保健施設と特別養護老人ホームを備えたものをいう。(「医療福祉複合体」)

【二木教授の調査結果】
調査は、1996年から1998年にかけて実施された。
・複合体は、大都市に少なく地方に多い。
・療養型病床のうち3割が私的医療機関を母体としている。
・病院・老人保健施設・療養型病床群を開設しているグループは、全国に260

病院理事長と社会福祉法人理事長を兼務するもの 71%
               別人だが同姓は 15%
→複合体は「家族・同族企業」的色彩が強い。

「3点セット」が同一市町村内にあるもの 76%
       同一都道府県内にあるもの 91%
→地域的な存在

【最近の現状】
この論文で考察されている最近の現状。

介護保険事業の根幹:特養、老健、介護療養の3つ

特養:社会福祉法人 93.6% 地方公共団体 5.6%
老健:社会福祉法人  8.1% 医療法人 37.4% 民法法人(医療系)19.7%
介護療養:医療法人 80.3% 非法人 11.4%

→医療と介護の棲み分け

特養と老健の両方を同一法人あるいは関連法人で所用する法人:269法人
特養・老健のいずれかを3つ以上所有する施設:37法人

都道府県をまたいで事業展開を行っている医療法人:非常に少ない
→原因の一つ:地元医師会との関係

【多機能化の動向】
論文では、このほか、グループホームや有料老人ホームとの関係などに及び、最近の参加組織の中には不動産業もみられるという。

*写真は、4月8日、キャンパス内。よく似た写真ですが、違う場所です。

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