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株式投資、映画鑑賞、野球観戦、読書
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最新マーケティングの教科書2022

2022-02-13 12:15:00 | 読書
「最新マーケティングの教科書2022」
日経BP、2022年2月





マーケティングのキーワードやトレンドを集めたムック本。

「Chapter2 最新&基本キーワード」ではマーケティングに関係する38のキーワードを解説しています。

マーケティングの中でもネット広告について自分が思うのは、
見たくもない広告の部分をたまたまクリック(タッチ)してしまい、
広告のページに飛んでしまうことが多々あります。

この事象に名前を付けて(アドフラウドとは違うと思います)、
広告代理店やアドテック企業はどう考えているのか(クリック数が増えればよし?)、
広告主は消費者を欺くような仕組みの広告に出稿したいと思うのか、
などを調べてほしいです。
専門誌ではすでに行っているのかもしれませんが。


「Chapter4 先進企業ケーススタディ」
以前から「商品ではなく、体験やストーリーを訴求」すべきと言われていましたが、
実際にそのような広告を展開している、ホンダ、ソニー、パナソニックの事例など。


「Chapter6 パッケージ比較」
麦茶、糖質ゼロビール、グミなど、競合商品がどのようなイメージを持たれているかを比較しています。
例えば麦茶では、コカ・コーラ「やかんの麦茶」と伊藤園「健康ミネラル麦茶」を比較。
昔からコカ・コーラがマーケティングに長けている印象ですが、今も同じようです。


「Chapter7 データ&ランキング」で注目したのは、
40代以上のフリマアプリ利用が進んでいるとのこと。


Chapter1 トレンド分析
Chapter2 最新&基本キーワード
Chapter3 先端技術ワード
Chapter4 最新企業ケーススタディ
Chapter5 米国最新事情リポート
Chapter6 人気パッケージ比較調査
Chapter7 データ&ランキング


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金融サービスの未来

2022-02-06 15:55:00 | 読書
「金融サービスの未来」
新保恵志著、岩波新書、2021年12月





過去、現在、未来にかかる金融サービスについて、
個人と企業、さらには社会全体の視点から「金融サービスの質」に焦点を当て、考察を行った本。

以前読んだ「AIが変えるお金の未来」は
利用者視点、技術寄りの視点が多かったですが、
本書は金融機関の視点、業務寄りの視点での考察もありました。

取り上げられている金融機関は、メガバンク・地方銀行・ゆうちょ銀行等、「銀行」が中心です。

銀行の問題点として、「営業による強引な販売」や「高い手数料」を挙げています。


自分の感想として、
「営業による強引な販売」に関しては、

・高齢者に十分に説明せず、元本保証のない金融商品を販売
・中小企業に融資をする代わりに、ハイリスクな金融商品を販売
など法やモラルに反する販売方法に関しては当然ダメですが、

・クロスセル(関連する商品を勧める)
・アップセル(より高額な商品を勧める)
はどの業界でも行っていて、どこまでセーフでどこからアウトか線引きが難しいと感じました。


「高い手数料」に関しては、手数料が金融機関の経営に欠かせないなのは分かります。
ただ、ATMの手数料で言えば、
1万円預けて数百円の金利か付いていた時代に数百円の手数料ならまだしも、
金利が1円しか付かない時代に数百円の手数料を取られるのは納得いかないというのはあります。

また信託報酬は投資信託の保有残高に応じて毎年取られますが、
本書では時価評価額が上昇したときにだけ一定割合を取り、
下落したときは取らない、成功報酬型にすることを提案しています。

これについてはまったく同感です。


序章  金融サービスと社会的責任
第1章 金融不祥事を振り返る
第2章 金融商品販売を振り返る
第3章 手数料を考える
第4章 金融サービスの新たな潮流
第5章 銀行は、これから
第6章 個人向け金融サービスの未来
第7章 企業向け金融サービスの未来



関連エントリ:
AIが変えるお金の未来

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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

