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株式投資、映画鑑賞、野球観戦、読書
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誰か Somebody

2024-12-06 07:30:00 | 読書
「誰か Somebody」
宮部みゆき著、文春文庫、2007年12月





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企業グループ広報室勤務の男性社員が、グループの運転手が事故死した原因を調査し、
運転手一家の複雑な事情を知ることになる話。

運転手・梶田信夫の過去の人間関係、2人の娘の関係、
広報室社員・杉村三郎を取り巻く人間関係における愛憎を描いています。

大半が悲哀で微かに希望があります。

本書は2003年に単行本刊行、2007年に文庫化されました。

杉村を主人公とした小説はシリーズ化され5弾まで出版。
2013年には1話~5話が「誰か somebody」、6話~11話が「名もなき毒」を原作としてドラマ化。



関連エントリ:
【宮部みゆき著書】
淋しい狩人

龍は眠る

さよならの儀式

レベル7

昨日がなければ明日もない

火車

理由

長い長い殺人(書籍)

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嫌われた監督

2024-11-22 07:30:00 | 読書
「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」
鈴木忠平、文春文庫、2024年10月





落合博満監督時代に中日ドラゴンズの番記者だった著者が、
落合本人や選手、球団関係者へのインタビューなどを通じて、落合監督の人物像に迫ったノンフィクション。

落合の監督としての人物像は、落合の著者「采配」で受けた印象とさほど変わらなかったです。

ただ「采配」は落合が自分のことを語っているため、飾った記述がなく冷淡にも受け取れましたが、
「嫌われた監督」は監督の発する短い言葉の意味を汲み取った選手・記者の熱い想いも書かれていて、
ドラマティックな作品となっています。



落合監督の選手起用で印象的だったものを3つ挙げると、

・開幕投手川崎
・日本シリーズ継投完全試合
・アライバ二遊間コンバート

これらについても当事者である選手のコメントがあります。



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「会社四季報」業界地図 2025年版

2024-11-05 08:00:00 | 読書
「「会社四季報」業界地図 2025年版」
東洋経済新報社、2024年9月





前年と同じ記載が多いので、東洋経済と日経、隔年で購読することにした業界地図。
昨年日経を購読したので今年は東洋経済を購読しました。

2023年版では20あった「注目業界」が2025年版では9に減りました。
代わりに「深読み」のコーナーが新設され、11の業界について解説しています。

当ブログでよく取り上げる酒類・外食等は、業界地図・各社コメントとも大きな変化なし。

業界天気予想では、新聞社、書店・取次の2業界が大雨なのはそうだろうなあと思いつつ、
東洋経済が属する出版業界は2段階上の曇りになっていて、少し納得がいきませんでした。



定価は東洋経済と日経横並び。
2023年版:1430円 → 2024年版:1650円 → 2025年版:1870円 と220円ずつ値上げしています。



日経業界地図 2024年版

「会社四季報」業界地図 2023年版

「会社四季報」業界地図 2022年版

「会社四季報」業界地図 2021年版

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新 謎解きはディナーのあとで

2024-10-01 20:15:00 | 読書
「新 謎解きはディナーのあとで」
東川篤哉著、小学館文庫、2024年8月





令嬢刑事・宝生麗子と執事探偵・影山が事件を解決する、ユーモアミステリ短編集。

この2人の会話、令嬢刑事と上司の風祭警部との会話が面白く、過去にはテレビドラマ化・映画化もされました。
舞台は変わらず国立市界隈です。
「新~」では天然発言を連発する新米女性刑事も加わり、殺人事件ではありますが、
警察内で一段とユーモラスな会話が繰り広げられています。

本書は2021年3月に単行本刊行、2024年8月に文庫化。
「新~2」単行本が2024年9月に刊行されています。


各話のタイトルとあらすじ:

第一話 風祭警部の帰還
会社創業者の息子で取締役も務める男性が、家族や家政婦もいる自宅の屋敷で、首吊り死体で発見される話

第二話 血文字は密室の中
骨董品マニアの高齢男性が密室状態の自宅の土蔵で、刺殺体で発見される話

第三話 墜落死体はどこから
大柄の男性が墜落死したと思われるビルの向かいのマンションで老人男性の刺殺体が発見される話

第四話 五つの目覚まし時計
シェアハウスに暮らす若い男性警官が同じシェアハウスに住む若い女性看護師絞殺死体を発見する話

第五話 煙草二本分のアリバイ
映画サークルに所属する男子大学生が友人と電話で会話した直後に撲殺される話

文庫版特典 若宮刑事に倫理観はあるのか
宝生刑事と若宮刑事に倫理観の違いが生じた理由を影山が解き明かす超短編



関連エントリ:
【東川篤哉著書】
探偵少女アリサの事件簿 さらば南武線

かがやき荘西荻探偵局2

学ばない探偵たちの学園

かがやき荘西荻探偵局

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剣持麗子のワンナイト推理

2024-09-11 21:00:00 | 読書
「剣持麗子のワンナイト推理」
新川帆立著、宝島社文庫、2024年5月





日中は大手法律事務所で働く女性弁護士が、夜中に亡くなった弁護士から引き継ぐことになった民事相談の解決に動き回るミステリー小説。

女性弁護士・剣持麗子が登場するシリーズは本作で3作目。

過去2作は長編でしたが、本作は連作短編小説。
ユーモアとサスペンス両面感じられます。

第一話の容疑者であるホストを、助手として雇うことから、次々に事件が起こります。
第五話で終わっていますが、すべてが一件落着とは言えず、続編の可能性を残した終わり方。


各話のタイトルとあらすじはこんな感じです。

第一話 家守の理由
源氏名が武田信玄の若いホストが不動産屋の主人殺害の容疑をかけられる話。
武田信玄の実名は黒丑益也と判明。

第二話 手練手管を使う者は
ホストの明智光秀が同じくホストの織田信長の死体の第一発見者となる話。

第三話 何を思うか胸のうち
剣持麗子が所属する法律事務所の運動会終了後に、同僚の弁護士が急死する話。

第四話 お月様のいるところ
認知症の高齢女性を服についていた住所まで送ると死体があった話。

第五話 ピースのつなげかた
建築工事を行った家の近所3件で事件が発生した話。



関連エントリ:
【新川帆立著書】
倒産続きの彼女

元彼の遺言状(書籍)
コメント (2)
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金融の世界史

2024-08-28 22:00:00 | 読書
「金融の世界史」
板谷敏彦著、新潮選書、2013年5月





金融の成り立ち、発展を紀元前から現代まで時系列で記した本。

同じ年の2013年11月に出版された「経済は世界史から学べ」と内容が似通っている部分があります。

「経済は世界史から学べ」はトピックごと、本書は年代順の記述。
本書の方がやや硬めですが難しくはないです。

紀元前では、メソポタミア文明ハムラビ法典に金利の記述があり、
オプション取引の源は紀元前ギリシャ時代に遡るそうです。

オランダやイギリスの東インド会社や大坂堂島の米先物取引は、
歴史の授業では用語を覚える程度でしたが、
金融の観点で経緯を知ると理解が深まります。

オランダのチューリップバブルは金融史関連の書籍では大抵出てきますが、本書は特に詳しいです。

20世紀半ば以降のランダム・ウォーク理論や効率的市場仮説に基づくインデックスファンドの発生、
対抗する形で登場した行動経済学やアノマリーの考え方は、
自分も商品を購入したり、活動の参考にしたりしています。

小型株効果、バリュー株効果は「わが投資術」にも記述がありました。

バブル期の1987年にはNTT株に個人投資家が殺到したそうです。
2024年新NISAでNTT株を購入する個人投資家が多いという記事を目にしました。
相関を頭の片隅に置いておきます。


本書は何度か読んでいますが、ブログでレビューするのは初めてです。

金融の歴史を学ぶことで、自分の投資・資産運用において、
手を出してよい商品か否か、どの程度の金額・割合まで出してよいか、自分なりに考えを整理することができました。


