ずっと、泣きたかった。
でも泣けなかったの。
涙なんてでてこなかった。
化粧なんてもう飽きた。
僕じゃなくなるのが怖かった。
僕のままじゃないってもうわかってた。
僕はもう僕じゃなかった。
本当は足を切るのやめたかった。
腕を切るのもやめたかった。
指を切るのもやめたかった。
体を打つのもやめたかった。
もう僕を殴りたくなかった。
本当は痛くないのも怖かった。
ずっと怖かった。
痛くなくて不安だった。
痛くなる度にうれしかった。
僕は居るんだってうれしかった。
だからやめられなかった。
ずっとやめられなかった。
やめるのが怖かった。
死んじゃうと思ってた。
切ってるから生きてるんだって思ってた。
ずっとそう思ってた。
でもそんなの嘘だって知ってた。
本当はずっと前から知ってた。
それでも死ぬのが怖かった。
だから生きるのが怖かった。
ずっと泣きたかった。
誰かに縋り付いて泣きたかった。
痛いよって言いたかった。
苦しいって知ってほしかった。
かまってほしかった。
可愛がってほしかった。
でも誰にもできなかった。
誰も信じられなかった。
本物の僕なんて愛されないと思ってた。
ずっと嘘を吐いてきた。
ずっと演技をしてきた。
ずっと本物の僕は寂しかった。
ひとりぼっちが怖かった。
誰かに隣に居てほしかった。
大丈夫だよって言ってほしかった。
背中を押してほしかった。
切るのをとめてほしかった。
泣くのを叱ってほしかった。
でも僕を知ってほしくなかった。
こんな僕は知られたくなかった。
嫌われたくなかった。
誰にでも好きでいてほしかった。
ひとりぼっちが辛かった。
もう悲しいの。
もう悲しいの。
もう悲しいの。
もう悲しいの。
もう悲しいの。
ひとりはいや。
でもひとりがいい。
誰にも触られたくない。
抱きしめてほしい。
蟠って、蹲って。
この世界で、息をして。
ひとりのまま、このまま。
抱きしめてってば