学校の図書館から借りておいた 「ヘルンとセツの玉手箱ー小泉八雲とその妻の物語」を読んだ。
藤森きぬえ 著 / 文溪堂 1992年発行
藤森さんは、1983年1月、児童文学「こうべ」に「ヘルンとセツの玉手箱」第1回を載せました。
“小泉八雲”の本名はラフカディオ・ヘルン。 彼は1850年ギリシアに生まれたイギリス人。幼少時代は不幸続きだった。イギリスからアメリカにわたり、その後日本の松江にやってきた。明治時代、帰化法ができる以前のことである。松江に来てセツに出会い、結婚。男の子が誕生。でも戸籍がつくれない当時の日本の状況。そこで、ヘルンが日本に帰化を決意。“小泉”はセツさんの名字。“八雲”は松江にある出雲が神代の昔から『八雲立つ出雲』と呼ばれていたので、つけられたそうである。
セツさんは幼いころから周りの人に「面白いお話聞かせて!」とねだっていたので、たくさんのお話のタネを持っていた。当然、松江を始め日本の古い話、怖い話をいっぱい知っていた。それを八雲に語って聞かせたそうだ。文中には、昨日の図書館講座の朗読会で読んでくれた『耳なし芳一』や『雪女』の話も語り口調で記されている。セツさんあっての八雲であったことがわかる。
日本の文化を知りたい八雲が松江から熊本へ、それから神戸、東京へと移り住む事情も理解できた。
そのそばには、いつもセツさんが献身的に支え、二人三脚で多くの作品を残すまでが描かれていた。
小学生用に書かれているのであっという間に読める本である。八雲の作品ばかりでなく、こういう伝記も読んでもらいたいと思った。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます