それからこれは労働者側の情報なんですよ。いいですか、読み上げますよ。これは二十五日です。これは八月二十五日でしょうな。「朝七時三十分頃、酒田駅構内裏一番コマポイントが列車進入寸前にもかかわらず反対の方向にかえっているのを操車掛が事故発生前に発見ことなきを得た。これは陸羽西線の六三列車着ガマが機関区に入るとき、上り八番線をまわって機関区に入ることになっており、裏一番は八番線から別れている線で通常なら上り八番線は定位にならなければならないのにポイントの反位を発見した操車掛は早速構内詰所の組合員に知らせた。ポイント扱い担当の北部転てつはもちろん誰も扱ったものもいないし入換もきていないのに全く不思議なことではないかと早朝の酒田構内は騒然としたが、たまたま脱線十五、六分までなんともなかったのに構内巡視をした一人の外勤助役がいたことが明らかになった。その時刻が事故発生五十分位前の出来事だったし、組合員の眼はこのあやしいいたずらはかって二十九年から三十年頃にかけてやはり外勤助役が中心に構内作業の勤務評定として従事員の作業監査の名目で裏面監査をやり、ポイントを返したりブレーキをおろしたり、また客車連結器のテコをはずしており従業員の神経をあおる方法をとったが、はげしい反対のため取やめられたが、こうしたやり方がまた誰も知らぬ間に復活したのではないかと責任追及がおこなわれようとしており、構内はじめ酒田支部は問題の探求をはじめている。」というのであります。これに対して今申しましたように、これはまさに第二の松川事件の寸前だぞ、下山事件の寸前だ、それがこんなところでどうも起るような懸念が現場にあるのではないかと、組合員がこういうことをおそれておる。あまり権力で弾圧していこうとすると、みんな功を争うようになってくる。かりに局長が一言言えば、それに迎合しようとして現場職員は二、三積極的な行動に出る。功績を得んとする行動がこんな形になって現われてこないと一体否定できますか。
小林委員の追及は中々厳しく、何としても政府側に陳謝させたいという糸が見えています。
- 組合の活動を非難する発言をした。 労働組合法第7条第3号
ただし同じ日付の労働情報の中に、局長の訓示が終っていろいろの角度から質問や意見が述べられたが、その際ある質問に対し、局長から、今の地本は危機によろめいている、現状のような姿の新潟地本であるならむしろつぶれた方がましだと思う、こういう発言をされている。これは、ごらん下さい、当局側の情報です。つぶれた方がましだと思うと局長が発言をしておる。これは不当労働行為じゃございませんか。
○小林(進)委員 あなたは自分で勝手に仮定を作り上げて、あなたの仮説のもとにそういう詭弁を正当化しようとしておられる。それは卑怯ですよ。一つこの際労政局長の見解を承わりたい。
○亀井政府委員 不当労働行為の問題につきましては、同じ表現上の事実でありましても、それが不当労働行為にならない場合、あるいはなる場合、いろいろあるわけでございます。それはそのとき、あるいはその場所によりまするいろいろな条件が事実認定の上で積み重ねられまして、そして判断されていくわけでございます。たとえば使用者のいろいろな行動の中に、不当労働行為で救済すべきほどのものでなくても、それが積み重ねられていった場合におきまして不当労働行為になる場合もございましょうし、あるいは同じ事案でございましても、片一方は不当労働行為になり、片一方は不当労働行為にはならないというふうな場合もございまして、不当労働行為の認定は法律の解釈と違いまして、事実認定がその中に入りますために非常に判断がむずかしいのでございます。そこで労働法におきましては、御承知の通り学識経験のあります方々によって構成されておる労働委員会あるいは公労委というふうなところで慎重にその問題の判定をいたすことになっているわけでございます。そしてまたかりに、われわれがそれが不当労働行為であるかどうかということを判定することよりも、この制度自体は、それからいかなる救済をするか、団結権なりあるいはその他の労働者の権利をいかに救済していくかということが目的でございまして、これはやはり労働委員会なり公労委でその事実認定に基きました判断がなされるということでございます。今の問題につきましても、私ら諸般の状況が明確でございませんので、私といたしましては判断を申し上げることを差し控えさしていただきたいと思います。