2022-02-04 05:45:00 | 読書
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
ブレイディみかこ著、新潮文庫、2021年7月





イギリスのブランドンという小さな村に長年住む日本人女性が、
中学生の息子との日常を綴ったノンフィクション。

先日、「新潮文庫 第7回紅白本合戦 男性に売れた本第1位」の「ビタミンF」を読んだので、
「同 女性に売れた本第1位」の本書も読んでみました。

息子が人種も貧富の差も様々な元底辺中学校に通うことになり、
そこで出会った子供たちやその親たちとの交流が描かれています。

イギリスは、
「EU離脱派と残留派、移民と英国人、様々なレイヤーの移民どうし、階級の上下、
貧富の差、高齢者と若年層などのありとあらゆる分断と対立が深刻化している」(P.95)
そうです。

他にも最近日本でもよく耳にするLGBTについても書いてあります。

そのため、ある人の無意識の言動が、他の人にとっては
「ポリティカル・コレクトネス的配慮に欠ける」(P.177)
と取られるとのこと。


イギリスほど複雑ではないと思いますが、日本においても難しい問題です。
知っておくことで、差別的な言動を未然に防ぐことができますが、
知ってしまうことで、差別的な意識が芽生えてしまうこともある気がします。
意識し過ぎてしまうと、言動がぎこちなくなりそうです。

また、差別的な言動と知った後にそのような言動を控える人はまだよくて、
知っているのにあえて、あるいは知っているからこそ、差別的な言動をとる人もおり、
そういう人への対処まで考えると、ますますどうしたらよいか分からなくなります。


いちばん印象に残ったフレーズは、
「人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。……罰するのが好きなんだ」(P.249)

自分もそう思われないように気を付けます。

関連エントリ:
【新潮文庫 第7回紅白本合戦】

・男性に売れた本第1位
ビタミンF

【新潮文庫 第6回紅白本合戦】

・男性に売れた本第1位
ホワイトラビット

・男性に売れた本第2位
ペスト


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シンプル思考

2022-01-29 08:00:00 | 読書
「シンプル思考」
里崎智也著、集英社新書、2021年11月





現役時代は千葉ロッテマリーンズの捕手、
現在はプロ野球OB YouTuberとして活動中の里崎智也の著書。

タイトルの「シンプル思考」通り、考え方がシンプルで割り切り方がすごいです。

「はじめに」で、「お金のために生きてきたからこそ、金銭的に余裕のある暮らしを手にできた」と述べています。

さらに「第一章 マネーのすすめ」で、プロ野球選手になる前から現役期間、引退後の現在までの収入・支出、
里崎の金銭感覚を具体的に書いています。

ここまでが最も参考になりました。

あとは里崎の半生を振り返る形で、
「好きなもののためには、努力して、上の言うことを聞け」
と意外に古風なことを言っています。

「おわりに」で、
「『みんながみんな、里崎みたいには生きられないよ』くらいの感覚で本を閉じてもらったほうがいいかもしれません」
と述べています。

これがまさに自分の感想です。



関連エントリ:
考える虎

二塁手論

意識力

二軍監督の仕事
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会社がなくなる!

2022-01-22 08:15:00 | 読書
「会社がなくなる!」
丹羽宇一郎著、講談社現代新書、2021年9月





伊藤忠商事社長・会長、中国特命全権大使を歴任した丹羽宇一郎氏の著書。

氏の著書を本屋でよく見かけます。
気になりつつ今まで読んだことはありませんでしたが、
商社の社長を務めた方が、「会社がなくなる!」とはどういうことだ?
と思い、本書を買ってみました。

内容をざっくりまとめると、
上の人間の言うことに下の人間が黙って従う、これまでのタテ型組織の弊害を唱え、
若い人たちは組織の枠組みを超えて突き進んでもらいたいという、
ベンチャーや外資系の経営者、著名な個人事業主の主張に近いものがありました。
ただ、それを大企業の元トップが主張しているというところが新鮮でした。

