Aesthetic Heartstrings

『心の琴線に触れるもの』…。 クルマ・音楽 etc…。

Mari Hamada Live 2007 『 sur lie 』 in TOKYO

2007-07-09 | MARI HAMADA
先日の名古屋公演に続き、最終公演となった東京でのライヴレポートです。
ここ数年、コンスタントにライヴ活動をしているせいか、年々観客数が増えているような気がしています。

さて、今回のライヴはNEWアルバム『 sur lie 』を中心とした曲構成なのですが、20周年記念ライヴ以降「過去の名作品」を取り入れてくれて、新旧(といっても「新」はそんなにいないでしょうけど・・)ファンが楽しめるライヴでした。
特に『 sur lie 』は、80年代後半から90年代の彼女の楽曲にみられた、力みすぎない歌唱方法で彼女自身のヴォーカルによる多重録音を多用したアルバムということもあって、全体的にメロディアスロックな構成を意識したのか、それとも時間が解決したのか分かりませんが、とにかくライヴが封印されていた時期のアルバムからの曲も多く、個人的にはとても感動的なライヴでした。

また、ライヴ後半にはワンフレーズメドレーを掛け合い形式で導入するなど、新しい試みもみられました。
基本的にはヴォーカルスタイルは変わらないものの、微妙に曲調が時代によって違うため、観客が求める演奏曲が多様化してしまっていることに対する唯一の答えが、この「メドレー形式」だったのでしょう。
かつてレインボーのヴォーカリストだったロニー・ジェイムス・ディオも、ソロのバンドでは必ずといっていいほどレインボー時代の曲をメドレーで演奏していたのをふと思い出しました。

このところ仕事も多忙であったにもかかわらず、グラハムボネットのライヴ、af-impの取材(そのためのプチモディファイ作業)、浜田さんの名古屋公演などと体を休める時間が少なかったところに、先日祖母が他界してしまい、通夜があったりと、実は当日の私はとても体調不良だったのですが、どうしても聴きたい曲があって、気合いで参加してきました。

その曲とは「Shadow Of The Night」というもので、アルバム『Love Never Turns Against』の1曲目に収録されている起承転結のしっかりしたハードロックです。
1988年に行われた”Live '88 TEARS”ツアーのことです。当時大学4年で就職も内定していたということもあって、時間に余裕があった私は、宇都文化会館で行われたライヴに行きました。そのときのライヴ1曲目がこの「Shadow Of The Night」だったわけですが、もともとリズムが難しいうえに、ノリノリという曲ではないため(彼女のパワーに圧倒されて聴いてしまう曲なのですが・・)、会場全体がボー然とした雰囲気となっていました。

そして、この”Live '88 TEARS”で予定されていたよみうりランドイーストのライヴが中止となったこともあって、この追加公演となった東京NHKホールでは、「Shadow Of The Night」がオミットされてしまったのです。
折りしも1988年といえば、彼女のメジャー曲である「Heart And Soul」がNHKのソウルオリンピック中継のテーマ曲となった年・・・。この曲に惚れて浜田麻里のライヴに訪れる人たちを意識しての判断だったのかもしれません。

それ以降、この「Shadow Of The Night」は演奏されることはなく、封印された感がありましたが、今回『 sur lie 』ツアーでは、アンコール曲として演奏してくれました。札幌・大阪・名古屋とセットリストが同一ということで、名古屋公演で見ることができた「Shadow Of The Night」でしたが、演奏・ヴォーカルともに圧巻でしたが、やはりコアなファンであってもボー然と聴いている雰囲気は変わりなく、まさかまた東京でオミットされるのでは・・・?と少々不安で、アンコールがはじまるまで、本当に東京で演奏してくれるのかドキドキでした。

そして、実に19年の時を経て東京でこの曲が演奏され、非常に感慨深いものがありました。

スタッフによって東京公演用に企画された、ダブルアンコール最後の「Return To Myself」で観客全員でサイリウムを光らせるという演出もバッチリ決まりました。ステージにカメラが入っていた様子はなかったのですが、固定カメラでもいいので是非DVD化してほしいと思わせるライヴでした。

SET LIST

01 Heartbeat Away From You
02 Heart And Soul
03 Sail Against The Wind
04 Ash And Blue
05 Until The Dawn
06 Cry For The Moon
07 Surrender
08 Summer Days
09 Blue Water
10 Fearless Night
11 Love Creatures
12 Ruten-no-toki
13 Lucky Star
14 Fly High
~medley~
 Emergency
 Tricky World
 Luna Sympathy
 Lost Generation II
 Anti-Heroine
 Precious Summer(*)
 Nostalgia(*)
 We can Change(*)
 CALL MY LUCK
 999
 SATURATION
 Magic(*)
 Last Scece
 Misty Lady
 Xamadu
 Romantic Night
15 Ilinx
16 Evergrace

~encore~
17 Shadow Of The Night
18 Blue Revolution
19 Free Way
20 Return To Myself

(*)→東京公演のみメドレーで演奏

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2 Comments

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お疲れ様でした! (ゆりりん)
2007-07-10 05:43:09
Shadow Of The Nightにはそんなエピソードがあったんですね。

やっぱり全体的に『吹っ切れた』感がある選曲でしたよね!



ご多忙で大変なときだったということですが、

いっぱい麻里ちゃんパワーをもらって帰ってこられたと思いますp(^^)q

とかいいつつ、右腕筋肉痛でへこんでいる私です(汗)
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彼女の凄さって・・ (blanchelion)
2007-07-10 18:53:35
ゆりりんさん

年齢とともに原曲キーで歌えなくなってしまうロックヴォーカリストは多いですが、浜田さんは未だに当時の曲をそのまま再現できるところに改めて凄さを感じてしまいますね。
ダブルアンコールの「Free Way」・・。ファルセットからシャウトに切り替わる部分なんて「お見事」としかいいようがありません。
この実力があるからこそ、『Persona』~『Blanche』あたりに多く採用され、そして『sur lie』でもみられたAOR風の曲調も一層輝きを増しているのだと思います。
来年もライヴ演ってほしいですね。(アンプラグドなど座って聴けるのも良いですよね。←って、スタンディングに疲れている自分・・・
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