映画鑑賞検定3級blog

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「ゲゲゲの鬼太郎」(無意味なくらい毒舌)

2007-07-02 | 日本映画
実は観てました(笑)チネチッタのポイントたまった招待券で見てきましたよ。

ゲゲゲの森で父親の目玉おやじや仲間たちとのんびり暮らす鬼太郎のもとに、ある日届けられた一通の手紙。それは恐るべき魔力を秘めた<妖怪石>をめぐり、妖怪界と人間界を揺るがすことになる大事件のはじまりだった。ひょんなことから妖怪石を手に入れたのは人間の実花と健太姉弟。石のパワーを手に入れようと、次々に襲い掛かる邪悪な妖怪たちから2人を助けた鬼太郎は、妖怪石を盗んだ張本人として濡れ衣を着せられ、妖怪大法廷にかけられることに。満月の夜までに石を取り戻せなければ命はない。今、善と悪、様々な妖怪たちを巻き込み、史上最大の戦いが始まる! (公式サイトより引用)

<これでいいんだ?>

いつもはあらすじ自分で書くんですけど、今回はだいぶ前に観たこともありだいぶ内容を忘れ去っていたので、公式サイトから引用させていただいてます。

鬼太郎の性格付けとかを現代風にアレンジしてるのとかは、別にいいと思うのね。オヤジが自分の目玉じゃないとかその辺も別にどうこう言う気はないです。

でもね・・・。どうもこういう”大したこと無い”話だからこそ猛烈に引っかかるんだよ。
私って、すっごく曲がった性格なのです。

一言で言えば、コスプレ大会。
内容的には「新春かくし芸大会」で十分。
しかし、お金を取るんだから、ただコスプレしてるだけでいいのか?と思わなくもなく。
ま、いいんだろうけど・・・。

それにしてもこの映画、甘すぎませんか?
子どもが楽しめる・・・って、そんなに子どもに甘くないといけないのかね・・・。

まぁ、メッセージがなきゃいけないとはいわないよ。
そんなもんないほうが十分面白いってことだっていっぱいある。
むしろ変にメッセージ性があると冷めちゃうし。

この先、少々ネタバレ入りますが、言いたいこと言わせてもらいます。
毒ついてますし、ネタバレなので、楽しみで観たくてしょうがない人は読まないほうが無難です。
こんな映画に真剣にケチつけるなよ、といわれるのは承知の上です、あえて、です(笑)





この映画って、妖怪をないがしろにしすぎじゃないかしら?
鬼太郎は、ただ人間と仲良くなりたいからって何でも願いをかなえてくれちゃう人だってわけ?

悪いのは全部ねずみ男。それも、欲に目のくらんだ妖怪。そんなヤツ、人間の世界にもいっぱいいるのに、全部悪いのをねずみ男だけの罪にするために精一杯シナリオを練る。
なぜなら、誰も悪い人を作っちゃいけないから。子ども達をこの映画のせいで人間嫌いにさせちゃまずいから。ねずみ男なら悪いことをしてても悪役っていう感じはしないから。一生懸命ですね、誰からも怒られないように。

この子を救ってあげなくてはならない理由がわからない。たまたま石を持っていた子がかわいそうだから救ってあげる鬼太郎。いい人すぎるよ。

そりゃ鬼太郎さんはいい人だわ、当たり前だよ。
だけどそれも、鬼太郎が”人間誰にでも優しいから”なのかと思えば、ちょっとおねーちゃんの惚れてるからっぽいところもあったり。それじゃあ、その辺のいい人と変わらないやね。
そんなんだから、妖怪と人間の間が縮まるわけでもなければ、妖怪のことを人間が理解したい、と、そういう気にすらならない・・・それどころかウエンツが妖怪だという風に見えてこない。そう思うのは、私がいい大人だからだろうか?

下手に説教くさいよりはいいような気もするけれど、私はあまりこれを子どもに見せたいとは思わないかなぁ・・・と思った。

これで、お父さん生き返らなければまだ良かったと思うけど・・・。
信じて泣けば生き返るわけ?お父さん大好きなら生き返るわけ?
はぁぁぁぁぁぁ~~~~?
そんなら誰でも生き返るわ!
現実さえ受け入れられてないその子ども。
特にお父さんを生き返らせるために必死でがんばるわけではない。ただただ”思い出”に必死ですがっている。その気持ちはわかるが・・・。
「ブラッド・ダイヤモンド」のお父さんのように、子どもを助けるために命がけで石を盗むわけではない。
「ブレイブ・ストーリー」のワタルのようにお母さんを助けるために勇気を持って闘い続けているわけでもない。
たまたま石を盗んだお父さんが死んで、たまたま石を持っていた子どもがそれなりにいい子で、おねーちゃんがかわいかったから鬼太郎が助けてくれた。子どもは手紙を書いて、信じてただけ。
なんだかねぇ・・・。
ま、何はともあれ、いろいろとがんばるのは鬼太郎。
でも、お父さんが生き返ったのは鬼太郎のおかげではなく、子どもの思う気持ちのおかげなんだって。ちょっと都合よすぎじゃなぁい?

