ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

テイラー・スウィフトを発掘したScott Borchetta スコット・ボルチェッタ(CEO of Big Machine Records)

2008-06-23 | Taylor Swift テイラー・スウィフト レビューまとめ

 今回は趣向を変えまして、今注目のインディ系・レコード・レーベル、Big Machine Recordと、ジュエル(Jewel)の「Perfectly Clear」をリリースしたThe Valory Musicの社長兼CEOである、スコット・ボルチェッタ(Scott Borchetta)を取り上げたいと思います。言うまでもなくテイラー・スウィフト(Taylor Swift)を大成功に導き、そしてジュエルをカントリー・フィールドに引き込んだ張本人なのです。押さえておかなくてはいけません。

スコット・ボルチェッタ


 彼の信条は”全てのメディアを攻めよ”。Scottは言います。「カントリー・ラジオ局は今でも王様です。しかし、他のメディアも頭角を現していて無視できなくなってきました」。20年に及ぶラジオ・プロモーションの経験から、古いものと新しいものの健全なミックスが望ましい事を熟知し、メジャー級のステイタスを得た彼の言葉です。テイラー・スウィフトの場合はこうでした。最初に手を組んだのは、ケーブル・テレビジョン局のGAC。そこで、テイラーのヴィデオもシングルも無い時点で彼女に関するストーリーを紹介し、GACの中で”Short Cuts”と呼ぶ1分そこそこの枠で宣伝を流したのです。そのおかげで、テイラーのMySpaceページのヒット数が瞬く間に上昇。「そしてこの実績を持ってラジオ局を攻めたのです。『私達はあなた方を包囲しています。あなた方はただ知らないだけなんです』私達は自分達が強力な何かを持っていて、それが動き始めている事を知っていたんです」

 Scottは長くレースカーのオーナーであり、週末はドライバーもこなしつつ、レーベルを運営しています。その種はDreamworks NashvilleでToby KeithをスターにしたプロデューサーJemae Stroudと仕事をしていた時に蒔かれていました。そして、父が伝説的なプローモーションマンMike Borchettaというのも彼の運命だったのです。1981年にナッシュビルへ移動し、父の会社で音楽業界入り、書簡発送やラジオ局への電話などを仕事にしました。そして1991年にMCA Nashvilleへ移籍。その後の6年間、Vince Gill、Reba McEntire、George Straitをはじめとしたメジャー・アーティストとの仕事で重要な役割を果たし、A&Rやアーティスト育成を学んだのです。

 メガ・スターであるガース・ブルックス(Garth Brooks)が、2007年のベスト・アルバム「The Ultimate Hits」のプロモーションでScottに協力を要請をした事は注目でした。レーベルのスタッフはガースのWebチームと協力し、各ラジオ・ステーションのホーム・ページ毎に"More Than A Memory"のビデオを流すプレーヤーをカスタマイズ、ビデオは世界的に一気に公開される事になり、"More Than A Memory"はビルボード・カントリー・シングル・チャートで初めてとなる初登場1位を獲得すると言う歴史が生まれたのです。

Jewel


 Scottの世界は、ポップ・スター、ジュエルの獲得とThe Valory Musicの立ち上げで、さらに広がります。「私はジュエルと契約する方法を見つけなくてはいけないと思っていました。私は彼女と会って『私はあなたの音楽を愛しています。でも2009年の1月まで待てますか?"You Were Meant For Me"がもし今出ていたら、それはカントリー・レコードになってたでしょう』と言うしかなかったのです。彼女はいまテキサスの農場に住んでいて、そのスタイルの生活をしていますし、彼女は世界的に最も驚くべきシンガーなんです。私達のカントリー・ラジオ局へのジュエルの売り込みフレーズはこうです『これは既に確立されたブランドです。そして彼女はいまあなたの”家”にいるのですよ。この機会を生かすべきです』」

 Scottの主なお抱えアーティストは、テイラー・スウィフトやジュエルの他に、Jack Ingram、Trisha Yearwood、そしてカントリー・ゴールドで来日するDanielle Peck(以上Big Machine)、Jimmy Wayne(Valory Music)ら。彼はこう総括します。「価値を生み出すには色々な方法があります。人々は音楽と恋に落ちるのではなく、音楽を利用する新しい方法に愛を抱くのです。音楽はこれまでよりもっと多くの場で機能していくでしょう。これからもNo.1レコードは存在し、私達はいかにしてNo.1を獲得するかに焦点を合わせるのです」



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2 コメント

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インディー・レーベル (t@ke)
2008-06-24 10:27:25
業界情報有難うございました。
最近やたらとインディー・レーベルが目につきます。

逆にMCA,RCA,Arista,Warner等のメジャー・レーベル歌手が減っています。
以前は各レーベルで15人位いたと
思いますが、今は5~6人です。

音楽界全体がそうみたいで、何か変革が起きてる様です。
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インディー・レーベル (bigbird307)
2008-07-01 00:13:16
t@keさん、情報を有難うございます。

メジャーでは、なかなかアーティストの満足のいくトンがった作品が作りにくいからでしょうか。ダウンロード配信が増えてきて、メジャーでは小回りが利かないとか。記事にしたガースのプロモーションの話など、最新の業界事情は私も目からうろこで面白かったです。


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