ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

カントリー・ゴールド注目のDanielle Peck ダニエル・ペック

2008-10-16 | カントリー(女性)
(※カントリー・ゴールドでのダニエルへのインタビューはコチラ)

 ダウンホームなシャナイア・トゥエイン。

 いよいよ今度の日曜日に迫った、熊本でのカントリー・ゴールド。今年は第20回のメモリアル・イヤー。私も2000年のブラペ(Brad Paisley)の1回目以来、久々に行きます。今回は何といってもヘッドライナーであるダークス・ベントリー(Dierks Bentley)が大収穫モノの注目株なのですが、彼と並んで注目のDanielle Peckも、ここで取り上げておかないと。いやいや、若手バンドWhiskey Fallsも、自称"Cala-Bama"ミュージック(つまり、イーグルスの"Hotel California"とレイナード・スキナードの"Sweet Home Alabama"が出会った音楽)、コーラスがナイスな筋の良いバンドだし、元ニューグラス・リバイバルのソウルフルな過激派ブルーグラッサーJohn Cowanも楽しみなのですけれど、強いて言えば!です。

 

 カントリー・ゴールドのHPに要所を突いたバイオがありますので、ここでは少し補足程度に。アメリカ海兵隊員の家庭に生まれ、喋れるようになる前から歌えたんだとか(アメリカ特有のトールテール(ほら話)と思いますが・・・)。3歳の頃までには、店のカウンターに座って家族の演奏するカントリーに併せてポットやなべをガンガンならし、初めて歌った歌がジョニー・キャッシュの"Folsom Prison Blues"という恐れ多い女の子でした。10歳になるまでに既に曲を書くほど早熟で、Danielle Peck recordsなんてレコード会社を夢想してカセット・レーベルを作って遊んでは、自分の夢を思い描いていました。その夢の第一歩として、16歳でローカル・バンドで活動開始、18歳で父から”学費代わり”としてライブ用のサウンドとライト・システムを買ってもらいました。親からこのようにサポートを受けたカントリー・アーティストは多いですね。ダニエルはやがてナッシュビルへ向かい、まずソングライター契約にこぎ着けます。そして、当時DreamWorksにいた Scott Borchettaのオーディションを受ける機会を得て、見事Scottに認められるのです。最初はDreamWorksとレコーディング契約を結びますが、Scottの新レーベルBig Machine Recordsの立ち上げに同行、レーベル第1号アーティストとして2006年にセルフ・タイトル・アルバムでデビューを果たすのです。

 

 デビュー作「Danielle Peck」は、シャナイア・トゥエインを髣髴とさせるDanielleの滑らかで官能的なボーカルが堪能できる好作。ファースト・シングルにもなった、キャッチーなギター・リックが印象的な"Finding a Good Man"がカッコイイ!の一言。タイトルどうり、アメリカのパワフルな独身女性の心情を歌ったロッキン・カントリーです。アルバム全体としても、Danielleのターゲット・リスナーである若い女性にまつわる物語が取り揃えられているよう。シャナイア云々と言えば、クオリティの高いバラード"A Woman Does Too"を聴いてると、ズバリ、シャナイアの"Woman In Me"やその頃のバラードが思い出されて、やっぱりニンマリ。しかしイミテーションなどではなくシャナイアにはないダウンホームな響きを持っていて、濃厚なヘヴィネスを持つ"Fallin' Apart"あたりはDanielleでしか味わえない個性と思います。そして、歌声だけでなく、そのソングライターとしての能力も忘れてはいけないでしょう。11曲中8曲でライターとして名を連ねており、セカンド・シングルとなった"Isn't That Everything"は流れるようなメロディが素晴らしいカントリー・ミディアムです。このアルバム、基本はロッキッシュなコンテンポラリー・カントリー・スタイルなのですが、そのギター・サウンドをはじめとしたサウンドには、安易なポップには走らないオーガニックでナチュラルな質感がキッチリ織り込まれており、Big Machine Records第1号アルバムとしての重責を十分に果たしたと思います。

 Danielleは、新曲"Bad For Me"もやってくれるでしょうね。阿蘇の気持ちの良い風景の中で、ビールでも飲みながら、カントリー・ライブを存分に楽しみたいと思います。従いまして、チャンとしたコンサート・レビューは期待しないでください・・・・

 ●DanielleのMySpaceサイトはコチラ

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4 コメント

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Unknown (千子村正)
2008-10-17 00:19:30
今晩は。
私は、カントリー・ゴールドは今年も往けません。
仕事が中途半端に忙しいので・・・。

さて、ダークスは認知済でしたがこの人のCDは
そう云えばまだ聴いていませんでした。
「ダウンホームなシャナイア」と云う文言に
食指が動きます。
当方、自称・京都一のシャナイア・ファンですから、
(↑偽カントリー・ファンの証でもある)
これは買うしか!

・・・カントリー・ゴールドのレヴュー、
楽しみにしております。
それでは。
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もうすぐCountry Gold (らいす)
2008-10-17 09:06:57
 Bad For Me 良いですよね。ちょっとハスキーにも聞こえる声、友人はシャナイアの新曲と思っていました。
日曜日天気は曇りかも、暖かい格好のお準備を。
 オールドスタイルの集団が会場最上部BBQゾーンで小牛丸焼きする予定です。その辺で声掛けてください。私はワインのパックを持ってウロウロしていますから。待っています。
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楽しみですね (harley)
2008-10-17 17:07:34
私は、法事と休暇が取れなくて今年は行く事が出来ません。
こんな可愛い子に会えるなんてうらやましいですね。
サインや写真のひとつでもほしいですね。
十分楽しんできてください。
晴れるといいですね。
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カントリー・ゴールド (bigbird307)
2008-10-18 01:09:35
千子村正さん

残念ですね。日曜の夜に熊本って、社会の主戦場で働いてると、きっぱり割り切らないとなかなか行けないです、実際。しかし、本来カントリー・ミュージックは、そういう疲れた人たちの心を和ませる力、ソリューションを提供できるはずで、なんとかしたいものです。ささやかながらもレポートは入れたいと思っています。


らいすさん

防寒着は準備いたしました。あきれるほどフツーの人間ですが、宜しくお願いしたします。BBQサービスしてください。


harleyさん

今年は残念ですね。会って話が出来ればいいですね~。でも、気が強いんだろうな~。いや、余計な心配は無用。ライブを楽しんできます。
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