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庭師のブログ カンタベリー大聖堂・・・の柱

2023年06月22日 | 日記
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第46話 カンタベリー大聖堂





日曜日、エリオットさんと、息子さん一家が、遠出して私をカンタベリー大聖堂へ連れて行ってくれました。とても古そうな名前で、実際12世紀ごろ、キリスト教の聖地として、建てられたようです。

2歳になる男の子のアーティー君は、最初のうちは離れて私をにらんでいましたが、観光客の行きかう街並みを、手押し車に乗せたり、抱っこして景色を見せたりしているうちに、だんだん慣れてきて、私の指をしっかりつかんで歩くようになりました。

大聖堂の中は広く、天井も高く、窓という窓には、ステンドグラスで、何か物語りのような絵が、描かれていました。

荘厳なパイプオルガンの響きと、ステンドグラスで描かれている絵の世界に浸りながら、順路に沿って私たちは、しずしずと歩き始めました。

しかし、美しいステンドグラスの絵も、パイプオルガンの音色にも興味のないアーティー君は、私の指を握ったまま、先へ先へと急ごうとします。



そこで、アーティー君の気をそらすために、天井まで届く太い石の柱を指さして

「アーティー君は、この柱にさわれるかな?」

と、言いました。

アーティー君は、柱に近寄って、サワワッと柱をさわりました。

「うわっ。アーティー君はえらいねえ。こんな大きな柱にさわれるんだねえ」

と、感心したふりをすると、アーティー君は、すぐ隣の柱まで走って行き、サワッとまた柱を撫でました。

「うわわわっ、そこにも柱があったの (さも感心したような口調で)アーティー君は、すごいねえ~、よくみつけたねえ~、まだ柱はあるかなあ~~?」

アーティー君は、私の指をつかんで、3本目の柱の方へ、私をひっぱっていきました。

2歳になったばかりなのに、思いのほか力が強く、空いた片手でステンドグラスの写真を撮っていた私は、思わずよろめいてしまいました。

終始無言のアーティー君は、つぎつぎとみつけた柱に私を引っ張っていき、片っ端から撫でていきました。ところどころに設置されている、大きなボンベの赤く塗られた消火器も、アーティー君には柱です。

おかげで、カンタベリー大聖堂は、たくさんの柱でできている、いうのが、私のカンタベリー大聖堂「見学感想記」です。

カンタベリー駅前で、車で帰る息子さん一家と、鉄道でロンドンに戻る私とエリオットさんは、そこでわかれました。

アーティー君は、笑顔で手を振ってくれるかなと思ったのですが、お父さんに手をつながれたアーティー君は、じっと私をにらんだままでした。

赤ちゃんを抱っこしていたお母さんが、ほらバイバイして、と促しているようでしたが、相変わらずにこりともせず、私を見ていました。

まあ、男の子って、どこの国でも、あんなもんですかね。

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2回目 ロンドンの庭園(2) コッツウォルズ村

2023年06月11日 | 日記
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コッツウオルズ村/バーフォ-ド、バイブリー、ボートン・オン・ザ・ウオーター、ストウ・オン・ザ・ウオルド



ロンドンから、車で2時間ほど西に向かうと、「世界一美しい村」として有名なコッツウオルズ村があります。













3年前にも行きたかったところですが、私の思い違いで、行きそびれてしまい、残念な思いをしました。

コッツウオルズ地方は、大昔は羊毛で栄えたところでしたが、産業革命の波に取り残され、鉄道も通らない田舎になってしまいました。そのため、昔のままの雰囲気を残し、現在では、美しい観光地になりました。













特に、この地方一帯でたくさん産出するコッツストーンを使った石積みの家や石垣の景色が圧巻で、村全体が、それこそ観光キャッチフレーズで言う、ハチミツ色に包まれています。

















最初、私は妻籠や馬籠みたいな、あるいはアメリカでいえばオールドタウンのように一画だけ保存地区のように遺した所だと思っていました。


ところが、コッツウオルズというのは一つの地域で、今回バスツアーで訪れた4つの小さな村というか、集落というか、そんなところが道中にいくつも点在していました。

高速道路を使えば、ロンドンまでそれほど遠くないので、別荘を構える人だけでなく、新しく家を建て、住民として住む人も多くなってきたそうです。

ロンドンでは、すべてレンガつくりなのに、ここではコッツストーンばかりで、レンガは見当たりませんでした。そういう風致規制があるのかどうかは知りませんが、レンガつくりよりはるかに高いコッツストーンであれだけの面積を積むのは、かなり費用がかかりそうです。