○小林(進)委員 局長はこの前の労働大臣に対するときも今と同じような答弁をされ、二度も拝聴したわけでございますので、これ以上は水かけ論になりますので私もやめますが、私は非組合員同士の中に、組合をぶっつぶせばよろしいというような暴言を吐いていることは、自分の部下現場長、分区長を通じてそういうような組合をつぶすというような圧力影響を与えるような発言は、これは純然たる不当労働行為であると解釈をいたします。しかしあなたが承服をせられないならば、また別の角度で相まみえることにいたしまして、私もこれでほこをおさめることにいたします。ただし同じ日付の労働情報の中に、局長の訓示が終っていろいろの角度から質問や意見が述べられたが、その際ある質問に対し、局長から、今の地本は危機によろめいている、現状のような姿の新潟地本であるならむしろつぶれた方がましだと思う、こういう発言をされている。これは、ごらん下さい、当局側の情報です。つぶれた方がましだと思うと局長が発言をしておる。これは不当労働行為じゃございませんか。
○吾孫子説明員 その前後の話というものがよくわかりませんですが、違法な行為が繰り返されるような、そういう状態の組合は望ましくないからつぶれた方がましだというようなことを言ったのかと思うのであります。それは先ほども申し上げましたように、非公開の席上で申したことでもあり、別段不当労働行為とかなんとかいうような、特に積極的な組合に対する弾圧をしようとかいうような気持とは違って、感想を述べたものであって、特に不当労働行為というようなことになる性質のものではないように私は考えております。
以下のように、総裁達の発言は詭弁であるとして批判している訳ですが、
○小林(進)委員 吾孫子常務理事の答弁はやや詭弁に近いと私は思っている。私どもはそういう上手な答弁を聞いているのじゃない。私どもがこの国会の席上であなたに質問するからには、正当な常識ある者あるいは学識ある者、それぞれの人々に、こういう事実があるがどうかと、みな聞いておる。実に驚くべきことでないか、こういう憲法がしかれ、こういう労働基準法が行われてまさに十数年、ようやくわが国の労働組合も軌道に乗りつつあるという今日、そういう前近代的な驚くべき局長や管理者や、その指令のもとに動くような現場長がおるのか、大へんなことだとみんな驚いております。驚かないのは総裁とあんただけだ。そんなことじゃいけませんよ。いま少し驚きなさい。そしていま少し良心的に、胸に手を当てて、困ったことだという考えを持たなければ話にならない。
まあ次に、こんな例を具体的に述べておれば際限がありませんから、私もそろそろ結論の方向へ歩みを進めていきたいと思うのでございますが、私がそういうようなことを九月二十六日、この委員会において質問をいたしましたことについて、河村局長は、先ほどの最初に戻りまして、そういう分区長やあるいは現場の助役、駅長等に何の指令をし何の訓示をしようとも、それは当局の内部の関係じゃありませんか、当局内の、非組合員のみの打合会の話ではないか、だからそんなことを何も不当労働行為と言われる必要がない、こういうようなことの新聞談話を発表いたしております。新潟国鉄労働組合をつぶすのが目的であるというようなことを公然と自分の部下の前でしゃべっても、それは非組合員であり当局内の話であるから、それは何をしゃべろうとも何も非難されることはない、こういうことを言明いたしておりますが、一体この河村監理局長の言い分は間違っていないかどうか、一つ総裁にお伺いいたします。
○吾孫子説明員 ただいま新聞記者に談話として何か局長が発表したというようなお言葉でございましたが、この点新潟の局の方の事情も調べたわけでございますが、別に談話として何か発表したというようなことはございません。ただ何か新聞記者が単独で尋ねてきた人に、先生の御質問等に関連して話をしたということはあったようでございますが、局長についてよく取り調べましたところ、先生の御質問その他に対して、何かこれを御批判申し上げるというような気持はさらさらなかったけれども、言葉足らずでああいうような記事になって新聞に出たということに対しては、恐縮の意を表しておる次第であるというふうに申しておりました。
それからなお組合をつぶす、つぶさないというお話でございますが、これにつきましては、つぶしたいというようなことは申しておりませんです。ただ先年の夏以来のような違法な行為が繰り返されるような組合のあり方は好ましくないという気持は、監理局長として当然そのことは強く考えておるわけでございまして、そういう気持がどういう言葉になりましたか存じませんが、しかし組合をつぶすのだとか、つぶしたいとか言ったような事実は全くないということだけは明らかでございますので、御了承をいただきたいと思います。
