goo blog サービス終了のお知らせ 

blue deco design lab

クリエイティブが大好きなのに、なぜか商社マンになってしまった私のマニアバース!

松本零士追悼 『わが青春のマリアンヌ』

2023-02-26 01:11:43 | 漫画/アニメ

松本零士が2月13日に亡くなってしまった。享年85歳。ちょうど私の父が亡くなった年齢にも近いが、また1人昭和の偉大な漫画家が亡くなってしまった。松本零士の代表作と言えば、やっぱり『銀河鉄道999』と『宇宙戦艦ヤマト』だが、この2作品をリアルタイムで観て育った自分としてはとても残念だし、時代を先取りしていた松本零士の壮大な宇宙観は個人的にも大きなインパクトを受けた。

そんな松本零士が若い頃に多大なる影響を受け、特に『銀河鉄道999』の構想の大きなインスピレーションとなった『わが青春のマリアンヌ』というフランス映画がまた最近大きな話題となっている。僕もこの映画がとても気になり、先日ついにDVDを購入して早速観賞した。

『わが青春のマリアンヌ』は、「望郷」のジュリアン・デュヴィヴィエ監督が1955年に撮った幻想的な青春映画。なんとあの『銀河鉄道999』のヒロインであるメーテルには、この映画のヒロイン、マリアンヌがモデルのひとりになっているのだ。この映画でも、母に似ている美しい女性との出会いと別れを経験して少年が大人になっていく物語となっているが、これも『銀河鉄道999』のモチーフになっているし、映画のタイトルも、『わが青春のアルカディア』に反映されていることも注目だ。

更に興味深いのが、あのTHE ALFEEの1984年大ヒット曲メリーアンもこの映画をモチーフにしているということを今回初めて知ってしまったが、確かに歌詞を読んでみると、映画の内容とシンクロしているのだ。

さてこれだけ松本零士にとって特別な作品で、カルト的な魅力のあるこの映画だが、霧が立ち込める森に囲まれた寄宿学校と、湖を挟んだ向かい側に位置する“幽霊屋敷”と呼ばれる、ミステリアスな古城を舞台にした何とも幻想的な物語となっており、それはファンタジーのようでもあり、少しミステリー的でもあり、そして熱いロマンスの要素もあって、何とも不思議な魅力と空気感のあるカルト映画であった。

アルゼンチンからこの寄宿学校にやってくる青年ヴァンサンが、幽霊屋敷に幽閉されているマリアンヌに一目惚れしてしまい、何とか彼女を悪の男爵から救い出そうとするが、最後にマリアンヌは屋敷から消えてしまう。このマリアンヌが絶世の美女として印象的な登場の仕方をするので、松本零士青年が当時この映画を観て、マリアンヌに惚れ込んでしまったのも充分頷ける。そしてマリアンヌがメーテルのモデルになったというのも、イメージ的に良くわかった気がした。

マリアンヌを演じるのは、マリアンヌ・ホルトという、なかなか魅力的なドイツの女優だ。正直今まで存在を全く知らないのだが、この映画での主演以外ではあまり知られていないようだ。残念ながら彼女は1994年に亡くなっているらしい。映画の中でフード付きのケープを着るシーンがあるのだが、このスタイルがまさにメーテル的で、松本零士がインスピレーションを受けたのも想像に難くない。

ちょっとミステリアスなのは、マリアンヌは本当に幽閉されていたのか、それとも何か違う理由があったのか、或いはマリアンヌは本当に実在した女性なのか(母のイメージを重ねてしまったヴァンサンの恋の妄想だったのか?)という謎を残したまま、マリアンヌは消えてしまうのだが、ヴァンサンもまたマリアンヌを求める旅に出る為、寄宿学校を去るところで映画は終わる。その後ヴァンサンは、マリアンヌと再会することが出来たのか、又は単にこれは妄想で、彼の成長物語だったのかという余韻を残して終わるのがまたなかなかいいのだ。

今回、松本零士が亡くなったことがきっかけで、この『わが青春のマリアンヌ』という映画の存在を知ることが出来たし、松本先生が当時インスピレーションを受けた体験を今回追体験出来たことや、メーテルを始めとした松本零士の女性像を形成した原点を垣間見たような気がして、新鮮な喜びと発見があった。なんだか、また『銀河鉄道999』が観たくなってきた。


“ヨコシマな計画”がついに実現!?念願の特注オリジナルワイシャツが完成!