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ジャイロスコープ

2024-07-24 22:00:00 | 読書
「ジャイロスコープ」
伊坂幸太郎著、新潮文庫、2015年7月





伊坂幸太郎のバラエティに富んだ短編小説集。
異なる時期に異なる出版社向けに書いた短編を集めており、特にまとまりはありません。

前半にミステリー、後半にファンタジーを集めている気もします。

伊坂幸太郎のデビュー15年目の節目に出版されたそうです。
最後に著者のインタビューがあり、本書に収録された短編や、それまでに出版された作品を振り返っています。

物語の核心に触れずに概要を記します。


「浜田青年ホントスカ」
男の前にいつも突然現れる男友達の話。

「ギア」
セミンゴという謎の生き物の話。

「二月下旬から三月上旬」
男の前にいつも突然現れる男友達の話。

「if」
郊外の路線バスでバスジャックに2度遭遇する話。

「一人では無理がある」
恵まれない子どもたちのために、組織的にサンタクロースを演じる話。

「彗星さんたち」
新幹線の清掃スタッフたちが、様々な乗客とのエピソードから、その人たちの人生を想像する話。

「後ろの声がうるさい」
新幹線の車内で、後ろの席の乗客が、記者を名乗る見知らぬ男に話しかけられるのを盗み聞きする話。
各話に登場する人物やワードを少しずつ取り入れています。



関連エントリ:
【伊坂幸太郎著書】
クジラアタマの王様

ホワイトラビット

重力ピエロ

アイネクライネナハトムジーク(書籍)

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知らないと恥をかく世界の大問題15

2024-07-01 23:30:00 | 読書
「知らないと恥をかく世界の大問題15」
池上彰著、角川新書、2024年6月



 

2009年から毎年発行されており、全冊買っています。

例年構成は、

1.アメリカ
2.EU
3.中東
4.東アジア
5.その年の話題
6.日本

の順で、2~4はその年の状況により取り上げる国が変わります。



今年の「15」の構成と概要は、

1.アメリカ
大統領選挙

2.ロシア・ウクライナ
ロシアによるウクライナ侵攻の振り返りと現状、欧州各国の状況

3.パレスチナ問題
イスラエル・パレスチナの現状と周辺各国の思惑

4.中国
中国経済の失速と中台関係

5.地球沸騰化
気候・核・SDGs・AIなど

6.日本
政治とカネ



1、2、3は宗教から分析する記述が多いです。

「14」に比べて中東関連にページを割いています。

「14」同様中国に関するページは少なめ。
日本としては中国の動向は気になりますが、世界に目を向けると相対的には落ち着いているのかも。


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日航123便 墜落の新事実

2024-06-23 22:00:00 | 読書
「日航123便 墜落の新事実:目撃証言から真相に迫る」
青山透子著、河出文庫、2020年6月





1985年8月12日、群馬県の御巣鷹山に墜落した日航ジャンボ機123便の墜落の原因・墜落後の対応について、
目撃情報、証言、遺体の状態などを長年取材し、公表されている事実とは異なる説を唱えた書。

著者は事故当時日航の客室乗務員で、当該事故に関する書籍を数冊執筆されているそうです。
自分が著者の本を購読したのは本作が初めてです。

著者が唱える説は衝撃的です。
100%信じる訳ではありませんが、筋は通っているように思えます。

特に墜落後の対応は、人命優先だったのだろうかという疑問が湧きます。
現代であれば、目撃者が写真や動画を撮るので、隠蔽はしづらいですね。

事故の状況を詳細に記述しているので、当時を振り返る目的だけでも役立ちます。


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絶望を希望に変える経済学

2024-06-05 22:00:00 | 読書
「絶望を希望に変える経済学」
アビジット・V・バナジー、エステル・デュフロ著、村井章子訳、日経ビジネス人文庫、2024年4月



ノーベル経済学賞を受賞した2人の経済学者が、経済学を通して人々に希望を持ってもらうために記した本。

不平等拡大の原因と対策について多くのページを割いており、
全体的にマイケル・サンデル著「実力も運のうち」に似ているように感じました。

ただ原書の出版時期を調べてみると本書は2019年。
「実力も運のうち」は2020年。
本書の方が先でした。

著者のアビジット・V・バナジーはインド出身、エステル・デュフロはフランス出身ということで、
アメリカだけでなく、インドなどアジア、及びヨーロッパの事例も多いです。