○小林(進)委員 私が最初にお伺いいたしましたことは、その分区長を呼んで、国鉄地本をつぶすと言っても言わなくてもよろしいが、ともかく呼んで訓示をしたことが、当局部内の非組合員のみの打ち合せであるから、それを不当労働行為云々せられることはとんでもない見当違いだということを発言しているのです。このことを聞いておるのです。そういう非組合員が都内において、組合をつぶすとか断圧するとか、何を言っても不当労働行為にならないのか、あなたの見解を聞いておるのです。
○吾孫子説明員 今回の分区長を集めての会議に際しての局長の言動につきましては、不当労働行為にわたるような事実はないと思っております。
○小林(進)委員 全部読まないで不当労働行為でないなどという、そんな無責任な答弁がありますか。私は川村局長に要求いたしまして、約一年分に近いものを送ってもらいました。今でも私の会館にあります。ここにも若干持って来ております。その情報の中に盛られた記事は何ですか。ほとんどと言っていいほど国鉄労働組合を非難をする文章で盛られておるではありませんか。労働組合の非難の文章ではありませんか。そうして第二組合に非常な好意的な気分を寄せて、それを賞揚し、賛嘆し、それが大きく成長することを祈るような記事をもって毎号埋めておるといっても過言でない。
違法な行為というものを見のがすようなことがあってはならない。また組合員に違法な行為をさせるようなことをさせてはならない。また違法な行為があった場合にはそれに相応した処置をとらなければならぬという趣旨のことは常に話もしております
駅長および助役が申立組合員に対して、新組合に入れば、昇給のとき心配がなく、組合費も安いので、新組合に入るようになどといって申立組合からの脱退、新組合への加入を勧誘したことは、支配介入に該当する。
捺印=意思表示とはならない(心裡留保)という判断かと思慮されます。
○小林(進)委員 強制的に職員に読むことを強要するのは、一体不当労働行為であるかないか、お伺いいたします。○吾孫子説明員 業務上必要な資料につきましては、職員に読ませるということは、しばしばあるのでございますが、情報というようなものについて強制的に読ませるというようなことはないのではなかろうかというふうに思っております。
その駅の駅長が、労働課長が来て労働情報を職員がみんな通覧することを強要して、読んだか読まないかという証拠のために判こを押せというので判こを押させている。押さないと昇給停止とか左遷の原因にされるというので、みんな押している。
小林委員は、組合差別と言うべき不当労働行為があったのでは無いかと言うことで、以下のような具体的な事故が有ったこと。
○小林(進)委員 次に私は第二組合員を不当に庇護いたしております一つの事例としてこれを申し上げたい。これは新潟駅で起った問題でございますが、十月一日の十六時ごろ、第六一四列車の編成すえ置きの際、信号機のモデル板不確認から一〇五号転轍機が反位になっておるのを客車操車掛が発見いたしまして、事故を未然に防止いたしました。この関係者は全部第二組合員であったのでありますが、近藤運輸主任は第二組合員が起した事故を隠蔽するために、信号分区、保線分区、機関区などにそれぞれ酒五升、かきの種若干を贈り秘密を守ってくれるように奔走をいたしました。おそらくこれが国労の問題であったならばどういうふうに当局側は出たか、私ども考えるときにりつ然たるものがございます。第二組合員でありますので、おそるべき事実は未然に防いだのでありますけれども、これを隠蔽するために、河村局長の意を引いた末端の管理者は、かくのごとく東奔西走してこれを隠蔽しているというのでありますがこれに対する総裁の御所見を一つ承わりたいと思います。
いかにこの新潟監理局の管理が間違っておるかということです。いたずらに組合員を弾圧し、いたずらに組合にけんかをしかけて、そして組合員をいじめることをもって本分としている。私どもが監理局の各駅に入っても少しも明るさがないじゃないか。駅長室に入ってみたところで、あるいは駅の出札に入ってみたところで、まことに不愉快きわまる。このような空気が一体なぜでき上っているか。あなたは知らぬ、存ぜぬというが、知らぬ、存ぜぬで総裁が勤まると思っているか知りませんが、知らぬ、存ぜぬというのは総裁の勤めじゃないのですよ。一体なぜこういう問題が起きるのか。総裁として遺憾千万なら遺憾千万、申しわけないなら申しわけない、責任とるなら責任とる、いま少ししゃんとした御回答をいただきたい。
本日も、新潟闘争後の組合に対する当局の不当労働行為についての質問が十河総裁に対して行われており、その9話目となります。
国労組合員は昇級できない?