そしてもうひとつ。狐のプリンセス小雪。(名前は失念)

「私達はまた住むところを探せばよい」

・・・団地に住んでいる子ども達がいじめられるから、団地設立が悪いというのはまずいんじゃないか・・・。
そんな風にいわれたとしか思えないようなセリフだね・・・。

冗談じゃないよね。住処を追われても泣き寝入りしろってか。人間によって住処を追われ、怒る手下にそれが上司の言うことか!
そんなんだから反乱が起きるんだ。当たり前だよ。
住処を奪われて、自分達のプライドを傷つけられたら怒るのは当然。でも、問答無用に許してくれるんなら、それでもいいんだね?っていう気になっちゃうでしょうが。
妖怪はどこにでも住める?住めなくはないんだろう、でも、住みやすくはなくなる。だから怒る。当然のこと。
そして人間は、”住む場所はいくらでもある”ならば、絶対にこれからもお前達の住処を奪い続けるよ?
一つだけ稲荷を残して、そこに大量のあぶらげを備えればいいんでしょ?
そんなことになりかねない。
「信頼があるうちに報いておかないと、後で大変なことになるんだから、今のうちに・・・」そんなところまで子どもにそこまで伝わるとは思えないけどねぇ・・・。
何の教訓にもならないどころか”あ、それでいいんだ”って思わせてしまうだけだね、これじゃ。
ファンが恐ろしいほど少ないが、それこそ「平成狸合戦ぽんぽこ」の方がずっといい。

こんなことをいっているので、妖怪の存在価値、稲荷神社の存在価値なんてありゃしない。それこそ”いい事をしてあげないと存在させてくれない”という卑屈な生き物にしてしまっている。鬼太郎は、「うちの息子がすみません・・・」と、近所にお詫びの品を配って回るお母さんみたいだ。

では油揚げを供えたら父親を生き返らせてくれるのですか?
さすがの子どももそこまでの話信じられるわけがないとは思うが・・・。

ま、とはいえ、そんな噂が人間の間で広まっていけば、物好きな人間も出てきて、妖怪に対する理解も深まるかもしれない。だから、頑張って布教するんだぞ、そこの子ども!・・・って・・・全部忘れちゃってるときた・・・。しかも下らん恋愛騒ぎのせいと来た・・・。なにそれ・・・。今までなんだったのさ・・・。

とにかく、色々なところに気を使いすぎなんだか知らんが、な~~~んにも見えてこない単なる”コスプレ大会”みたいなお話だった気がする。
ロマンスったってそんなんじゃ・・・お涙頂戴のファンタジーったってそんなんじゃ・・・って感じ。
コスプレ自体は楽しかったけど、それだけかよ・・・みたいな。
ま、それだけでいいんでしょうかね・・・。
いろんなものに気を使い臆病になった挙句、「ロマンス」「感動」を入れろ!といわれ、どうしょうもなくてこういうかたちになってしまった、という気がする映画ですね。

これを観て妖怪に興味を持つ子どもがいるんでしょうか・・・。
ウエンツや間寛平に興味を持つ子どもはいるでしょうが、これを観て妖怪図鑑を読もうと思う子どもがいるかどうかはなはだ疑問。

むしろ、妖怪離れを起こさせるんじゃないかという危惧さえ出てきました。
それに、こんな”腫れ物を触るような”子供向け映画、子供が観て同思うのかなぁ・・・なんて思ったり・・・。

ふぅ・・・。言い切ってしまいました。さすがにちょっと言い過ぎたかな?

妖怪ってのは、モノや自然に宿るもの。だから、モノを大切にしないと怖い妖怪が出てくる。古い家を大切に使っていれば、座敷わらしようないい妖怪も出てくる。
私は決して妖怪に精通しているわけではないけれど、昔見たアニメや本からそういうようなニュアンスを感じ取ることは出来た。

初めてマンガを見た人は”小説の方が伝わるのに”と思ったことでしょう。
初めてアニメを見た人は”マンガや小説じゃなきゃ伝わらないものもあるのに”と思ったことでしょう。

だから、私のこんな意見も初めてCGを見た人の意見なのでしょう。単なる危惧であり、今を生きる子ども達には思いの他伝わっているのだろう・・・と思ってみたりします。

http://www.gegege.jp/


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2 コメント

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Unknown (喪に)
2007-10-08 23:09:05
 ま、鬼太郎はモノクロテレビの時代画からある作品なので全部が全部つまらないわけではないですよ。
 初期のカラーテレビの頃のストーリーなんか子供向けにしてはクオリティ高いです。映画は…平成作品になりますが中国妖怪と戦争する話がお勧めです。
 …断っておきますが、具体的な数字は言いませんけど私の年齢は結構若いはずですw
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私もアニメは好きですよ。 (微妙)
2007-10-26 21:03:23
>喪にさん
私もアニメは好きですよ。子供にもキチンとメッセージが伝わるものだったと思います。
私がつまらないといっているのはアニメではなく映画です。

>私は決して妖怪に精通しているわけではないけれど、昔見たアニメや本からそういうようなニュアンスを感じ取ることは出来た。<

この一文でその旨キチンと明記していたつもりでしたが、伝わらなくて申し訳ありません。
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