私が見たかったのは、コッツストーンを使った小端積みの技法です。











400年くらい前の積み方と、現在の積み方の違いですが、もとはと言えば、羊を放牧するための囲いというか、境界というか、仕切りをするために造ったもので、その辺にいくらでもある平たい石、コッツプレートを約50センチ幅に両面から積み上げていき、その上を、羊が飛び越えないよう、石を立てつかいにして、傘にしていました。






中には、壊れかけている石垣もありました。

今では、中に礫だけでなく、土やあるいはモルタルを込めていると思いますが、何しろ地震のない国ですので、石の重みだけで崩れもせず、何百年も保っているみたいです。

私も小端積は好きな方ですが、石の合端を合わせようとすると、大変手間がかかります。石の積み方に、何か法則はないかと、他のツアー客とは離れて住宅地を歩き周り、たくさん写真を撮りました。

バスの出発時間に帰らないといけないので、時々振り返っては、景色を頭に入れておくのですが、ワラビ取りと一緒で、あっちの路地、こっちの路地と、入り込んでいくと、帰り道がわからなくなってしまったことがあり、ちょっとあせりました。

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2回目 ロンドンの庭園(1)はじめに

2023年06月05日 | 日記
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ロンドンの庭 (1) はじめに


コロナはもう終わったような、まだ終わらないような、みんなマスクはつけているけれど、世間ではコロナ前のような生活が戻ってきた、そんな今年の初め、コロナで行けなかったら捨てるつもりで、チェルシー・フラワーショウのチケットを申し込みました。チケットは、もう僅かしか残っていませんでした。

丁度そのころ、治療が必要な病気になったので、チケットが取れなければ、それはそれでいいと、あっさり諦めがついたのに、チケットが取れてしまったので、とりあえずすぐ飛行機の手配をしました。

チェルシー・フラワーショウは、5月の23日から5日間開催され、まだ3か月も先の話でしたので、病気が悪くなれば、航空券のキャンセルも手数料だけで済むので、その時点で考えればいいと、思っていました。病気の方は、よくも悪くもならず、結局キャンセルのタイミングを逃したような出発になりました。



3年前に行ったときは、ハンブルグまで12時間ほどかかったので、今度はシンガポールで乗り換え、6時間程休んで、ロンドンに行こうと思っていました。長時間のフライトに懲りて、次回はそうしようと決めていたので、躊躇なくこのフライトスケジュールをたてました。それが大間違いでした。

3年前に考えたことは、名古屋~シンガポール間が6時間、シンガポールからロンドンまでが6時間。つまり名古屋~ヨーロッパ間が,12時間なので、残りは半分の6時間と勝手に決めてしまい、それを3年間すっと信じこんでいたので、それが倍の13時間もかかるということに気が付いたのは、シンガポールを発った飛行機の中でした。6時間のつもりで乗った飛行機が、13時間もかかったということです。

最近友人や、知人がそうしはじめたように、ビジネスクラスや、ファーストクラスという手もあるのでしょうが、今後はもう遠くへは行かないと決めたので、私にはもう縁がない話です。

ロンドンでの滞在は、病気のこともあり、欲を出してあちこち行かず、ホテルの部屋に店で買ってきた食料とワインを持ち込み、少しでも多く寝るようにしていました。

よく寝たあとは、近くの公園や、住宅地を散歩したり、通りがかったバスに乗って、例のごとく二階席から街の景色を眺めるのでした。

(ホテルの近くの公園。昔バイキングが侵略してきたと看板に説明があった。)


8日間のロンドン滞在のうち、どうしても行かなくてはならないのが、チェルシー・フラワーショウと、コッツウオルズ村のツアーでした。残りの6日間は、キューガーデン(王立植物園)、自然科学館の恐竜特別展、大英博物館、それに友人のエリオットさん一家に案内してもらったケント城と、カンタベリー大聖堂、あとは電車やバスに乗りに行っただけの日が2日です。

今回は、そんなのんびりした旅でした。

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