国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

昭和57年国有鉄道に関する小委員会から。

2014-08-06 09:27:30 | 国鉄関連_国会審議
みなさま、おはようございます。
気がついたら2週間近くも放置していまして申し訳ありません、

今回は、昭和57年2月の衆議院運輸委員会の議事録からアップさせていただきました。

当時の国鉄は完全に赤字体質が身についてしまっており、何度かの債務棚上げを経てもなお1兆円以上の赤字が出るということでその問題は大きな問題となっていました。
当時は8000億円の補助金を得て、なおかつ1兆円の赤字ですから補助金がなければ毎年2兆円近い赤字が出ていたということになります。

その問題を、高木総裁(当時)は、特定退職金問題(旧満鉄引揚者)問題と地方交通線問題(この地方交通線問題というのは、運輸行政と鉄道行政が悪い意味で競争した結果生み出された部分が多くて、特に昭和39年度の単年度赤字以降は合理化の下、儲からない地方交通線は作りたくないということで、理由を作って先延ばししていたのですが田中角栄が、鉄道建設公団を設立、ローカル線の建設を一気に引き受けることとなりました。
さらに建設したローカル線は無償で譲渡して国鉄に経営させるとういことを行いました。
国鉄としては、儲かる路線の無償譲渡ならありがたいのですが運営費などの維持費は国鉄持ちですので、乗客が少なければ当然赤字がかさむという理由になります。
さらに、湖西線に代表される幹線はCD線と言われて有償貸付かつ30年あり40年ローンですからその間の利息手数料も取られるわけですから国鉄としてはかなり厳しいペナルティだったかと思います。【注:内容的にはかなり端折った書き方をしています】

そんな、昭和57年の衆議院「日本国有鉄道に関する小委員長」の記事をご覧くださいませ。

昭和五十七年二月二十三日(火曜日)委員会にお
いて、次のとおり小委員及び小委員長を選任した。
 日本国有鉄道に関する小委員
      加藤 六月君    三枝 三郎君
      関谷 勝嗣君    楢橋  進君
      三塚  博君    宮崎 茂一君
      福岡 義登君    吉原 米治君
      草野  威君    中村 正雄君
      四ツ谷光子君    中馬 弘毅君
 日本国有鉄道に関する小委員長 加藤 六月君
―――――――――――――――――――――
昭和五十七年二月二十三日(火曜日)
    午前十時七分開議
 出席委員
   委員長 越智 伊平君
   理事 加藤 六月君 理事 三枝 三郎君
   理事 楢橋  進君 理事 宮崎 茂一君
   理事 福岡 義登君 理事 吉原 米治君
   理事 草野  威君 理事 中村 正雄君
      久間 章生君    小山 長規君
      佐藤 文生君    関谷 勝嗣君
      近岡理一郎君    浜野  剛君
      林  大幹君    古屋  亨君
      三塚  博君    井岡 大治君
      伊賀 定盛君    小林 恒人君
      関  晴正君    浅井 美幸君
      小渕 正義君    辻  第一君
      四ツ谷光子君    中馬 弘毅君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 小坂徳三郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  鹿野 道彦君
        運輸大臣官房総
        務審議官    石月 昭二君
        運輸大臣官房観
        光部長     西村 康雄君
        運輸省鉄道監督
        局長      杉浦 喬也君
        運輸省航空局長 松井 和治君
        海上保安庁長官 妹尾 弘人君
 委員外の出席者
        運輸省航空局技
        術部長     長澤  修君
        運輸省航空事故
        調査委員会事務
        局長      中村  哲君
        日本国有鉄道総
        裁       高木 文雄君
        日本国有鉄道常
        務理事     繩田 國武君
        参  考  人
        (日本航空株式
        会社代表取締役
        社長)     高木 養根君
        参  考  人
        (日本航空株式
        会社専務取締
        役)      野田 親則君
        運輸委員会調査
        室長      荻生 敬一君
    ―――――――――――――
二月十二日
 車検期間延長反対に関する請願外二件(狩野明
 男君紹介)(第五一一号)
 同(三ツ林弥太郎君紹介)(第五一二号)
 同(森喜朗君紹介)(第五一三号)
 同(渡辺省一君紹介)(第五一四号)
 同(愛野興一郎君紹介)(第五五七号)
 同外一件(川田正則君紹介)(第五五八号)
 同(北村義和君紹介)(第五五九号)
 同(渡辺省一君紹介)(第五六〇号)
 同(稲垣実男君紹介)(第六〇九号)
 同(大原一三君紹介)(第六一〇号)
 同(砂田重民君紹介)(第六一一号)
 同(牧野隆守君紹介)(第六一二号)
 同(松本十郎君紹介)(第六一三号)
 同(三池信君紹介)(第六一四号)
 同(渡辺省一君紹介)(第六一五号)
 同外三件(天野公義君紹介)(第六二一号)
 同(小里貞利君紹介)(第六二二号)
 同(奥田敬和君紹介)(第六二三号)
 同(河野洋平君紹介)(第六二四号)
 同(玉沢徳一郎君紹介)(第六二五号)
 同(戸井田三郎君紹介)(第六二六号)
 同(原田昇左右君紹介)(第六二七号)
 同(堀之内久男君紹介)(第六二八号)
 同外一件(村岡兼造君紹介)(第六二九号)
 同(渡辺省一君紹介)(第六三〇号)
 同(小渡三郎君紹介)(第六四九号)
 同(白川勝彦君紹介)(第六五〇号)
 同外一件(砂田重民君紹介)(第六五一号)
 同外一件(森山欽司君紹介)(第六五二号)
 同外二件(渡海元三郎君紹介)(第六五三号)
 同(米沢隆君紹介)(第六五四号)
同月十七日
 常磐沿線の輸送力増強に関する請願外三件(吉
 浦忠治君紹介)(第六八二号)
 車検期間延長反対に関する請願外二件(田原隆
 君紹介)(第六八三号)
 同外五件(羽田野忠文君紹介)(第六八四号)
 同(宮崎茂一君紹介)(第六八五号)
 同(渡辺省一君紹介)(第六八六号)
 同(大西正男君紹介)(第七〇八号)
 同外四件(畑英次郎君紹介)(第七〇九号)
 同(原健三郎君紹介)(第七一〇号)
 同外二件(村上勇君紹介)(第七一一号)
 同(渡辺省一君紹介)(第七一二号)
 同(佐藤隆君紹介)(第七三五号)
 同(渡辺省一君紹介)(第七三六号)
 同(加藤六月君紹介)(第八一七号)
 同外二件(木部佳昭君紹介)(第八一八号)
 同(高橋辰夫君紹介)(第八一九号)
 同(楢橋進君紹介)(第八二〇号)
 同(保利耕輔君紹介)(第八二一号)
 同(渡辺省一君紹介)(第八二二号)
 地方陸上公共交通の確保に関する請願(井出一
 太郎君紹介)(第七六三号)
 同(小川平二君紹介)(第七六四号)
 同(小沢貞孝君紹介)(第七六五号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第七六六号)
 同(串原義直君紹介)(第七六七号)
 同(倉石忠雄君紹介)(第七六八号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第七六九号)
 同(清水勇君紹介)(第七七〇号)
 同(下平正一君紹介)(第七七一号)
 同(中村茂君紹介)(第七七二号)
 同(羽田孜君紹介)(第七七三号)
 同(林百郎君紹介)(第七七四号)
 同(宮下創平君紹介)(第七七五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小委員会設置並びに小委員及び小委員長選任の
 件
 参考人出頭要求に関する件
 小委員会における参考人出頭要求に関する件
 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関
 する件等(運輸行政の基本施策)
     ――――◇――――



○宮崎委員 まだ運輸省の事故調査委員会の方でも、あるいはまた日航の方でも、これから原因の調査をされる面が多々あるようでございますが、願わくは、ひとつ早急に調査を完了していただきまして、非常に大きな犠牲を出しましたこの事故を教訓にいたしまして、第二、第三のこういった事故が起こらないように、運輸省並びに日航に要請をする次第であります。
 この日航事故に関する質疑は、私はこれで終わります。
 もう余り時間がございませんが、先ほど申し上げました運輸大臣のあと一つの柱は、総合輸送体系の問題でございます。この問題は、十数年来言われてなかなか実現困難な問題でございまして、各人によりましていろいろととらえ方が違う。具体的な問題になりますと非常にあいまいもこな話でございますので、きょうは国鉄総裁も見えておりますので、総合的な交通政策の問題はおきまして、国鉄の当面をしている問題について若干質問をしてみたいと思うわけであります。
 運輸大臣の所信表明の中に、交通事故防止と総合対策、この二つが大きな柱でございまして、その次に、まず第一に、やはり運輸大臣としては国有鉄道の再建をいたしたい、こういう意思表示があるわけでございます。
 御承知のように、この委員会で、一昨年でございましたか国鉄の再建法をつくりまして、地方ローカル線の問題あるいはその他の問題について議論をして法律ができ上がったわけでございますが、それに基づきまして経営改善計画をお立てになって、これが国鉄再建の最終案だと、こういうことでいま努力をしておられるわけでございます。ところが、一方、国の行政改革におきまして、この何月か、夏ごろまでにだろうと思いますが、臨時行政調査会、第二臨調の方で、国鉄をどうしたらいいのかということがぼつぼつ議論されているというふうに聞いておるわけでございます。
 御承知のように、国鉄は、最近は国の補助を八千億程度いただいて、そしてその上に経常の赤字としてはやはり一兆円ぐらい赤字が出るというようなことでございます。行政改革といいましても、その中から国の財政に貢献する程度の大きな金を生み出すということは非常にむずかしいということも言われております。国鉄だけすっきりしてくれれば、もうほとんど行政改革、財政再建はある程度完了してもいいんじゃないかという話も聞くわけでございます。そういった観点から、きょうは余り時間もございませんけれども、経営改善計画についてどういうふうに総裁は思っておられ、そしてまた、いまどういう点を努力している、あるいはまた問題点はこういう点ですというような御見解をひとつお述べ願いたいと思うわけでございます。
○高木説明員 まず、経営改善計画の実施状況でございますけれども、御存じのとおり、法案を御審議いただきましたときにも申し上げたことでございますが、大変構造的赤字と申しますか、経営体質が悪くなっておりますので、現在持っております計画では、六十年度までに相当な努力をいたしましてもなお一兆円の赤字が残るということでございまして、その一兆円の赤字の中で、いわゆる地方交通線の問題と特定人件費の問題については、なかなか私どもの力では立て直しができない、これについては行財政上の御援助をいただきたいということは当時から申しておるとおりでございますが、今日もその点は変わってないわけでございます。
 そこで、私どもがやるべき最大の問題といたしましては、幹線部門において現在約四千億近い赤字になっておりますけれども、それをどうにか収支償うようにするということを前提として努力をいたしておりまして、それがためには、恐縮でございますけれども、運賃収入を若干ずつ上げさしていただくということを一方において前提としながら、一方においては、約七万人余の減量経営を行うことによって幹線収支を確保いたしたいと考えておるわけでございますが、何分まだ計画を明らかにいたしましてから半年ちょっとしかたっておらないわけでございますけれども、多少ともやはり経済情勢その他の変化によって、現在お示しいたしました計画を具体化する段階で、特に貨物の問題を中心にして、少しずつ、より強いといいますか、減量経営対策をより強化していく必要があるのではないかということを考えて、現在検討中でございます。
 臨調との関係でございますが、臨調は非常に長期的な視野に立たれて、行政上あるいは財政上の再建のことについてお取り組みでございますが、私どもも時折参上してお尋ねに答えるというようなことが行われておりますが、まだどのような対策を結論的にお出しになるのかはうかがい知れないわけでございます。
 世上しばしば、あるいは民営論であるとか分割論であるとかいうことが言われておりますけれども、私どもは、何はともあれ毎年毎年の赤字を少しでもふやさないようにしていかなければならない。しかるにかかわらず、残念ながら東北・上越新幹線の開業に伴う資本経費の増といったようなことがありまして、現在御審議いただいております五十七年度予算におきましても、赤字額はさらにふえるという、経過的な問題はあるにしましても、さらにふえるという前提になっておりますので、これもあらゆる努力をすることによって少しでも赤字を減らすといいますか、ふえないようにするといいますか、そういうことに取り組むことがまず第一であると考えておるわけでございまして、ちょうど五十六年度中に約一万二千人職員を減らす体制をつくり上げるということが改善計画の年次計画の中に決まっておりますので、年度末まであと四十日しかないわけでございますが、この期間にその具体的な取り組みをいたすべく、各地方鉄道管理局を中心に現在労使間でいろいろ話し合いを進めているところでございまして、まずこれを今日の段階では実現いたすことが私どものなすべきことであると考えております。
