【1】原則
(1) 原則→自由
(2) 関税法の輸入の定義
①外国から本邦に到着した貨物を本邦に引き取ること
②外国の船舶により公海で採捕された水産物を本邦に引き取ること
③本邦において輸出の許可を受けた貨物を本邦に引き取ること
【2】例外
(1) 輸入貿易管理令:
外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るという観点→輸入公表・輸入発表→経済産業大臣の承認(有効期間■■■■)が必要。
答:6ヶ月
・輸入公表とは:経済産業大臣が、輸入に必要な事項を公表する告示
→輸入割当を受けるべき貨物の品目
→輸入についての承認を受けるべき貨物の品目
・輸入発表とは:輸入公表により、輸入割当を受けるべきものとして公表された品目について、輸入割当申請手続きを定め、公示するもの。
・輸入承認の特例→総価額が18万円以下の無償貨物(総価額が18万円以下でも優勝は特例不可)
①輸入割当(IQ)品目→I/L(Import License)→輸入貿易管理令第4条1項:輸入承認が必要。 IQ品目には、「非自由化品目」と「国際協定品目」とがある。
(イ)「非自由化品目」(輸入公表別表1)
(資源保護・農業協定)にしん、たら、すけそうだら、たら(すけそうだらを含む)の卵、煮干し、ぶり,いわし、あじ、さば、さんま、帆立貝、貝柱、いか、干しするめ,食用の海草及び海草の調製食料品といった水産物
(生活保護)麻薬取締法等
(安全保障)銃刀法、核燃料物質等
*麻薬や拳銃は法令により認められているものであれば輸入は可能(相対的輸入禁制品)
(ロ)国際協定規則 (輸入公表別表1の2):輸入承認
・ワシントン条約付属書 I に定める野生動物とその加工品(もっとも保護が必要な動植物。商業取引禁止。動物園含め学術目的として輸出入両国の許可があった場合のみ可。)
・モントリオール議定書附属書ABC等に定める物質(特定フロン等)
・2国間協定 絹織物(中国)
輸入割当(IQ)品目= (イ)「非自由化品目」と (ロ)「国際協定品目」
↓
輸入割当 原則数量割当。数量ムリなら価額。JETRASにより輸入割当申請可。
↓
I/L(Import License)
I/Lを受けたがその貨物の全部または一部を使用しなくなった→遅滞無く希望しない割当量を記入してI/Lを経済産業大臣に返還。
↓
輸入承認
②輸入承認【第二号】(輸入公表第2号)→ 経済産業大臣の承認を受けないと輸入できない品目
(イ)特定の原産地または船積地域からの特定貨物の輸入
・国際条約等→鯨、絹織物、さけ・ます(中国北朝鮮台湾)、本邦に属さない海面を船積地域とする水産物
・二国間協定
・国連経済制裁
(ロ)国際協定規制
・ワシントン条約非加盟国からの付属書II,IIIの動植物を輸入→経済産業大臣の輸入承認要(まず承認されない)
・条約加盟国たる輸出国の管理当局が発給した輸出許可書または輸出証明書の原本を提出→輸入承認不要。
・特定有害廃棄物(バーゼル条約)
・モントリオール議定書非締約国からの同Dにか翳れれ手いる製品
③輸入確認【第三号】事前確認品目および通関時「確認」品目
(イ)経済産業大臣、厚生労働大臣などによる事前の確認を要する「事前確認品目」→Exワシントン条約付属書 II,IIIの動植物を条約加盟国から輸入する場合、治検用微生物ワクチンおよび免疫血清の輸入など
(ロ)各省庁から取得した各種の証明書を通関時に税関に提出して確認を受ける「通関時確認品目」→Ex けしの実および大麻など
ワシントン条約(通称CITESサイテス
外務省HP)
・付属書
I(絶滅の恐れあり、含む人工飼育)
From加盟国、非加盟国とも:商業取引禁止 個人、学術利用の場合①輸出国の許可 ②輸入割当→I/L→経済産業大臣承認
II(絶滅可能性あり), III(保護) (II,IIIは人工飼育除く)
From加盟国:加盟国たる輸出国の許可証あり→輸入承認不要 無し→事前確認必要。From非加盟国:経済産業大臣承認(まず承認されない)
・動植物の加工品も対象
(2)輸入禁制品→関税定率法
関税定率法で輸入が禁止されている物品:5分野
<相対的輸入禁制品> 他の法律の規定により特別に輸入が認められるもの、例えば、麻薬、大麻等の麻薬類、拳銃については、政府及び政府の許可を受けた者は、輸入できる。
① 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤及びあへん吸煙具
② けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品
<絶対的輸入禁制品>
③ 貨幣、紙幣、銀行券又は有価証券の偽造品、変造品、模造品及び偽造カード
④ 公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品
⑤ 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品
