2004の大ヒットアルバム「How to dismantle an Atomic Bomb」以来、実に約5年ぶりとなるU2の通算12枚目のアルバム、「No Line On The Horizon」がついにリリースされた。日本先行発売である。この5年のブランク(実際には4年と3ヶ月程度だが)は、U2のバンド史上で最も長いブランク期間らしいが、今回も待った甲斐有りの素晴らしいアルバムが届いた。

これまでU2は、基本的な”U2らしい”トレードマークサウンドを保ちながらも、アルバムによってそのカラーを変えてきた。前作はシングルカットされた「Vertigo」に代表されるように、かなりな元気でパワフルなロックを展開してくれたが、今回はパワフルな中にも大人の落ち着きがあるテイストに仕上がっていると感じた。先行シングルとして既にラジオでもヘビーローテーションとなっている「Get On Your Boots」はギターのThe Edgeによる、まさに”エッジ”の効いたカッコいいギターサウンド満載の、期待を裏切らない傑作だ。プロモビデオも結構凝っていて面白い。

http://www.youtube.com/watch?v=MZ7zKeYhU_8
そして今回その他のアルバム曲も、The Edgeのギターが響き渡り、そしてボーカルBonoの雄叫びも心地良く共鳴する。アルバム収録曲は下記12曲 (12曲目はボーナストラック)。
1. No Line On The Horizon
2. Magnificent
3. Moment of Surrender
4. Unknown Caller
5. I’ll go Crazy if I don’t go Crazy Tonight
6. Get on Your Boots
7. Stand up Comedy
8. Fez – Being Born
9. White as Snow
10. Breathe
11. Cedars of Lebanon
12. No Line on the Horizon 2 (Bonus Track)
2000年リリースの「All you can leave behind」、そして2004年リリースの前作「How to dismantle an Atomic Bomb」とここ最近(2000年代)は実にレベルの高いアルバムを出してきたU2。1980年代は尖った荒削りなサウンドながらも魅力的な楽曲が多かった初期、そして80年代中盤は、U2の最大ヒットアルバムである「Joshua Tree」をリリースした黄金時代でもあった。当時最大ヒットのシングル「With or Without You」はまさに名曲である。90年代に入ると一転してャbプでエレクトリカルなサウンドに変え、「Achtung Baby」、「Zooropa」、「Pop」と3枚のアルバムをリリース。個人的にはこの路線のU2も全く嫌いでは無いし、「Mysterious Ways」、「Even Better than the real thing」、「Discotheque」など結構好きな曲も多いのだが、80年代に比べて売り上げ的にはかなり落ち込んでしまった。しかし、2000年代に入ってからの上記2枚のアルバムは、80年代に戻ったような本来のU2らしさを前面に出したシンプルなサウンドによる”原点回帰”で売り上げもまた復活し、音楽評論家の評価も高かった。

そして今作「No Line on the Horizon」のリリースである。今回も前2作を踏襲しながらも、やや異なるスパイスで味付けされた作品に仕上がっている。決して変な派手さは無いが、地味な作品になり過ぎてもいない。シングルの「Get On Your Boots」はさすがといえるレベルのキャッチーでカッコいい曲に仕上がっているが、今回アルバム曲にも印象深い、”シングル級の曲”が幾つかある。まずアルバムタイトルにもなっている1曲目の「No Line on the Horizon」は、しょっぱなからボノの雄叫びが響き渡り、哀愁が漂うメロディーラインがU2らしさと同時にどこか新鮮さもあって印象に残る曲。個人的にはボーナストラックとして入っている「No Line on the Horizon 2」の方が、よりはっきりとした、ャbプな打ち込みサウンドバージョンとなっていて、こちらの方を1曲目に持ってきても良かったかもしれない。そして2曲目の「Magnificent」も如何にもU2らしい、ギターサウンドが堪能出来る傑作であり、シングルにしてもおかしくない出来栄えだ。この曲も哀愁漂うメロディーが美しく、「Joshua Tree」の頃の曲にも通じる雰囲気がある。5曲目の「I’ll Go Crazy if I don’t go Crazy」もシングルクオリティーだ。爽やかで正統派なU2サウンドが満喫出来る。7曲目の「Stand up Comedy」は「Desire」の頃のようなアメリカンなサウンド感覚があり、なかなかノリの良い作品。8曲目の「Fez - Being Born」はシングルクオリティーでは無いが、途中Kitaroのようなインスト風な作品であり、実験的でもある。
素晴らしい曲も多いが、やや残念ながら、バラード曲の「White as Snow」はやや単調で退屈な曲になってしまい、3曲目の「Moment of Surrender」と4曲目の「Unknown Caller」は共に曲は決して悪く無いのだが、ちょっと曲が長くて間延びした感じになってしまった。
今回のアルバムを引き下げて、またワールドツアーでもやるのでは無いかと思うが、久しぶりにライブを見に行きたくなってしまった。アルバムを聴いていて、昔東京ドームでのライブに行ったことを思い出した。それにしてもU2は息の長いバンドである。4-5年に1枚のアルバムというペースも適度で良いのだろう。日本のアーティストもそうだが、あまり頻繁に出し過ぎると飽きられてしまうことが多い。日本でいうとサザンのようでもあるが、やはりB’zの方が近いかもしれない。これからU2のファンとして、益々彼らの活躍を楽しみにしたい。