本件では、昇級の問題が組合で差別されているのでは無いかと言う視点で質問が続けられています。
この質問では、第二組合〔新潟地方鉄道労組)に加入したものは全員昇給しているのにも関わらず、国労組合員は昇給の資格を持っているにも関わらず見送られたとして、6名が国労であったので昇給を止められたと発言しています。
次になおお伺いいたしたいと思うのでございますが、特に労働者が一番自分の身にこたえてつらいのは、昇給の問題です。給料のストップや停止の問題です。これはこの人たちの終生を支配する重大問題でございますが、こういうようなことが新潟地本において公然と行われておるのでございまして、私の調べました問題だけでも、国労です、その国鉄新潟労働組合に所属したことだけで不当な差別を受けている。その事例を申し上げますと、まず第一は昇給問題でございまするが、有資格者の昇給です。有資格者で昇給に落された者、これが新津の車掌区において六名、全部国労です。しかるに同じく新津の車掌区におきまして、抜擢昇給または無資格者で昇給をいたしました者が二名おります。その二名はだれかというと、全部第二組合の組合員です。そして昇給をストップされた者は全部国鉄労働組合の職員です。
次は新潟の電務区でございます。新潟の電務区には有資格者で昇給をストップされた者が七名ございます。その七名全部が国労の組合員であります。しかるに同じくこの電務区の職場において、抜擢昇給または無資格者で昇給した者が五名もございます。そのうちの一名は助役であります。河村局長の意を体して一生懸命に第一組合を弾圧いたしました助役が、この抜擢の栄誉に浴しております。なお次の四名は全部第二組合の組合員でありますし、そのうちの一名は実に二十二日病気欠勤をいたしました。これはたしか無資格者である。それが第二組合員なるがゆえに昇給をいたしております。
このような事例が実際にあったのか否かは、引き続き他の資料等も参照しないとなんとも言えないわけですが、当時の当局はかなり強気な組合対応を行っておりました。
その例として、昭和38年には勤務時間内入浴が横行していた田町電車区にあって、何度か警告の通達を掲示した後、勤務時間内入浴中の電車区職員を風呂場から連行して懲戒免職にするなど、組合に対しての姿勢が強行に感じられる事例が発生していましたので、当時、新潟でこのような組合による昇級の違いがあったのか否かは一概に言い切れないものの、不当な昇給停止は生活の問題もありますので、必ずしも組合員側の意見だけを鵜呑みにしてはいけないので、極めて可能性は少なく、それなりの合理的な理由があったように考えます。
そして、そう考えた理由は次章で書かせていただきます。
当局は組合による差別は行っていない
当然ながら総裁が現場の個々の組合員の昇級事情について知ってるわけがなく、同席していた、常務理事の発言が行われていますが、ここでの有資格者でありながら、昇級が見送りなった、その反面病休者であったが、昇格したものがあったがその物は国労組合員では無かった。
結果的に、国労組合員二名が排除される形になった事に質問をしています。
これに対して答弁した理事の発言では、長期病休などで昇級が延期になったものへの救済措置であることとしており、その背景にはその前にも病休などでの昇級が遅れていたのかもしれませんので、それこそ、人事記録を確認しないとなんとも言えないわけで、その結果予算の関係もあり昇級枠から外れたという理由になるかもしれません。
ただ、当時の国鉄当局はかなり強気な労使対決姿勢を示しているところがあり、又新潟鉄道管理局長〔当時〕は新潟闘争でも一歩も引かなかったこともあるようにかなり強気で、角藤の拠点でも有った新潟局の国労組合員に対して強気の対応をしていた可能性も捨てきれないように考えられます。
現時点ではこれ以上の資料がないので、私も調べようがないのですが新たな事実が判れば新たに、書き起こしていきたいと考えています。
続く
応援よろしくお願いします。