(税関長から知的財産権侵害物品と認定→輸入者が知的財産権利者から同意書取得→輸入可。)
関税定率法等の一部を改正する法律
成立:平成15年3月28日 施行:平成15年4月1日
-育成者権侵害物品を輸入禁制品に追加
【3】輸入差止申立制度
(1) 認証手続申立:
①特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、育成者権
→自己の権利を侵害すると認める貨物が輸入されようとする場合には、「税関長」に輸入の差し止めを申し立て、侵害物品か否かを認定するための手続をとるよう申し立てることができる。
② 回路配置利用権者:輸入差し止めの申立は出来ない。(差止めのための情報提供はできる:輸入差止情報提供制度→回路配置利用権を侵害する物品が輸入されようとする場合に、輸入を差止めるために回路配置権利用者が税関長に対し、権利の内容や侵害に関する証拠等の情報を提供するもの。)
(2) 金銭供託:
認定手続が終了するまでの間に輸入者が被るおそれのある損害(逸失利益、倉庫保管料等)の賠償を担保するため、必要に応じて申立人に対し、相当と認める額の金銭を供託するよう命令することがでる。この命令に従わない場合には、税関長は、認定手続を取り止めて輸入を許可する場合がある。
(3) 特、実、意:税関長に、特許発明当の技術範囲である事について、「特許庁長官」の意見を求めるよう要求可。
(4) 没収/金銭供託:
認定手続を終了したときは、認定結果を権利者及び輸入者に通知し、申立人の権利を侵害すると認定した場合には、その貨物を没収するか又はその輸入者に積戻しを命じることができる(ただし、商標権を侵害する物品は、積戻しは認められない)。
【4】その他の法令による輸入規制、国内販売規制
(1) 食品衛生法→食品等輸入届出が必要。
①原則→輸入食品だけでなく添加物、調理用器具、容器包装、幼児用玩具なども対象。
・食品衛生法で輸入禁止されている貨物:検査合格証が発行されない→港湾、空港を管轄する検疫所に食品等輸入届出書を提出して合格しないと税関に輸入申告できない→輸入できない。
・食品衛生法で輸入を禁止されていない貨物:輸入者は厚生労働大臣あての「食品等輸入届書」を検疫所の長に届ける→審査の結果問題なくば届出済み印が押されて返却。
②例外→食品等輸入届出手続きの簡素化・迅速化の制度
(イ)事前届出制度
すべての食品等について、貨物到着予定日の7日前から届出書を受け付けており、書類審査により検査の必要な場合はその旨連絡される。 検査の必要な物等を除き貨物到着前又は搬入後速やかに届出済証が交付される。
(ロ)外国公的検査機関の検査結果の受入
輸出国の公的検査機関で事前に検査を受け、その成績書が添付されている場合は、当該貨物について検疫所における当該検査が省略される。ただし、輸送途上において変化するおそれのある項目(細菌、カビ毒等)は除く。
(ハ)同一食品等の継続的輸入(計画輸入制度)
同一の食品等を繰返し輸入する場合、初回輸入時届出書に検査成績書を添付し、審査の結果問題がなければ、当該食品等及びその製造加工業者を登録することにより登録された食品等については、輸入時検査が一定期間省略されると共に、届出後速やかに届出済証が交付。
(2) JAS法→生鮮食品輸入販売で、原産地表示要。
① 輸入食品の賞味期限表示→食品の国際規格である■■■■にあわせ義務付け。
答:CODEX
② 品質劣化しやすい食品(品質保持期限5日以内)→消費期限(食べられる期限)を年月日で表示
③ その他の食品→賞味期限(おいしく食べられる期限)を年月または年月日表示
④ 輸入年月日の表示は特に義務付け無し。
(3) 植物防疫法
① 植物とその生産物に付く病原菌や害虫などが輸入貨物と共に国内に入り込むのを防ぐために、特定の貨物に対して検査を行う旨規定。
・植物防疫法、家畜伝染予防法は動植物によっては輸入港、空港を制限している。
② 対象品目:植物、植物の加工品、漢方薬など
・対象品目の輸入には輸出国の検疫機関が発行した植物検疫証明書 Phyto Sanitary Certificate が必要。また、輸入できる港湾や空港が指定。
・果物、野菜:植物防疫法の検査→食品衛生法による届出または検査→税関も必要に応じて関税法上の観点から検査 動植物の検疫は原則として二重検疫体制。
③ 輸出貨物:相手国がわが国の検査証明書を要求している場合、日本の検疫が必要。
(4) 家畜伝染病予防法 羊毛、ベーコン(+食品衛生法)
(5) バーゼル条約における特定有害廃棄物の輸出入→経済産業大臣の輸入承認
(6)フロンなど、オゾン層を破壊する物質→経済産業大臣の輸入承認
(7)関税法70条
① 輸入することにつき他法令で許可承認が必要な貨物は、輸入申告の際に許認可証等により証明を要求。
② 輸入貨物について検査、一定要件を満たす事を他法令で定めている貨物は税関の審査、検査の際に証明する事。
以上