2023-02-24 22:08:56 | ファッション

僕が仕事用に愛用しているワイシャツは殆どネイビーストライプだが、実はかなり前から密かに計画していたことがある。それは、題して『ヨコシマな計画』(笑)。だいたいストライプのワイシャツは縦のストライプが普通だ。しかし、僕は横ストライプのワイシャツが欲しくて、前からオーダーメイドでぜひ一度注文しようと長年計画していた。そしてついにこの“横縞な計画“を実行に移す時がきたのである。

1月末、ついに満を持して玉川高島屋のワイシャツオーダーコーナーに出かけ、特注品となる“横縞ワイシャツ”の注文にチャレンジした。なかなか横縞のワイシャツは業界で見かけることがない。過去に2枚くらい持っていたのだが、普通ではなかなかお店には売っていないので、極めてレアな存在だ。しかし、なぜもっと売ってないのか、長年不思議に思っていた。単に生地を縦に使って仕立てているものを、横に仕立てれば良いだけのことだと、最初は安易に考えていたのだが、今回オーダーを注文する際にテイラーと打合せた結果わかったのは、生地には“生地の目”というものがあり、通常は縦が基本ということだった。つまり、横縞のワイシャツを作ろうと思って、通常の生地目のワイシャツを使って仕立てようとすると、生地がそもそも足りないというのだ。今まで考えてみたことも無かった。

そこで今回、同じ縦縞ワイシャツ生地を2枚分購入し、それで横縞のワイシャツを仕立てて貰うことになった。そしてその結果、1カ月後に完成したのがこちらの見事なワイシャツだ。全体のシルエットはややゆったり目だが、決してブカブカ過ぎない程度に余裕を持たせた。

カラーの形状は好みのワイドカラーをチョイス。イニシャルも入れて貰った。

そしてボタンは美しいスカイブルーのボタンを選択。そして袖口は調整出来るよう、2つのボタンを配置した。

2枚分の生地を買った為、かなり生地が余ったが、今度ハンカチとか、半袖シャツを別途仕立てるのに使わせて貰うことに。

長年の念願であったブルーの横縞ワイシャツ。今回オーダーメイドでしかもあまり前例の無い特注品となったが、理想通りの素晴らしいワイシャツが完成し、手間とお金をかけた甲斐があったというものである。これから仕事で大活躍してくれそうな1枚となったが、大切に使って行きたい。


芦川いづみ映画祭のチラシコレクション!

2023-02-24 00:05:37 | 芦川いづみ

神保町シアターで過去に3回、『恋する女優 芦川いづみ』と題した芦川いづみ映画祭を開催している。第一回は2015年。そしてあまりに好評だったので、翌年の2016年に『恋する女優 芦川いづみ アンコール』と題して第二回が開催された。更に2019年には『恋する女優 芦川いづみ デビュー65周年記念スペシャル』と題して第三回が開催。4年間もの間に3回も映画祭が開催されたというのは凄いことで、如何に今でも芦川いづみファンが大勢いるのかを主催側も痛感した結果となった筈だ。

僕はこの第二回と第三回から、何本か神保町シアターに観に行ったのだが、第一回のタイミングでは観れていなかった。その為、第一回のチラシも持っていなかったのだが、最近この第一回のチラシを2枚ゲットすることに成功した。このチラシの芦川いづみは、まさに先日DVDを観賞した映画『知と愛の出発』からのもので、セーラー服でボートに乗る最高に若くて可愛い芦川いづみである。

第二回のチラシは赤木圭一郎と共演した名作、『霧笛が俺を呼んでいる』からのセクシーな横顔。そして第三回のチラシは吉永小百合との2ショットだが、これは『美しい暦』からのアダルトな先生役が美しく眩しい”お姉さん”の芦川いづみ。

3枚のチラシがこうして揃うとなかなか素晴らしい。どのチラシも芦川いづみのベストショットを使っており、圧倒的に可愛い芦川いづみを堪能出来る。その意味で何とも美しいデザインのチラシに仕上がっていると思う。

チラシは見開きになっており、その映画祭で上映した芦川いづみ作品が掲載されているので、それぞれの主演作を振り返るのも楽しい。この中にはまだDVD化されていない為に観れていない作品も数本あるので、当時神保町シアターで観ておけば良かったと若干後悔しているが、いつの日かDVD化されることを楽しみにしたい。


横山光輝、感動の初期傑作、『千鳥の曲』

2023-02-23 23:32:09 | 漫画/アニメ

横山光輝が1956年に出版した幻の名作時代劇、『千鳥の曲』という作品があるが、先日この作品のオリジナルを入手することに成功した。1955年に『音無しの剣』でデビューしたので、この『千鳥の曲』もかなり初期の作品である。

そして1956年に出版されたのが、少女漫画雑誌『少女』が夏に出版した『ちどりちゃん』という別冊漫画ブック。ここに『千鳥の曲』と、うちのすみおという漫画家が描いた『人魚のなみだ』という2つの作品が収録された。しかしこの別冊漫画ブックはなんといっても1956年のものなので、今では手に入れること自体が奇跡的で、今回オリジナルブックを入手出来たことに思わず感動してしまった。

実は2008年に出版された『横山光輝プレミアムマガジン』の特製バインダーに付録として、こちらの『千鳥の曲』の複製版が付いていたので、内容は過去に付録として読んだことがあったのだが、今回オリジナル版をゲットしたので、改めてこの作品を読みなおしてみたが、オリジナル版を入手出来る日が来るとは感無量である。尚、原版は紛失してしまっているらしく、この複製版も今回入手したブックをベースに、新たに吹き出しを焼き直したらしい。