また反トランプの姿勢が鮮明です。

不平等を抑制する手段として、超高所得者の最高税率の引き上げを挙げつつ、
富裕層は移住の制約が低いため、他国が超高所得者を優遇する政策を取るとそちらに移住してしまうので、
最高税率の引き上げ簡単ではない、といったことも述べています。

その他、以下の記述が興味深かったです。

・低技能移民は受入国の労働需要を増やすが、高技能移民は受入国の賃金水準を押し下げる
・貧しい人々の大半は、経済的インセンティブだけでは移住しない
・富裕国では未熟練労働者が貿易の不利益を被る
・自分と同類とばかり一緒にいると、ちがう視点に立てなくなり、ちがう価値観を理解できなくなる。
 その結果として生まれるのが極端な二極化である
・アファーマティブ・アクションが二極化を助長するという見方も出てきた
・成長がGDPでのみ数値化されていることは大きな問題
・若者たちはもっといい仕事があるはずだと夢を見て、仕事に就かない
・他の大勢を犠牲にして富裕層を優遇しても、成長にはつながらない
・勝者総取り、グローバル化、硬直的な経済、金融業の発達等が不平等を拡大する原因
・アメリカでは社会階層の移動性が低下している


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わが投資術

2024-04-24 22:00:00 | 読書
「わが投資術」
清原達郎、講談社、2024年3月





2005年、最後の長者番付で1位となった著者が、投資業を引退するにあたり投資術・投資の履歴を記した本。

mac68615さんがブログで紹介されていて、興味深かったので手にとってみました。

著者の経歴は東京大学卒業。
野村證券、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー証券を経て、投資顧問会社でヘッジファンド運営。

「はじめに」で「ヘッジファンド運用のノウハウを全部世の中にぶちまける」と書いている通り、かなり濃い内容となっており、読み物としておもしろいです。
国内上場企業の「割安小型成長株」投資を得意とし、判断方法を数式等により詳しく解説し、成功例・失敗例も示しています。

ただ著者は知識と勘・経験・度胸を兼ね備えていますので、自分の投資・資産運用においてすべてを真似することは難しいです。

またヘッジファンド運営責任者として、
・調査対象企業の社長と直接会う
・値上がり後の売却方法として企業に買い取ってもらう
などをしているんですよね。
小口個人投資家にはできません。

自分も過去には投資資金の一定割合を小型株投資に振り向けていた時期もありましたが、
著者のような大株主の動向により株価が大きく変動したり(著者は影響がないように行動したと述べています)、購入後に不利益な情報が出てきたりしたことがありました。
本書をきっかけに、小型株の情報収集くらいはしてみようと思います。

自分なりのアイデアで投資し、これと思った株は下落しても余力のある範囲で買い増し、投資スパンを年単位で考えるなど、著者と自分の共通点もあってよかったです。


コメント (2)
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戦略がすべて

2024-04-13 08:00:00 | 読書
「戦略がすべて」
瀧本哲史、新潮新書、2015年12月





エンタメ、ビジネス、国家事業、学問、政治など各分野における戦略を、コンサルタントの視点で解説した書籍。

各項の最後にまとめがあるので理解しやすいです。

著者は経営コンサルタントで京都大学の客員准教授も務められましたが、
2019年に47歳の若さでお亡くなりになられました。

戦略も大事ですが生命、健康も大事だなと思ってしまいます。


著者の主張に対する共感と意見:

・大ヒット漫画を作るなど、希少なスキルを持っていても、より大がかりな「儲ける仕組み」との関係ではコモディティになってしまう

→現在でも当てはまります。
 ただ、原作者とテレビ・映画の関係でいえば、不幸な出来事もきっかけの一つとして流れが変わりつつあります。
 またその他のビジネスにおいても、プラットフォーマーなど「儲ける仕組み」を持つ者による利益の独占が行き過ぎると、
 SNS等で声が上がるようになってきている気はします。
 

・自分が属する業界のことを知りつくし、かつ、新しい仕組みについてのアイデアを持てば、起業は成功する確率が高い

→これもその通りと思いますが、「新しい仕組みについてのアイデアを持つ」ことが難しいです。
 また、隣の芝生が緑に見えてしまう(他業界の方がよいように思えてしまう)こともあります。

・どの土俵なら勝てるかを見極め、勝てる土俵を選ぶ

→これもその通りですが、組織に属している場合どこまで許されるか。
 誰に何と言われようとも徹底的に自分の道を進めるか、を考えると簡単ではありません。

・誤報自体が増えたのではなく、明るみに出やすくなった
・ネット媒体との競争で、質の低い記事や噂レベルの情報に振り回されることが増えた。
・現代は情報をなるべく制限し、自分に都合のいい情報だけを吸収する風潮になる。

→これらもその通りで、2015年当時よりさらにその傾向は強まっていると思います。
 気をつけます。


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この世にたやすい仕事はない

2024-03-24 22:00:00 | 読書
「この世にたやすい仕事はない」
津村記久子著、新潮文庫、2018年12月





14年間続けた仕事を燃え尽き症候群のような状態になってやめた主人公が、職安の相談員から紹介された短期の仕事を渡り歩くお仕事小説。

単行本は2015年日本経済新聞出版社、文庫本は2018年新潮文庫より発行と時間が経っていますが、
2023年啓文堂書店文庫大賞第1位だそうで、啓文堂書店に何列も平積みになっていたので、手に取ってみました。

仕事の小説ですが、池井戸潤や高杉良のようなハードな感じではなく、ソフトで不思議な雰囲気です。

仕事の内容は
1.小説家を監視カメラで遠隔監視する仕事
2.町の循環バスで流れるアナウンス広告を作成する仕事
3.おかきの袋に短い文章で豆知識を書く仕事
4.新興宗教らしき団体の町への浸食を阻止するために、家々にポスターを貼って回る仕事
5.大きな森林公園内の管理の仕事。

の5つ。どれもありそうでなさそう。

主人公は緩い仕事を希望しながらも、それぞれの職場で問題を解決します。
実際にこんな人がいたら、かなり優秀だと思います。


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世界は経営でできている

2024-03-13 22:00:00 | 読書
「世界は経営でできている」
岩尾俊兵、講談社現代新書、2024年1月





熱血熱弁唾飛ばし系の准教授が令和冷笑系文体で勝負した人生経営指南エッセイ。

「これまで読んだ中で最高のエッセイ。」

・・・と、人を尊敬する練習として投稿しろと著者が言っています。

貧乏、家庭、恋愛、勉強、虚栄ほか、15のお題を経営の視点で語っています。

といっても「冷笑系」ですので、皮肉や自虐だらけです。

本編と「おわりに」で文体がまったく異なり、「おわりに」は「熱弁系」です。
著者が本書で言いたかったことは「おわりに」にあると解釈しました。

節題は既存の作品・書籍等のパロディで、「おわりに」のさらに後に出典が記載されています。


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探偵少女アリサの事件簿 さらば南武線

2024-03-06 22:00:00 | 読書
「探偵少女アリサの事件簿 さらば南武線」
東川篤哉著、幻冬舎文庫、2023年11月





南武線沿線在住のなんでも屋31歳男性と探偵一家の10歳少女が事件を解決するユーモアミステリー。

著者は「謎解きはディナーのあとで」の東川篤哉。

他の作品も中央線や西武線など鉄道沿線を舞台にしています。
そのコンセプトがおもしろく、本書も手にとってみました。

ただ、本作で出てくる南武線の駅は武蔵溝ノ口から川崎あたり。
その辺りは久しく乗っていません。

なんでも屋と少女の軽妙なやり取りについ笑ってしまいます。
謎解きもちゃんとしています。

この2人のコンビの作品は本作が最終巻だそうです。
組合せに無理があったか?



関連エントリ:
【東川篤哉著書】
かがやき荘西荻探偵局2

学ばない探偵たちの学園

かがやき荘西荻探偵局

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