朝晩は、少し涼しい風が吹くようになってきましたね。夏真っ盛り!ではありますが、着々と秋に近づいている。そんな淡々と、潔く変化していく季節の巡りにはいつもどこかほっとさせられます。
さて、昨日はヨガTTCのクラスがいつもと違う、学外大学駅にほど近い貸しスタジオで開催されました。
あまり行かない街に行くと、ついつい、ぶらぶら散策したくなるのは昔からのクセ。古本屋さんや、古道具屋さんがある街と聞いていたのでひそかに楽しみにしていました♪
わくわくしながらお昼休みにぶらりとお散歩してみると素敵な出会いがありました。
いくつか好きなお店がありましたが、一番は何と言っても古本屋さん☆絵本が充実していて思わず釘付け探していた絵本もあったのでうれしくなって何点か購入。
大好きなバーバラ・クーニー、ガブリエル・バンサン、レオ・レオニさんの絵本たち。
どれもシンプルなんだけど端正で凛としたところがあってとっても好きです。
まずは、バーバラ・クーニーの「ちいちゃな女の子の歌 私は生きてるさくらんぼ」。
「わたしは いつも わたしでしょう」。そして「わたしは いつも あたらしくなるのよ」、というシンプルだけど潔い一節がとても好きです。大人になって大きな組織の中で働いていると、「私は私」と言ってばかりはいられない場面も出てくるけれど。こういう1節に出会うと、なんだか生きていく勇気が湧いてくる感じがします。
そうだ、わたしはいつもわたしなんだよね、って。
それから、ガブリエル・バンサンのくまのアーネストおじさんシリーズの「雨の日のピクニック」と[セレスティーヌ」、「かえってきたおにんぎょう」。
ガブリエル・バンサンの絵本は大人っぽいというか、「アンジュール」みたいに悲しみとせつなさに満ちたものもあるけれど。このくまのアーネストおじさんシリーズは、そういう日常の中にある、せつなさや悲しさを全部ぎゅっと抱きしめて包み込むやさしさと温かさに満ちていて。いろいろなハプニングときちんと向き合って、やさしくハグしながら深い絆を結んでいくアーネストとセレスティーヌのお互いに慈しみあう様子がとても好き。
こんな風に穏やかに温かに丁寧に日々を紡いでいくことができるようになりたい、と思う絵本たちです。
もう1冊は、レオ・レオニさんの「ペテェッイーノ じぶんをみつけたぶぶんひんのおはなし」。
いつもいつも自分はとるにたらない未完成の存在で、もしかしたら誰かの部分品なんじゃないかと思っている主人公が自分自身を見つけるために旅に出るお話。
主人公がとても愛おしく思えて、読み終わった時に自分自身とこの世界が前よりもちょっぴり好きになるような。心の奥にそっと灯りをともしてくれるような1冊です。
絵本って、こどものものと思われがちだけど、かつて子供だった大人たちが読んでも深いメッセージが伝わってきて、そっと背中を押してもらえるような感じがする。
本当は大人にこそ必要なものなのかもしれないですね
そしてもう1冊は、大好きな詩人の谷川俊太郎さんの写真付き詩集、「あさ・ゆう」。
その中に大好きな「朝のリレー」という詩が載っているのでシェアしたいと思います。
「朝のリレー」 (谷川 俊太郎)
カムチャッカの若者が きりんの夢をみているとき
メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が 微笑みながら寝返りをうつとき
ローマの少年は 柱頭を染める朝陽にウィンクする
この地球では いつもどこかで朝がはじまっている
僕らは朝をリレーするのだ 経度から経度へと
そうしていわば 交代で地球をまもる
眠る前のひととき耳をすますと どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴っている
それはあなたの送った朝を 誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
なんかうれしくなりませんか?この詩を読むといつも、遠い昔に旅先で出会った人や、今も遠い国に住む友人たちを思い出したりして。
遠くで、近くで同じように朝を迎えて。一日を過ごしているんだなぁ、と思うとなんだかつながっているような気持ちになって。行き詰ってしまったようなときにも、同じ瞬間に畑を耕しているかもしれない遠くの友人のことを考えると、ふとほっとして世界はここだけではないんだよな、と思えたりします。
もうすぐ今日も終わり。
世界中の誰かから送ってもらう、素敵な朝のために今夜もぐっすり眠りましょう
そして、明日からも素敵な1週間を