愛煙家の多事総論

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K君、悟達するの巻

2007-04-16 01:11:14 | 愛すべき部下達
後頭部が俺以上に寂しくなり始めた、まだ20代のK君。本人は最早諦めの境地に達しているが、同じ悩みを抱くものとしては、見ているだけでハラハラする。そんなK君が、ある日とんでもないこと?をしでかした。

先日のことだ。
昼休みに入り、今日は何を食べるかを部下たちと話していたとき、

「ただいまです」

と、出張から帰ってきた報告をしに来たK君の声がした。

そうだ、主張帰りを労って、K君の好きなものを奢ってやろう・・・そう思ってK君の方に振り返ったとき、絶句した。

わいわい騒いでいた部下も絶句した。

K君はニコニコしていた。

このまま時間が止まるのじゃないだろうか、と思うほどの沈黙を続いた。その沈黙を最初に打ち破ったのは、K君の

「?どうしたんですか?みなさん?」

という不思議そうな声だった。その声に我に返った俺が聞いた。

「いや・・・どうしたって、お前、髪ないじゃん」

そうなのだ。K君には髪がなかった。ツルツルだった。スキンヘッドだった。

K君は、ああこのことですか、と頭を撫で

「いえ、いつまでも髪に執着してるのも馬鹿らしいじゃないですか。薄い髪を気にして毎日四苦八苦しながらヘアセットするくらいなら、いっそ剃っちまおうかと思いまして」

と、満開の桜のような素敵笑顔を俺に向けた。

いや、そんな顔で見るなよ・・・。

「で、でも、いきなりスキンヘッドってのは・・・せめてボウズにすればよかったのに」

「ボウズにしたら、結局まだ髪が伸びるじゃないですか。ですから、抜いてもらいました」

脱毛かよ!?お前は僧侶にでもなるつもりか!?

「そ、それは流石に早まったんじゃ・・・。だってお前、まだ20代じゃないか。これから60年近く、スキンヘッドで過ごすつもりなのか?冬は寒いぞ?」

動転の余り、最後にどうでも良いことを聞いてしまったかもしれない。K君は俺の言葉にも動揺せず、むしろ淡々と微笑を浮かべ

「構いませんよ。どうせいつかは抜けるものですし。早いか遅いかの違いですし、自分の意思でどうにかできる段階でどうにかしてしまった方が、いっそすっきりします。それに、髪のあるなしで僕の人格が変わるわけでもありません。他者が見たら、最初は異様に思われるかもしれませんが、人間は慣れる生き物ですから。みんな割りとすぐに、新しい僕に慣れてくれると思います」

さ、悟ってる・・・。諦観の境地から、ついに悟りの境地まで上り詰めてしまった・・・。


そんなK君を、精神的にも物理的にも眩しそうに見ている俺。

俺はまだ、K君みたいに解脱できないと、心の底から思った。

K君には、やっぱ勝てねえ・・・。



























































ちなみに、K君は相当のイケメンなので、彼のボウズ頭は凄まじく色気がある。
引き締まった口元、スラリと整った鼻筋、鋭い眦、意思の強そうな直線の眉毛。そしてボウズ。
もっと分かりやすく言えば、伊藤英明をさらに鋭くした感じ。のボウズバージョン。

言っちゃあなんだが、平安時代の浮気僧侶を見ているようだ。


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1 コメント

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う! (ゆうせい)
2007-04-17 00:35:37
すげぇ…(ノ゜O゜)ハシタナイ言葉ですが、こんな言葉がピッタリ来る様な気がします。

イケメンなら、何をやってもカッコイイんです(^^ゞ

…と思う(苦笑)

それよりも、愛煙家さん、ヒビ程度?で良かったですね。折れていたら、リハビリ長いですよ( ̄▽ ̄;)
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