「ステークホルダー資本主義」、「ギグワーク」、「Z世代」
などトレンドの用語も出てきます。

一方で大企業の元トップらしく、タテ型社会や成長志向はなかなか変わらないとも言っています。


自分の感覚としては、昔はタテ型組織の下の人もそれなりにいい思いができ、
その時我慢していれば将来に期待が持てたと想像するのですが、
いまは下の人はいい思いができないし、将来にも期待が持てない気がします。
そのことが逆にタテ型社会を変えるエネルギーになり得るのではないかと考えています。

伊藤忠時代の、組織の改革に失敗した話や、
判子が20~30個押されて社長のところに来る話は興味深かったです。



会社の品格

ディズニー7つの法則
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ビタミンF

2022-01-17 20:45:00 | 読書




「ビタミンF」
重松清著、新潮文庫、2003年7月

夫であり父親である、30代後半から40代前半の男性7人が主人公の短編集。

「新潮文庫 第7回紅白本合戦 男性に売れた本第1位」
として書店に並んでいたので、手にとってみました。

2001年直木賞受賞作で2003年に文庫化されています。
その本がなぜ2021年に1位になったのかは分かりません。

「ビタミン」というタイトルから、心の健康を維持してくれるような作品を想像しました。
概ね想像通りでしたが、各話スッキリ解決!という終わり方ではなく、
少し光が差したかな、という程度です。

小学校高学年から中学生の子どもたち、妻、親にヒヤヒヤさせられます。
「セッちゃん」は捉えようによってはサイコホラーです。

同様の環境の人にも異なる環境の人にも、
「自分だけでなくみんな大変だよね」
と感じさせ、心にゆとりを与えてくれると思います。

ビタミンには「F」はないそうで、「後記」に「F」と付けた理由が書かれていました。

時代を感じさせる描写が少ないからか、いま読んでも古さは感じません。



関連エントリ:
【新潮文庫 第6回紅白本合戦】

・男性に売れた本第1位
ホワイトラビット

・男性に売れた本第2位
ペスト

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無料より安いものもある

2022-01-08 09:30:00 | 読書




「無料より安いものもある」
ダン・アリエリー&ジェフ・クライスラー著、櫻井祐子訳、ハヤカワノンフィクション文庫、2021年11月


日常生活におけるさまざまな出来事や判断を行動経済学の観点から解説した本。

行動経済学の書籍、なかでもダン・アリエリー教授の著書は何冊も読みましたので、
目新しい理論はなくなってきました。

ただ理論を裏付けるエピソードが興味深いので、つい購読してしまいます。


【お金についてどう考え、どんなまちがいをしでかしてしまうのか】
・同じ60ドルのシャツでも、定価60ドルのシャツと定価100ドルのところ40%割引の60ドルで売られているシャツでは、後者を選んでしまう
・低中高3つのモデルがあると真ん中のものを選んでしまうが、それは往々にして売り手が一番売りたい品
・クレジットカードを使うとき、金離れがよくなる
・自分が所有しているものの価値を高く評価してしまう(授かり効果)
・自分に少し取り分があったとしても、相手の提案が不公正だと思えば、その提案を拒否する(最後通牒ゲーム)
・技能が高く効率的なサービスよりも、無能なために時間がかかるサービスに高いお金を払ってしまう
・表現方法は製品・サービスに対する私たちの感情を変化させる
・売り手は彼らの短期的利益に走り、買い手の長期的利益には配慮しない


自分も、クレジットカードやキャッシュレス決済は、現金よりも気軽に使ってしまうので、
こまめに明細を確認したり、オートチャージは利用しないようにしています。

一方で、日本はまだまだ現金志向が強く、クレジットやキャッシュレス決済比率が低いことが、
消費が活性化せず、経済が停滞している要因の一つではないかと思ったりもします。
長い目で見ると、コロナでキャッシュレス決済が進んだことは、
日本経済回復の一因となるかもしれません。