************************以下は、国会審議議事録です*************************
○小林(進)委員 そういう気まま勝手な、絶対ございません、あれば事情を勘案して適当な処置をしますなどという御答弁には、私は満足するわけにはいきませんが、それは最後の結論に待つことにいたしまして、次になおお伺いいたしたいと思うのでございますが、特に労働者が一番自分の身にこたえてつらいのは、昇給の問題です。給料のストップや停止の問題です。これはこの人たちの終生を支配する重大問題でございますが、こういうようなことが新潟地本において公然と行われておるのでございまして、私の調べました問題だけでも、国労です、その国鉄新潟労働組合に所属したことだけで不当な差別を受けている。その事例を申し上げますと、まず第一は昇給問題でございまするが、有資格者の昇給です。有資格者で昇給に落された者、これが新津の車掌区において六名、全部国労です。しかるに同じく新津の車掌区におきまして、抜擢昇給または無資格者で昇給をいたしました者が二名おります。その二名はだれかというと、全部第二組合の組合員です。そして昇給をストップされた者は全部国鉄労働組合の職員です。
次は新潟の電務区でございます。新潟の電務区には有資格者で昇給をストップされた者が七名ございます。その七名全部が国労の組合員であります。しかるに同じくこの電務区の職場において、抜擢昇給または無資格者で昇給した者が五名もございます。そのうちの一名は助役であります。河村局長の意を体して一生懸命に第一組合を弾圧いたしました助役が、この抜擢の栄誉に浴しております。なお次の四名は全部第二組合の組合員でありますし、そのうちの一名は実に二十二日病気欠勤をいたしました。これはたしか無資格者である。それが第二組合員なるがゆえに昇給をいたしております。
長岡電務区の例を申し上げます。ここでは五名が昇給のストップをされております。全部国労の労働組合員であります。二名が抜擢昇給または無資格者で昇給をいたしております。その二名のうちの一名は第二組合員、組合の役員であります。他の一名は、第二組合員にして、これは三十八日間病欠をした人です。いわゆる無資格者であります。しかし第二組合員なるがゆえにということで抜擢昇給いたしております。
関屋駅のことを申し上げましょう。二名が有資格者にして落されております。これは全部国労であります。二名が抜擢昇給または無資格者で昇給されている。一名は駅長です。関屋駅長というのは、実に弾圧の名手です。これがちゃんと抜擢昇給されておる。そして一名は第二組合員にして三十五日間の病欠です。病気欠勤をいたしました。しかしこれは昇給をしている。こういうような事例があります。いかに当局側が弁明しましょうとも、私が先ほど言うように、大衆の目はごまかせない。労働者はお互いの昇給やストップにはみんな敏感であります。自他ともに許す自分の昇給のストップなら、これは了承いたしましょうけれども、だれもが了承しない、ただ第二組合員なるがゆえに二十八日、三十五日休んでも昇給している。りっぱな有資格者も第一組合員なるがゆえに昇給しないという事例が、小さなこの地域の中にもかくのごとく現われている。これは私が調査した一部分だけの問題であります。おそらく新潟監理局を全部調べたら、こういう問題がもっと出てくるのではないかと思います。
次に第二の問題といたしまして、組合活動をいたしたがゆえに、組合活動を理由にして昇給を停止された国鉄労働組合の員数を参考までに申し上げます。これは現在判明したものだけであります。これも私の調査でございますが、第一組合、国労の組合活動をしたということによって昇給のストップをされた者が酒田支部において二十六名、坂町支部において三省、新津支部において九名、新潟支部において十六名、四吉田支部において八名、柏崎支部において一名、長岡支部において七名、直江津支部において十三名、計八十三名、こういう数字が現われております。
総裁、第三番目の問題を申し上げましょうか。第一国労に所属しているがゆえに特別に圧迫をせられた典型的な事例として一応関屋駅の事例を私はここで申し上げます。関屋の駅というのは定員二十七名の中で国労組合員が二名、第二組合員が二十二名、管理者が三名でございますが、そのうち昇給の有資格者が十九名あります。そのうち国労の組合員が二名、第二組合員が十六名、管理者が一名おるのでございますが、この国労組合員二名はそのまま昇給ストップをせられておりまして、第二組合員の十六名は全員昇給、管理者、駅長も抜擢昇給、しかも無資格者にして第二組合員が一名、管理者が一名、関屋駅においても昇給いたしておりますが、国労組合員二名だけはそのまま置き去られている例が明らかになっておるのでございます。
以上申し上げましたように国労の組合員であるがゆえに全部が昇給していない、第二組合員全員が昇給している。さらに本部本社間の協定で無資格者として欠格条件に該当している者までがちゃんと第二組合員なるがゆえに昇給している。管理者につきましても有資格者が全員昇給し、さらに公然と第二組合の育成を関屋駅長は行なったがゆえに、昇給の時期でもないのに抜擢昇給している事実があるのであります。こういうような具体的事実について、総裁はまさかこれを否定されないと思うが、御所見を承わりたいと思います。
○十河説明員 私は多数の職員が一々どういうことをしたか、どういう事情によって昇給がどうなっているかということは存じませんが、単に甲の組合に属するから昇給する、乙の組合に属するから昇給させないというようなことは絶対にありません。それから単純に組合活動をやったからということで圧迫せられるというふうなことはないと存じます。
○小林(進)委員 私は具体的にこのように数字をあげて、職場も申し上げておるのでありますから、その職場の事情はこうだ、ああだと、いま少し具体的にうがった説明をしていただかなければならぬ。そういう不親切な答弁は私はいただきかねる。
○十河説明員 私自分で答弁したいのですが、そういう一人々々の各駅のこまかい事情は私存じません。もし必要があるならば、吾孫子常務が知っておれば、吾孫子常務の知っておることだけはお答えいたさせます。
○吾孫子説明員 ただいま御指摘になりました一つ一つのことについて必ずしも全部わかっておるわけでもございませんが、ただいま総裁が申されましたように、組合の所属によって昇給に差別をつけるというような扱いは絶対いたしておりません。その一つの例として申し上げますが、たとえば長期欠勤者は普通欠格条項ということで昇給からオミットされるのが原則でございますが、しかし同じ理由で二回以上昇給からは落さない、それから昇給定年というのがございますが、その定年を著しく超過した者に対しては不利益な取扱いをしない、従来そういう方針で行なっておるわけでございます。そういう考え方でおりますので、欠格条項に触れる者でも特に長期にわたって昇給できないような者につきましては、事情気の毒でもありますので例外の扱いをいたすこともあるわけでございます。それで今度の七月の昇給では新潟局の管内で十名ほど欠格条項に触れる長期欠勤者を特に昇給させております。その内訳を申しますと、国鉄労組の組合員が七名、機労の組合員が一名、それからいわゆる第二組合、新地労の組合員が二名でございます。なお、今申しました国労の組合員の七名の中には、百七十八日あるいは百四十七日というような相当長期にわたる病気欠勤者も昇給させておるのでございまして、新潟地労の組合員二名の方はそれぞれ三十八日、二十七日という程度の欠勤でございますが、そのように組合の所属によって不公平な取扱いをするということは一切いたしておりません。一つの例として御報告申し上げます。
○小林(進)委員 私は、ただいま私が申し上げました数字は、これは速記ができていると思いますし、できなければまたあとでお上げしておきますけれども、この職場と数字に対して一つ早急にお調べを願いまして、具体的な回答を書面でいただきたいと思います。
○吾孫子説明員 調査の上お答えいたしたいと思います。
久々に更新させていただきます。
今回も、社会党の小林進議員の質問となります。
小林議員は新潟選出の社会党議員と言うこともあり、新潟闘争と当時の管理局長による職制に対する不当労働行為について厳しく糾弾しています。
当時の河村勝局長は、本社の労務畑出身であり、新潟は伝統的に革新系の土地柄ということもあり、特に国労新潟地本は、革同の拠点の一つでもあったことも有るかと思いますが、新潟地本所属の役員を懲戒免職にしたことからこの闘争が始まったことは既に何度か記述してきたところですが、新潟闘争後に管理局長が初級管理者と言える班長に対して、不当労働行為と言えるような、組合への勧誘というのが行われたのかという点が質問されているのですが、可能性は全くなかったのではないかというのが個人としての見解です。
組織としては異なりますが、私も郵政局に勤務していた頃、係長(郵便局では課長であるが郵政局では係長として一般職員扱いであり、組合への加入ができる)から、オルグを受けたことがありました。
当時の私は、全逓組合員でした。
より正確に言えば、実は郵政局に転籍後一度は全郵政に移籍したのですが、元の郵便局の人から、いきなり移籍するのは怪しからんとして、引き戻された経緯があったのです。
その後変更する機会もあったのですが、むしろ全逓であっても仕事は人一倍するのだという意識で働いていたこともあり、全郵政に移籍するチャンスを失ってしまったという経緯があったわけです。
まぁ。私の場合全郵政への移籍を係長から打診されてそれを拒否したところ、降格願いを出せという理不尽なことを言われましたので。
こうした、今で言えばパワハラ行為と言えそうなものが全くなかったとは言いがたい部分もあります。
実際、生産性運動の時にも一部の助役クラスが、鉄労への加盟を促すのが助役の仕事であるとして、そうした発言を録音されたという事例もありますので、一概にあり得ないというのは難しいかもしれません。
前置きが長くなってしまったのですが、当時の小林議員と十河総裁の答弁を改めて見ていきたいと思います。
小林議員自身が直接各分会に足を運んだと記しており、この辺は恐らく事実で有ろうと思われます。以下は、とある分区長の証言として発言したものであり、本文から抜粋してみます。
私自身もまた身を挺して調べないと無責任なことをしゃべったのではどうも申しわけない、こういう考えで、まる一日わが新潟鉄道管内の一地域職場の中に入りました。労働者諸君とひざを交え、あるいはみずから足にまめを出しながら、大体四十か五十の各分会、職場を回りながら調査をいたしました。その私の調査によりますと、大体こういうことがある。それは一つの分区長もし総裁がうそだとおっしゃるならば、だんだんほんとうのその人の具体的な名前を申し上げてもよいが、今のところは固有名詞を申し上げるのは控えておきたいと思いますけれども、これは一地域の信号通信区の助役です、この人が信越線の田口信号通信区に出張いたしました。そして車両ダイヤを説明するからということで組合員を集めた。集めておいて、新潟地本は共産党だという訓話に終始し、みずから脱退名節を印刷いたしまして、これに職場の組合員に強制的に捺印をせしめた。これに押せ、お前は第一組合をやめて、そして第二組合に入りなさいと言って捺印をさせました。さらにその助役が言うには、このことは局長から私に対するじきじきの命令でやっておるのであるから、文句があったら私に言わず河村局長に言ってくれ、盛んにこういうような言葉を使って、車両に対するダイヤの説明は一つもなかった。こういうことがあるのでございます。これが一例でございます。
この証言だけで、組合の変更を強要したとは、確証としては弱いように感じますが、少なくとも古野助役と呼ばれている人自身は、上長から通達文書が来たからそれに従ったということだと思うわけで、こうした場合人事課なりが発出した通達文書であれば当然のことながら局長名となるでしょうから。この証言を持って、管理局長が直接指示をしたとはならないわけで、この辺の攻め方はある意味上手い交渉術だと言えそうです。
更に、次のように発言が有ったと証言しています。
冗長になりますので、箇条書きで書かせていただきますが。
- 組合活動による休暇は認めず、仮に休暇であっても組合活動であることが判明したら事故欠勤扱いとすると発言
- 組合員を近くの飲食店に連れて行き、酒を飲ませ、飯を食わせながら、一生懸命第二組合に入ることの勧誘する
- 暗に人事異動を仄めかして、第2組合に入れば免れるだろうと助役が呟く
主任なり分区長から聞いたと証言しているのですが、誰からそのような説明を受けたのかというのが実は不明瞭で、最初の休暇は認めず・・・というのは、分区長自身がそのように行ったのか否かも不明です。
当然と言えば当然ですが、十河総裁の答弁自身もその証言を持って、そうした管理局長が直接指示を出したとは言えないと発言をしておりますが、当然のことと言えましょう。
続く
応援よろしくお願いします。
************************以下は、国会審議議事録です*************************
○小林(進)委員 この問題はとうてい水と油の議論でありますから、この程度にしておき答弁を願いたいと思います。