『千鳥の曲』の舞台は幕末。幕府の武士、源三郎は開国して日本を変えるべきという考えを持っていたが、徳川幕府の友人たちと意見が合わずけんかとなり、その後果たしあいにまで発展した結果、源三郎は数名を斬ってしまう。幕府を追われる身となった源三郎は妹で、琴を弾くのが上手な千鳥を連れて、同士のいる京都へと向かう。幕府は源三郎を捕える為、三四郎という腕の立つ若者を刺客として京都に向かわせるが、実はこの三四郎は千鳥のことが好きだった幼馴染み。千鳥も見つけたら殺せとのミッションを受けているが、どうしても好きな千鳥を殺す気になれない。やがて京都を訪れた三四郎たちは千鳥を見つけ捕えるが、三四郎と同行していた父が千鳥を殺してしまい、三四郎は大きな悲しみに打ちひしがれる。源三郎は討幕隊のメンバーとして江戸を攻め落とすが、その際に三四郎を対決することになり、三四郎は千鳥が亡くなったことを告げて自分も息絶える。最後は幕府軍が敗北し、江戸幕府は終わりを告げ、新たな時代の幕開けを迎えるというところで物語は終わる。

全84ページの中編作品だが、上記の通りなかなか物語の展開も早く、幕末と言う激動の時代の中で描かれた悲劇だが、今読んでもかなり面白い。横山光輝の初期作品ながら、彼のストーリーテリングスタイルが既に確立されており、中編ながらとても読み応えのある時代劇作品だ。

改めて、今回横山光輝幻の初期作品をオリジナルでゲット出来た喜びをかみしめながら読み直したが、これからも出来る限り貴重な初期作品のコレクションを続けていきたい。


最近のお気に入りバンド、『Bialystocks』!

2023-02-23 18:03:27 | 音楽

いつも観ている『関ジャム 完全燃SHOW』で、毎年年明けに恒例となっている、“プロが選ぶ年間マイベスト10曲”が今年も放送され、蔦谷好位置、いしわたり淳治、佐藤千亜紀の3人がそれぞれ2022年度のマイベスト10曲を発表した。この企画はいつもかなり参考にしているので今年も楽しみにしていたが、そんな中で蔦谷好位置が2位に選出していたBialystocksというバンドの、『灯台』という曲が実に素晴らしく、すっかり気に入ってしまった。

Bialystocksとは2019年に結成された、まだ比較的新しいバンドで、ボーカルの甫木元空(ほきもと そら)と、ジャズに傾倒する菊池剛による2人組。元々結成時には4人組だったらしいが、今はこの2人に落ち着いたようだ。今まで全く知らなかったのだが、どうやら甫木元が監督・音楽を担当した映画『はるねこ』がきっかけでバンドデビューしたらしい。まだ多くの情報は出ていないが、なかなか異色のバンドである。

『灯台』を収録したセカンドアルバム『Quicksand』を昨年の11月にリリースして、今年に入ってミニアルバムも出しているので早速チェックしてみたが、このセカンドアルバムがまた何とも素晴らしいのだ。

シングル『灯台』を聴いた時にかなり衝撃を受けたが、サウンド的にはどこかKing Gnuに近い哀愁感のあるサビのメロディが特徴的。ボーカルの甫木元のハイトーンボイスも素晴らしく、何とも都会的でセンスのいい曲となっていることに驚いた。そしてアルバム全体を聴いてみると、単独曲としては『灯台』を超えるものは無いものの、アルバム曲にもかなり気に入ってしまった曲もあり、アルバム全体としてもバランスが取れている。そして、恐らく菊池の影響だろうが、どことなくジャズ的なセンスが全体に漂っており、なかなか他には無い魅力を持ったバンドであることを痛感した。

アルバム『Quicksand』に収録されているのは下記10曲。

  • 朝霧
  • 灯台
  • 日々の手触り
  • あくびのカーブ
  • ただで太った人生
  • Upon You
  • Winter
  • 差し色
  • はだかのゆめ
  • 雨宿り

『灯台』の素晴らしさは群を抜いているが、他に僕が気に入ったのは爽やかで明るい躍動感が漂う『Upon You』、寒くも美しい冬を連想させ、コーラスワークが美しい『Winter』、遠い記憶を呼び覚ますような哀愁あるハイトーンヴォーカルの立ち上がりから、途中ロック調になるところが秀逸な『雨宿り』なども好きな曲だ。全体的にはポップながら、どこかジャズ的な雰囲気も根底に流れるのが魅力的である。

『Quicksand』があまりにも素晴らしかったので、遡ってファーストアルバムの『Bialystocks』も聴いたが、やっぱりなかなか良い。ある程度のバリエーションはあるものの、根底に流れる作曲センスに統一感があり、そこにハイトーンボーカルが組み合わさり、彼ら独特の世界観が形成されている。

2023年は彼らの活躍に益々注目したいが、間違いなく今年注目の実力派バンドだと感じた。さすが蔦谷好位置は目の付けどころもいつも好位置である(笑)。