これまでU2は、基本的な”U2らしい”トレードマークサウンドを保ちながらも、アルバムによってそのカラーを変えてきた。前作はシングルカットされた「Vertigo」に代表されるように、かなりな元気でパワフルなロックを展開してくれたが、今回はパワフルな中にも大人の落ち着きがあるテイストに仕上がっていると感じた。先行シングルとして既にラジオでもヘビーローテーションとなっている「Get On Your Boots」はギターのThe Edgeによる、まさに”エッジ”の効いたカッコいいギターサウンド満載の、期待を裏切らない傑作だ。プロモビデオも結構凝っていて面白い。

http://www.youtube.com/watch?v=MZ7zKeYhU_8
そして今回その他のアルバム曲も、The Edgeのギターが響き渡り、そしてボーカルBonoの雄叫びも心地良く共鳴する。アルバム収録曲は下記12曲 (12曲目はボーナストラック)。
1. No Line On The Horizon
2. Magnificent
3. Moment of Surrender
4. Unknown Caller
5. I’ll go Crazy if I don’t go Crazy Tonight
6. Get on Your Boots
7. Stand up Comedy
8. Fez – Being Born
9. White as Snow
10. Breathe
11. Cedars of Lebanon
12. No Line on the Horizon 2 (Bonus Track)
2000年リリースの「All you can leave behind」、そして2004年リリースの前作「How to dismantle an Atomic Bomb」とここ最近(2000年代)は実にレベルの高いアルバムを出してきたU2。1980年代は尖った荒削りなサウンドながらも魅力的な楽曲が多かった初期、そして80年代中盤は、U2の最大ヒットアルバムである「Joshua Tree」をリリースした黄金時代でもあった。当時最大ヒットのシングル「With or Without You」はまさに名曲である。90年代に入ると一転してャbプでエレクトリカルなサウンドに変え、「Achtung Baby」、「Zooropa」、「Pop」と3枚のアルバムをリリース。個人的にはこの路線のU2も全く嫌いでは無いし、「Mysterious Ways」、「Even Better than the real thing」、「Discotheque」など結構好きな曲も多いのだが、80年代に比べて売り上げ的にはかなり落ち込んでしまった。しかし、2000年代に入ってからの上記2枚のアルバムは、80年代に戻ったような本来のU2らしさを前面に出したシンプルなサウンドによる”原点回帰”で売り上げもまた復活し、音楽評論家の評価も高かった。

そして今作「No Line on the Horizon」のリリースである。今回も前2作を踏襲しながらも、やや異なるスパイスで味付けされた作品に仕上がっている。決して変な派手さは無いが、地味な作品になり過ぎてもいない。シングルの「Get On Your Boots」はさすがといえるレベルのキャッチーでカッコいい曲に仕上がっているが、今回アルバム曲にも印象深い、”シングル級の曲”が幾つかある。まずアルバムタイトルにもなっている1曲目の「No Line on the Horizon」は、しょっぱなからボノの雄叫びが響き渡り、哀愁が漂うメロディーラインがU2らしさと同時にどこか新鮮さもあって印象に残る曲。個人的にはボーナストラックとして入っている「No Line on the Horizon 2」の方が、よりはっきりとした、ャbプな打ち込みサウンドバージョンとなっていて、こちらの方を1曲目に持ってきても良かったかもしれない。そして2曲目の「Magnificent」も如何にもU2らしい、ギターサウンドが堪能出来る傑作であり、シングルにしてもおかしくない出来栄えだ。この曲も哀愁漂うメロディーが美しく、「Joshua Tree」の頃の曲にも通じる雰囲気がある。5曲目の「I’ll Go Crazy if I don’t go Crazy」もシングルクオリティーだ。爽やかで正統派なU2サウンドが満喫出来る。7曲目の「Stand up Comedy」は「Desire」の頃のようなアメリカンなサウンド感覚があり、なかなかノリの良い作品。8曲目の「Fez - Being Born」はシングルクオリティーでは無いが、途中Kitaroのようなインスト風な作品であり、実験的でもある。
素晴らしい曲も多いが、やや残念ながら、バラード曲の「White as Snow」はやや単調で退屈な曲になってしまい、3曲目の「Moment of Surrender」と4曲目の「Unknown Caller」は共に曲は決して悪く無いのだが、ちょっと曲が長くて間延びした感じになってしまった。
今回のアルバムを引き下げて、またワールドツアーでもやるのでは無いかと思うが、久しぶりにライブを見に行きたくなってしまった。アルバムを聴いていて、昔東京ドームでのライブに行ったことを思い出した。それにしてもU2は息の長いバンドである。4-5年に1枚のアルバムというペースも適度で良いのだろう。日本のアーティストもそうだが、あまり頻繁に出し過ぎると飽きられてしまうことが多い。日本でいうとサザンのようでもあるが、やはりB’zの方が近いかもしれない。これからU2のファンとして、益々彼らの活躍を楽しみにしたい。