本書の内容では他に、

・機会費用(なにかをするために、今またはあとであきらめなくてはならない費用)
・サンクコスト(埋没費用。いったんなにかに投資すると、その投資を簡単にあきらめられなくなること)

は投資に限らず、日常において意識しておきたいです。



関連エントリ:
【ダン・アリエリー著書】
アリエリー教授の「行動経済学」入門

ずる

不合理だからすべてがうまくいく

予想どおりに不合理

【行動経済学関連書籍】
愛と怒りの行動経済学

それをお金で買いますか


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日経ビジネス 徹底予測2022

2022-01-01 08:30:00 | 読書
「日経ビジネス 徹底予測2022」
日経BP、2021年12月





あけましておめでとうございます。

2022年スタートということで、「日経ビジネス 徹底予測2022」のレビューから。


PART2 主要30業種予測

昨年はコロナの影響に関する内容がほとんどでしたが、
今年はコロナ以外の内容も増えてきました。

「ネット・メディア」のページにある「メタバース」は、
「ネット上に作られた仮想空間」のことだそうで、
言葉の定義だけ聞くと、以前あった「セカンドライフ」と同じに思えます。
通信の高速大容量化で今回は利用が進むでしょうか?

「飲料」のページでは「宅飲み需要」について触れられています。
外で複数人で飲むと、その場の勢いで多く飲んでしまったり、
あるいは飲まないのにオーダーだけしてしまったりといったことがありますが、
宅飲みだとそれがないので、宅飲みだけではコロナ前の消費量は回復しないのではないかと思います。

無駄な消費がなくなるということで、SDGsの観点では良いことかもしれません。


PART3 新時代テクノロジー

「可食ロボット」と「自己治癒コンクリート」が気になりました。


PART4 ポストコロナ社会の生き方&働き方

2021年版もそうでしたが、ここのパートがいちばん参考になります。

①70歳定年パニック
・寿命の延びに伴い、高齢者雇用に係る法律もときどき改正されているようです。
 意識しておきたいところ。

②儲かる非常識

・「大阪王将」は同じメニューでも店舗により価格が異なるそうです。
 その事実を知らずに、当ブログでもたまに価格付で掲載していました。

・新宿にある人気のラーメン店「はやし田」はINGSという会社が運営していて、
 チェーン展開しており、こちらは店名からして異なるそうです。
 これも知りませんでした。

③情報発信というリスク
・ブログを公開している身として気にしています。
 当ブログも多くの人に読んでもらいたいと思う一方で、
 多くの人の目に触れるとその分炎上リスクも高まるので、悩ましいです。


【目次】
世界の4賢人
中国を考える
PART1 10大トピックス&スケジュール
PART2 主要30業種予測
PART3 新時代テクノロジー
PART4 ポストコロナ社会の生き方&働き方



日経ビジネス 徹底予測2021
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生命保険の「罠」

2021-12-24 07:45:00 | 読書




「生命保険の「罠」」
後田亨著、講談社+α新書、2007年11月

大手生命保険会社の歩合制の営業職を10年努め、保険代理店として独立した著者が、
保険営業の実態を明らかにし、保険商品を解説した本。

国内大手・外資大手・ネット大手など、各保険会社の実名を挙げて、
ここまで書いてよいのかと思うくらい、内情や顧客対応を記しています。


覚えておきたい箇所:

----------
第1章 「一生涯」とは106歳!?

・生命保険会社は、一生の長さを統計よりも長く設定し、保険料を算出している


第2章 「おまけ」で釣る

・「お祝い金」は保険料に上乗せされた金額
・「定期特約つき終身保険」は保険会社が大きく勝てるギャンブルを仕掛けている商品


第3章 「極論」に振る

・「保険金が支払われた」体験を披露
・公的保険でカバーされる金額はないものとして、万が一の際の金額を提示している
・保険金が支払われる事象が起こる確率には触れず、最悪のケースだけが提示される


第4章 お客様を「信者」にする外資系

・外資系保険会社は「従来の保険販売のあり方」に対する疑問を投げかけてくる
・保険には、①「定期保険」と、②「定期保険」に「満期金」たついたものとの2種類があるだけだが、
 お客様には「定期保険」「養老保険」「終身保険」の3種類があると説明されるためわかりづらくなる


第5章 進学は「万が一」起こることなのか?

・保険の存在価値は、「多額の出費」「大幅な収入減」に対応することに尽きる


第6章 「○○コープですか…?」

・営業担当者に「あなたは、お勧めの保険に入っていますか?」と聞いてみる


第7章 プロが入っている保険

・保険会社の従業員の保険の加入の仕方は以下の2つ
 ①高利回りで貯蓄性が高い保険は、「保険だと思わずに」大事に続ける
 ②万が一に備える保険には、「貯蓄性など期待せずに」ひたすら低料金のものを利用する
----------


以前は保険会社の営業職員が、オフィスのフロアに自由に出入りし、
まだ保険の仕組みがよく分かってない若手社員を捕まえて営業していました。

自分もそこで捕まった一人です。
外資系の保険に現在も加入し続けています。
貯蓄性が高い保険ですが、保険金や返戻金の形で支払われてみないと、
加入して良かったのか悪かったのか分かりません。

今はオフィスのセキュリティが厳しくなり、自由に出入りできなくなっていることが多いので、
保険会社の営業職員も大変だと思います。


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「1秒!」で財務諸表を読む方法

2021-12-18 09:00:00 | 読書




「「1秒!」で財務諸表を読む方法」
小宮一慶著、東洋経済新報社、2008年2月

経済や経営を理解するために身につけていた方がよい、基本的な会計知識を解説した本。

タイトルに直接関係することが書いてあるのは、第1章の前半部分のみです。

それも1秒では無理なのですが、

流動比率、自己資本比率、手元流動性

この3つを見ろと言っています。

その他の知識・主張は、
・外資ファンドが狙うのは、自己資本比率が高くROEが低い会社
・ROEは自己資本比率が低い方が高まるので、ROAの方が大切
・敵対的買収防衛策には反対
・未来への投資を行っている会社は、有形固定資産の取得が減価償却費を上回っている
・IT産業は固定費も変動費も低くて済む「良いとこ取り」

自分の感想としては、
敵対的買収防衛策を採っている会社は株価が上がらないので、
本当に止めてほしいです。
自分が保有している株で言うとサッポロHD。

IT産業が「良いとこ取り」というのは、
海外のメガIT企業には当てはまりますが、
日本の会社で継続的に当てはまっている会社はないような気がします。


財務諸表と直接関係ないところでは、
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
についての解説もあります。



財務3表一体理解法

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プロ野球の一流たち

2021-12-12 18:00:00 | 読書

「プロ野球の一流たち」 
二宮清純著、講談社現代新書、2008年5月

スポーツジャーナリスト二宮清純の2008年出版の著書。

前半は歴代プロ野球選手のエピソード、インタビュー。

取り上げられているのは、
野村克也、中西太、稲尾和久、大野豊、松坂大輔、清原和博、土井正博、
新井貴浩、渡辺俊介、山崎武司、工藤公康、古田敦也。

特に気になった記述は、

・DH制はピッチャーが報復される恐れがないため死球が多い。
[感想]
DH制を採用しているパ・リーグの方が日本代表クラスの選手が育っていることが近年言われていて、
DH制のメリットとして
-ピッチャーに打席が回らないため、代打による交代がなく長いイニングを投げられる
-怪我したり疲れがたまっている野手がDHに回り、守備に着かなくて済む
などが挙げられていますが、
「打席に立たないため、打席に立つ恐怖を実感することなく、
バッターに対して思い切り内角を攻めることができる」
というのは、あまり挙げられてこなかった観点だと思いました。

・(打撃で)詰まってもいい
[感想]
自分が知る限りでは、この理論を最初に提唱したのは中西太です。
その後金森栄治もコーチ時代にこの理論で指導していたそうです。
金森の指導については、井口資仁著「二塁手論」で触れられています。
自分も草野球でこの考え方を取り入れ、変化球に対応できるようになりました。

・(本来はボールがホームベースを通過した時点で判断すべきだが、)
 キャッチャーがボールを捕った位置でストライクかボールかを判断する審判が多い
[感想]
このことが、最近キャッチャーがミットを動かさなかったり微妙に内に寄せたりする
「フレーミング」につながっているように感じました。

・古田敦也インタビューにて、
 「またチャンスがあればユニホームを着たい」
[感想]
13年経っても着てないですね。


また本書が出版された2008年は、松坂がメジャーに行ったばかり。
その後の短い栄光、長い苦悩は当時予想できませんでした。


後半はポスティング移籍、球団再編、裏金、特待生制度などお金の絡む話。
この時期、球界にとって良くない話題が続き、悪いイメージがついてしまった気がします。

最後に独立リーグのテーマで金森栄治や現ロッテの角中勝也の名前が出てくるところが渋い。
角中は首位打者2回。目立ちませんが一流選手に成長しました。

 


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未来の働き方を考えよう

2021-12-04 09:00:00 | 読書




「未来の働き方を考えよう」
ちきりん著、文春文庫、2015年11月

寿命は延びる一方だが、死ぬまでお金に困らないでいられるか?
そんな悩みに対して考えるきっかけを与えてくれる本。

「ゆるく考えよう」
の働き方編のような内容です。

著者はコンサルティング・ファームのマッキンゼー出身ですので、
普通の人にそんな生き方ができるのか?
と思うところが多々ありますが、頭の体操にはなりました。


第一章 現状維持の先にある未来

「定年延長」、「家庭と仕事の両立」など、これからの働き方を考えるうえでの前提について。


第二章 世界を変える3つの革命的変化

・大組織から個人へ
・先進国から新興国へ
・ストックからフローへ
移行しつつあると言っています。


第三章 新しい働き方を模索する若者たち

新しい働き方・暮らし方として、
以下の3つを挙げています。

・間欠泉的キャリア
 →一定期間働いて、一定期間休むことを言っています。
  できたらいいなとは思いますが、できるイメージが湧きません。

・海外で働く
 →今のところ日本の居心地が良いので、自分には無理です。

・ミニマムに暮らす
 →自分も日常的にはそれほどお金を使いませんが、
  本書で書かれている例はさらに徹底しています。


第四章 ふたつの人生を生きる

・40代で働き方を選びなおす
・机上の検討でいいから考えてみる
・就活は40代の方が巧くいく
 →既に何度か転職していますが、いまも机上の検討はしています。


第五章 求められる発想の転換

・お金に関する発想の転換
 「好きなこと、大事と思うことにはお金を使って、大いに人生を楽しみ、
 どうでもいいこと、周りがやっているからうちもそうする、みたいなことに多額のお金を使わない」
 →なるべくそうしています。

・寿命に関する発想の転換
 スティーブ・ジョブズ氏のスピーチ
 「もし今日が人生最後の日だとしても、今日の予定を本当に自分はやりたいだろうかと毎日問い続けてきた」
 →自分も問い続けて、なるべくやりたいことをやるようにしています。
  ただ、「今日が人生最後の日」と思ってしまうと、長期的な視点に欠ける気もしています。


終章 オリジナル人生を設計するために

・ステップ1.手に入れたい人生を明確にしよう
・ステップ2.複数の将来シナリオをもとう
・ステップ3.市場で稼ぐ力をつけよう
 →この章で書かれていることのハードルが高くて、二の足を踏んでしまいます。


本書の主張は、某飲料メーカー社長の「45歳定年制を敷いて会社に頼らない姿勢が必要だ」
という発言と通じるものがあります。

社長の発言も理解できないわけではないです。
ただ、「その会社で働いていれば、どの会社でも通用するスキルが自然と身に付くので、
45歳になったら他の会社で活躍しましょう!」というのであればよいのですが、
45歳までその会社でしか通じないビジネスルール・マナーの下で働き、
45歳になったら急にお払い箱になるとしたら辛いです。

