blue deco design lab

映画『ヒッチコック』をついに鑑賞!

今週からアメリカ出張に出かけているが、
前から楽しみに待ち望んでいた映画
『ヒッチコック』が機内メニューにあったのを
見て一番に鑑賞した。



アルフレッド・ヒッチコックは、
今も昔も、僕の最も好きな映画監督である。
大学のゼミでは、ヒッチコックをテーマに
卒論『ヒッチコック映画における鳥の象徴性』
を書いたのがとても懐かしい。



元々、アメリカに住んでいた小学生時代に
映画『鳥』をテレビで見て、当時衝撃を受けたのを
今でも良く覚えている。
これがそもそも僕がヒッチコック映画に
取りつかれた発端である。

僕の好きなヒッチコック映画を5本挙げるとすれば、
下記の通りとなる。

『裏窓』(ヒッチコック x グレース・ケリーの最高傑作)
『めまい』(最もヒッチコックの私的な感情が込められた作品)
『鳥』(パニック映画の元祖)
『サイコ』(心理ホラー映画の原点)
『北北西に進路を取れ』(巻き込まれ型サスペンスの集大成)

ヒッチコックは、制作した51本の映画の
ほぼ全てが基本サスペンス映画というジャンルであり、
一貫してサスペンスを極めたという珍しい映画監督でもあるが、
“サスペンスの巨匠”と呼ばれるのはこの為である。

しかし、時期によって彼の作品のタッチは異なる。
僕は1950年代の華やかなヒッチコック映画も大好きで、
最も好きな女優であるグレース・ケリーが主演する
『裏窓』は、映画館でリバイバル上映を観に行った。
グレース・ケリーが主演したその他の2本
(『ダイヤルMを廻せ』、『泥棒成金』)も
大好きな映画である。

一方でパニック映画の元祖と呼ばれる傑作、『鳥』
と並んで彼の代表作と呼べるのが、1960年に公開された
『サイコ』である。

この映画は、ストーリー、撮影方法等
全てにおいて衝撃的な作品で、画期的な映画であった。
今でこそスプラッター映画やホラ映画が多いが、
当時はこのような映画は少なく、
血生臭さを押さえる為にあえてモノクロで撮影された
ことが、返って不気味な雰囲気を醸し出させた。
特にあのシャワーシーンは、映画史上で最も有名な
シーンの一つであり、今見ても強烈である。
そしてあのヒッチコック独特な撮影テクニックが
冴えまくっており、ただ圧唐ウれてしまうのだ。

今回制作された映画『ヒッチコック』は、
『サイコ』撮影舞台裏に迫った作品で、
意外にもヒッチコック初の伝記ものでもある。
原作はスティーブン・レベロによる
『メイキング・オブ・サイコ』。



ヒッチコック役にはアカデミー賞俳優の
アンソニー・ホプキンズが扮したが、
特殊メークを施し、まさにヒッチコックに
瓜二つという素晴らしいクオリティーに仕上がった。



そして、ヒッチコックを常に支え続けてきた
妻のアルマ・レヴィルにも焦点を当てているが、
アルマ役にはこれまたアカデミー賞女優の
ヘレン・ミレンが熱演。ヘレン・ミレンは
あのエリザベス女王を演じて一躍有名になったが、
この2人の重厚な配役を聞いただけでも、映画に賭ける
意気込みが伝わってくる。



そして嬉しいことに、僕の好きな女優の一人である
スカーレット・ヨハンソンが、『サイコ』で映画開始
30分でノーマン・ベイツに殺されてしまう
ジャネット・リーを演じているが、
当時のジャネット・リーにもうまく似せており、
如何にもヒッチコック好きなブロンド女優を
演じている。




この映画は、名優人が味のある演技を見せ、
『サイコ』の撮影舞台裏にフォーカスした点では
大変良く出来た映画であるし、ファンとしては嬉しい限りだ。
しかし、ヒッチコックファンとして、多少辛口に言えば、
原作で描かれていたサイコの撮影模様や、
ブロンド美女に執着するヒッチコックの心の闇に
もう少し深く掘り下げて欲しかった感は残ったが、
まずはこのようなヒッチコックを題材にした映画を
見ることが出来たことに感謝したい。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ヒッチコック」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事