 臨調問題につきましては、御意見を求められればその都度申し上げてはおりますけれども、これはやや中長期の問題でございますので、私どもとしては余りそれに気をとられてはまずいということで、まず経営改善計画を進める、そしてその年次別の五十六年度分を着実に実施するということを最大の仕事と考えております。
○宮崎委員 私ども、国鉄の現場をときどき見ている同僚の話からいたしますと、御承知のように国鉄の再建というのは、国鉄を構成している一人一人がやる気を起こすというのですか、国鉄の再建に努力しようという意欲がない限り再建はむずかしいんじゃなかろうか、現場で見ますというと、なかなかそのようにまいっていないんじゃないか。なるべくひとつ働かずに給料はよけいもらおうというような考え方に、末端の方で支配されているんじゃないか。また、労使間の問題についても、ぎくしゃくしているんじゃなかろうか。昔、国鉄は国鉄一家という言葉がございました。私も実は国鉄に五年ぐらいおりました。工事区長をしておりましたが、やはり全員がやろうということでないと、なかなかむずかしい問題があるんじゃないかと思うわけでございます。
 もう時間も参りましたが、最後に、この人の問題、現場の助役や駅長さんばかりが仕事をして困っている、下の方はさっぱり仕事をしない、一日に三時間か四時間ぐらいしか仕事をしないんじゃないかというようなうわさもあるわけでありますが、(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)こういうような点について、やはり人の問題、やろうという気魄、国鉄再建にみんなひとつ取りかかろう、こういう気魄がなければ再建はなかなかむずかしいんじゃないかと思いますが、最後にこの点を一点だけお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
○高木説明員 最近、新聞その他を通じまして、私どもの職場で目ざわり、また聞き苦しいことがあるということが次々と、いわば摘発されております。大変申しわけなく思っております。それは、現場は御存じのように非常にたくさんあるわけでございまして、また、現場の種類も非常に多種多様でございますので、そしてまた、それぞれ長い歴史やら、場合によりますとよくない慣習といったようなものが根づいておる点もございまして、これを直していくのにはなかなか、今日までもやってきたつもりでおりましたが、なお十分でないということを認識いたしておるわけでございます。
 しかし、幸か不幸か、現在の国鉄の状況が非常に危機的な状況にあるということは、ほとんど全部の職員にまで映ってきておりますので、自分たちの生活の問題としてだけ考えましても、これはなかなか大変だという認識になってきておるわけでございますから、このままではまずいのであって、是正すべきものは是正していかなければならないということの機運は、ごく最近の状況では一般的に及びつつあると言ってよろしいかと思います。
 しばしば、組合の問題というようなことがいろいろ言われますけれども、組合の問題も、いろんな複雑な事情はございますけれども、やはり職員の一人一人が、いまお示しのように、やる気を起こすといいますか、現在やる気がないわけではないのですけれども、やはり一部でどう見ても職員の中に十分な気魄が感ぜられない職員がおるわけでございますので、これをなくしていくということを、お互いに職員同士の戒めの問題として取り組ませていくということでなければならぬと思います。
 私も、なるべく多くの時間を充てまして現場の管理者の諸君を督励いたしておりますが、管理者の諸君も、事の緊急性を痛感しつつ、なおかつ具体的にどうやって進めるかということについて日夜苦慮いたしておるようでございまして、御心配いただいておりますが、ぜひともそうした、いまお示しのような点にウエートを置きながら、精神的緊張を高めてまいるようにいたしたいと考えております。
○宮崎委員 以上で終わります。
○越智委員長 小林恒人君。
○小林(恒)委員 前段御発言をされました宮崎先生の御質問にも象徴されておりますように、今日、この数年来、病める国鉄、特に最近は傷める日航といいましょうか、いずれもトップは高木さんでございまして、大変世上を混乱させているわけでありますけれども、いずれにいたしましても、二月九日発生をいたしました日航機事故に伴って亡くなられた二十四名の皆さん方の御冥福を心からお祈りを申し上げるとともに、それぞれ重軽傷を負われた百五十余の皆さん方の一日も早い全快を心からお祈りを申し上げたいと思っているのであります。
 事故発生以来、すでにその直後からテレビやあるいは新聞、ラジオ、雑誌を通じて、大変ショッキングな報道がずいぶん行われました。一方で運輸省航空事故調査委員会の、事故現場を初めとした調査活動が連日連夜繰り広げられてきたわけでありまして、大変御苦労さまだったと思うのであります。
 そこで、まず最初に事故調査委員会にお尋ねをしておきたいと思うのでありますが、過般、二月の十九日、運輸大臣に御報告をされ、なおかつ記者発表をされた事故に関連をする中間報告、概括的に当委員会における御報告を求めたいと思うのであります。
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