ゆるく考えよう




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愛と怒りの行動経済学

2021-11-25 06:45:00 | 読書




「愛と怒りの行動経済学」
エヤル・ヴィンター著、 青木創訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2019年1月

行動経済学の本ですが、初期のゲーム理論から
哲学、民族学、生物学に関わるような分野まで取り上げていて、
行動経済学の幅広さを感じさせます。


第1部 怒りとコミットメント

「ストックホルム症候群」について取り上げられています。

昨年、映画「ストックホルム・ケース」を見た際に調べたときには、
「ストックホルム症候群」とは、
「誘拐事件や監禁事件などにおいて犯人と被害者が心理的なつながりを持つこと」
ということでした。

ストックホルム・ケース

本書では「権威ある人物と接していると、その人物に肯定的な感情を持ちやすい」
ことと定義されています。

他に「囚人のジレンマ」や「最後通牒ゲーム」などゲーム理論の解説。


第2部 信頼と寛大

民族間の考え方の違い、野生動物の集合的感情、遺伝などについて。

あまり簡単にまとめてしまうと誤解が生じてしまうかもしれませんが、
パレスチナ人は寛大でイスラエル人は人を信頼しない傾向があるそうです。

またスイギュウが集団になると、ライオンに襲い掛かることもあるとのこと。


第3部 愛と性

男女の違いなど。

この辺は「話を聞かない男、地図が読めない女」に近いです。

「人差し指と薬指を比べて、人差し指が短い人のほうが、平均収益が高い」
この話は「脳には妙なクセがある」にも出ていました。

臓器移植や結婚におけるマッチングの話は、
それをお金で買いますか」にも。

あと、まだレビューしていない行動経済学関連書籍にも出ていた記憶があります。


第4部 楽観主義、悲観主義、集団行動

リスクは取りたがらないけど、自分を過大評価してしまうときがあり、
でもまわりの声に流されてしまう、人間の性について。

そういわれてしまうと、自分にも当てはまる部分はあると思います。


第5部 合理性、感情、遺伝子

オークションだと感情的になって値段がつり上がる話や、「生まれか育ちか」の議論など。
遺伝がすべてではありませんが、影響は大きいようです。


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会社の品格

2021-11-14 18:00:00 | 読書




「会社の品格」
小笹芳央著、幻冬舎新書、2007年9月

著者の小笹芳央氏はリクルートから独立し、
人事を中心としたコンサルティング会社、リンクアンドモチベーションを設立した方。

2007年に出版された本ですが、今読んでも共感できる箇所が多く、
世の中いろいろ変わったようでいて、本質はあまり変わってないのかなあと感じました。

あんまり具体的に感想を書くと、今いる会社の悪口になってしまいそうなので、
ほどほどにしておきますが。


以下、主に共感できたところ(→は自分のコメント)。

第一章 今、会社の品格が厳しく問われている

・会社は経済合理軸だけで動くため不祥事を起こしやすい
・2000年から2007年までの15社の不祥事
 → 当時世間を騒がせた事件の数々。
   カネボウ、三菱自動車、雪印、ヒューザー、コムスンなどが挙げられています。

第二章 組織の品格

・たとえ社会からズレていたとしても、会社な空気に合致した行動に出ることのできる人間のほうが、会社では評価される
・組織の品格を脅かす症状
 → 「拡大モードの会社」「成熟モードの会社」それぞれ4つずつ挙げられていてます。


第三章 上司の品格

・自分の頭で考えない上司が意外に多い
・部下は上司を一日で見抜く


第四章 仕事の品格

・組織内でしか通用しないスキルを必死で覚えようとすることは、リスクになる
・会議の長い会社はモチベーション・クライシスが起こる


第五章 処遇の品格

・単一文化によって、偏った価値観が会社を支配してしまい、社会とズレてしまっているのではないか
・役職はあくまで役割の違いに過ぎないのに、上下の関係で見てしまう
・生産性と働く意味
 →著者は「1000人の雇用で10億円の利益を上げている会社」と「100人の雇用で10億円の利益を上げている会社」では、
  後者の方が生産性が高いと評価されるが、前者も雇用者の「働く意味」をきちんと創り出している会社である、
  と述べています。
  
  自分もその通りと思いますが、株式市場ではどうしても前者の方が評価されがちで、
  雇用を生み出している会社をどう評価するかはこれからの課題と感じました。

第六章 経営者の品格、社員の品格
・独自の規範を持つ組織においては、出世競争に敗れた人ほど社会的品格を備えている傾向がある



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AIが変えるお金の未来

2021-11-07 14:30:00 | 読書




「AIが変えるお金の未来」
坂井隆之・宮川裕章+毎日新聞フィンテック取材班著、文春新書、2018年11月

AIというよりは、IT全般の発展が金融に与える影響をリサーチした本。
2018年発行。たった3年しか経っていませんが、最近では耳にしなくなった固有名詞もちらほらあり、
時の流れの速さを感じます。


第一章 AIに分析される私たち

スコアレンディングやロボアドバイザーについて。
3年前の期待ほどは伸びていないように感じます。

ロボアドに関しては、取材した会社の社員3名が、本書出版前に退職してしまったそうです。
顧客に長期の付き合いを求めるロボアドの特徴とどう折り合いをつけるのかが課題と述べています。


第二章 メガバンクを脅かすフィンテック

家計簿アプリ、PFM(パーソナル・フィナンシャル・マネジメント、個人金融管理)は、
現在、利用されている方も多いように感じます。
自分も一時期無料版を利用していましたが、1年以上遡っての管理は有料だったため、
いまはあまり使っていません。

アマゾン、グーグルなどプラットフォーマーの金融業への進出や、
銀行店舗の削減・多様化は、現在さらに進んでいる感覚です。


第三章 ITが変える保険業界

この章はもはやタイトルが「AI」ではなく「IT」になってしまっています。
歩数データやドライブデータが容易に収集・分析できるようになったことによる保険の差別化は、
一段と進んでいると思われます。

話は広がって、遺伝情報の取扱いについてもページを割いていますが、
こちらは自分のような部外者から見るとあまり進んでいないように感じます。


第四章 仮想通貨狂騒曲

2018年は「コインチェック」が良くも悪くも話題を独占。
最近またテレビCMを流しています。

「仮想通貨」だと通貨と認識してしまう人もいるため、
いまでは「暗号資産」と呼ばれることが多いです。
自分は投資対象としては考えていません。

2018年に毎日新聞記者たちが出版した書籍として触れないわけにはいかなかったのか、
ブロックチェーンの項目の前振りとして、こじつけ気味に森友問題が出てきます。


第五章 キャッシュレス覇権

スウェーデン、中国などキャッシュレス先進国の事例を取り上げています。

日本では外国人旅行者向けを想定してキャッシュレス決済を推進していましたが、
コロナの影響で外国人旅行者向けは成り立たず、
代わりに国内居住者向けコロナ対策として進展した感があります。

ただ、最近新500円硬貨が発行され、2024年に新紙幣が発行予定。
まだまだ紙幣・硬貨が一定の信用を得ています。

メガバンクによるMUFGコイン、Jコインは、現在あまり使われていないようです。

QRコード決済の項目がありますが、PayPayについては触れられていません。
ここ2年くらいで一気にシェアを拡大したのでしょう。


第六章 国家が発行するデジタル通貨

スウェーデン、インド、ウルグアイ、イギリス、エストニア、ベネズエラなど諸外国の事例。
日本も検討はしているようですが、デジタル通貨に国境はなく、
外交問題も絡んでくるため、簡単には始められないようです。


第七章 フィンテックの「影」

一言で言えば、利便性とセキュリティ、プライバシーのトレードオフ。
災害時やシステム障害時は手元に現金があった方が安心です。



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