先ほども申し上げましたように、管理局長分区長や現場長、助役等にそのような教育訓示を行いましたその結果、それが具体的に職場にどう現われておるか。いやしくもやはり、国会のこういう公けの舞台において質問するからには、私自身もまた身を挺して調べないと無責任なことをしゃべったのではどうも申しわけない、こういう考えで、まる一日わが新潟鉄道管内の一地域職場の中に入りました。労働者諸君とひざを交え、あるいはみずから足にまめを出しながら、大体四十か五十の各分会、職場を回りながら調査をいたしました。その私の調査によりますと、大体こういうことがある。それは一つの分区長もし総裁がうそだとおっしゃるならば、だんだんほんとうのその人の具体的な名前を申し上げてもよいが、今のところは固有名詞を申し上げるのは控えておきたいと思いますけれども、これは一地域の信号通信区の助役です、この人が信越線の田口信号通信区に出張いたしました。そして車両ダイヤを説明するからということで組合員を集めた。集めておいて、新潟地本は共産党だという訓話に終始し、みずから脱退名節を印刷いたしまして、これに職場の組合員に強制的に捺印をせしめた。これに押せ、お前は第一組合をやめて、そして第二組合に入りなさいと言って捺印をさせました。さらにその助役が言うには、このことは局長から私に対するじきじきの命令でやっておるのであるから、文句があったら私に言わず河村局長に言ってくれ、盛んにこういうような言葉を使って、車両に対するダイヤの説明は一つもなかった。こういうことがあるのでございます。これが一例でございます。
その次の例といたしましては、これは一地域の分区長でございますが、去る九月二十四日に新潟地本をつぶせという局長の説明を聞いてから、職場に帰ってこられて、新潟地方本部は非合法組合なんだから、今後一切年休と組合休は認めない、地本の組合活動のために、お前が法的に定められている年休とか、組合休をとることは認めない、こういうようなことを言いまして、もし年休をとって出ていっても、組合活動をしている場合には、それは直ちに事故欠に変えてしまう、こういうようなことを組合員に公然と言明している。こういうような局長もいられるのであります。またある主任は、自分が直接掌握をしておりまする組合員を近くの簡単な料亭簡単な料亭です、高尚なものではない。その料亭に行って、酒を飲ませ、飯を食わせながら、一生懸命第二組合に入ることの勧誘をしている。そしてまたある主任はこういうことも言っているのです。どうもこの職場から二名ばかり相当強い労働の場所に転出をしなければいけない、第二組合にでも入れば出すわけにはいかないだろう、こういうようなひとり言を言いながら組合員に転出の話をする。その中には、二年ばかり結核をやられて療養生活をして、そしてその職場へ帰ってきた人がおりましたが、その話を聞いて身ぶるいした。そんなことで次の重労働を要する職場へ転出させられたら、私のからだは参ってしまうということで、とうとう泣く泣く第二組合に入ることに承諾をした。こういうような事実の話も伝わっておるのでございまするが、総裁いかがでございましょうか、こういう事実を御存じになっているかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○十河説明員 私はそういう事実があるということを存じません。またそういうことがあると思われないのであります。どなたからお聞きになったか知りませんが、それは言葉の行き違いか何かで誤解があるんではないかと思います。私はそういう事実があったということを存じません。知りません。なかったと思います。
○小林(進)委員 私はその人の名誉を尊重いたしまして、ただいままで固有名詞はここにありまするけれども申し上げないのであります。総裁は型のごとく存じません、なかったと信ずるとおっしゃいますが、しからば事実あったときには、もう具体的に名前があるのですから、これが事実あったという証明が立った場合には、一体どう処置されますか、お伺いいたしたいと思います。
○十河説明員 あったといたしますると、そのときの事情によって、実情をよく勘案いたしまして適当な処置をとりたいと存じます。